1995年の作品。
私が初めて観たのは20年以上前になります。
ヤクザ映画とかバイオレンス映画をほとんど観てきてなかった当時の私には衝撃的でした。
どんどん人は死んじゃうし血はたくさん流れます。
でもそれと同じくらい男たちの色気が半端なく、腐った私にはたまらない作品でもありました。
バブルがはじけ多額の借金を負いヤクザから取り立てにあってるディスコのオーナー・万代(佐藤浩市)
男娼の三屋(本木雅弘)
会社からリストラされたことを家族に隠してる萩原(竹中直人)
元ボクサーのチンピラ・ジミー(椎名桔平)
ぼったくりバーで用心棒をしてる元警察官・氷頭(根津甚八)
社会からはじき出された5人は大越組で金を強奪する計画を立てます。
万代はもともと氷頭と面識はあったけど、後は偶然出会った人ばかりです。
でも万代と三屋の出会いはとても印象的なんですよねー。
強盗する仲間を見つけた、というよりも運命的な出会いをしてしまったような冒頭のシーン。
三屋がオッサンをボコボコにしてるところに万代が遭遇するんですが、振り返った三屋が美しく妖艶です。
危うい雰囲気がバンバン出てます。
そういえば男娼役のモックン見たさにビデオレンタルしたのが最初だったな、と思い出しました
映画では男娼を装って客から金を巻き上げてる、と言ってましたが、三屋はもともと同性愛者だったんじゃないかな?と思います。
強奪計画なんですが、綿密に計画を立ててなくて行き当たりばったりな感じでいきなり実行日を迎えます。これで本当にうまくいくの?と最初から不安になります。
特にコイツ。ずっと変なテンションの萩原に拳銃持たせたらダメですよ
現金強奪はなんとか成功しますが萩原がヤクザ幹部を射殺してしまいます。
当然大越組の組長は大激怒。
何がなんでも金を奪ったヤツらを探し出そうとします。
万代たちを殺すために送り込まれたヒットマン・京谷と一馬。
二人は相棒(師弟関係?)でもあり愛人関係でもあります。
モックン目当てで見ててまさかの殺し屋カップルまで登場するとはと当時は←こんな顔で観てました。
ヤクザ系って濃厚ブロマンスが多いのに、同性愛カップルとは腐ヲタに直球勝負です。ありがたい
京谷のパートナー一馬役の木村一八さんは横山やすしさんの息子さん。
小さい頃カッコいいなと思ってたけど色々あってテレビに出なくなりました
京谷たちが萩原を殺すために自宅へ潜入すると、萩原がすでに家族を惨殺してたというオチがめちゃめちゃ怖かったです。
バイオレンスだけじゃなくてホラー要素までこの作品の中で1番怖かった
前から家族から冷たくされてたんでしょうねでも殺しちゃうってどうなのよ
萩原は時々家族に電話をかけるシーンがあったんですが、自分で殺したくせに生きてると思い込んでるようなんです。
万代に出会う前から狂ってたのでしょう。だから登場からテンションがおかしかったんだな・・・。
ちなみにエンドクレジット見てたら殺された娘役は栗山千明さんでした。ビックリ
ジミーも萩原も殺され、氷頭は家族を殺されてしまいます。
万代と三屋は二人で逃げようと高速バス乗り場にいると京谷たちが現れ、三屋を庇って万代は撃たれてしまいます。
「警察が来たらどさくさに紛れて逃げろ」
と言い、三屋にキスして死んでしまう万代。
切ない。
京谷が現れる前、三屋は万代との逃避行を楽しそうにしてたんですよね。絶対万代のこと大好きやん。
強盗した後から三屋が万代に懐いてるのはわかったけど、万代の方はどういう感情かわかりませんでした。
でも万代からキスして終わるなんて、死ぬ系BLとしては満点の演出です
つまり二人は両思い。
万代に女がいたとか、そんな描写は全然なかったので絶対二人は愛し合っていたんです尊い
愛する万代を殺され、三屋は氷頭と大越組を襲撃し、組長を射殺。
三屋にヒットマンカップルの片方・一馬が殺され、それまで息するように殺しまくってきた京谷が悲しさのあまり発狂します。
そんなに一馬のこと大事だったんだ性処理くらいの立ち位置かと思ってたよ・・・。
愛する人を失った者同士の相撃ちで終わるラスト。
窓の外を眺めているような三屋の横顔が美しいし悲哀も感じます。
初めて観た時はおもしろさよりもショッキングで、怖いから二度と観ないだろうなーと思ってたけど、時々観たくなるんですよね。
ピュアなBLも大好きですが、血みどろに殺し合う中で芽生える男同士の愛情は濃厚で中毒性があるのかもしれません。