WOWOW再加入したのは「ダブル」が観たかったからです。

演劇を通して男二人の深く濃い絆を描く・・・と思ってワクワク観ました。

でも想像より濃厚でした。歓喜!



宝田多家良。

会社勤めをしてる時、ひょんなことで舞台を見て鴨島の演技に心揺さぶられる。それから会社を辞め役者の道へ進む。鴨島が所属する劇団「英雄」に入団。



鴨島友仁。

劇団英雄に所属してる役者。入団してきた多家良の才能を見出し演劇のいろはを教えていく。多家良を裏方で支える一方、自分も役者として成功したいという夢を抱いている。


多家良は天性の才能のある役者として描かれています。

演劇、天才と聞けば私は「ガラスの仮面」を思い出します。

多家良も舞台の本番で「どう動けば観客は感動するか」を本能でわかっていたり、オーディションで好きな作品の1シーンを演技すると言われた時みんなは渡された台本にかじりついてるのに多家良は台本読まずにワクワクしながら自分の番を待ってたり。


北島マヤを彷彿とさせます。観てる私もワクワクしてしまいます。でも私は真弓さん派。

マヤと違うのは、演技をするうえで自分だけで考えず、友仁と話し合ってキャラクターを掘り下げていくところ。

一言しかセリフがなくても多家良は友仁に必ず相談します。

多家良は友仁がいなければ演技ができず、不安で仕方ない。

それは多家良にとって友仁は役者という道を教えてくれた人であり、尊敬する師匠であり、すべてを支えてくれる人だからでした。

あと、台本を読んでも覚えられない多家良は友仁の読み聞かせで覚えてました。もうお母さん的存在。



天才あるあるなのか、時間にルーズで方向音痴。隣に住む友仁が甲斐甲斐しく世話をしてあげないと仕事現場に着くこともできません。

つまり二人は共依存。

多家良は友仁がいないと生きていけないし、友仁は役者の才能のある多家良から頼られることは嫌ではない。

そんな関係、周りから見ればおかしいけど私は大好き!

多家良が小さな子供のように、なんでも友仁さんに助けを求めるんですよね。

多家良の仕事を受けるかどうかも友仁が決めてる。そうしないと多家良は興味ないことは拒否してしまうからです。


すぐ「友仁さん!」と笑顔で駆け寄っていく多家良。こんなにかわいい笑顔で寄ってこられたら無下にできるわけありません。ばーちーかわいいハート

二人だけで生きていければそれでよかったけど、多家良の才能はやがて芸能事務所のマネージャー冷田に見つけられ、俳優としてドラマや映画に出演することになります。


一見クールなんだけど、熱い情熱を持った人。

冷田は多家良の魅力をたくさんの人に届けたい、でも多家良はそんなことに興味はなく、友仁と一緒に演技をしていたい。
多家良が芸能の仕事をうまくこなせるように友仁を繋ぎ止める役割をしていました。

友仁は決して役者を諦めてるわけじゃないんだけど、周りは多家良の裏方として友仁と接してる感じがあって。気の毒だなーと思いました。


やがて多家良は大物監督・黒津の映画に出演することになります。

二人で作り上げたキャラで挑んだ多家良ですが、監督と噛み合わず何度も撮り直しをすることに。最後には暴言を吐かれてしまいます。

監督には多家良の後ろに張り付く別の人物(友仁)が見えたんでしょうね。そんな演出でした。



多家良が友仁とそっくりの演技をしたり、↑↑↑のような場面だったり、ちょっと不気味に演出してて、それは「友仁の呪縛」で多家良は縛り付けられてるということなのでしょうか。

黒津監督の叱咤で友仁の呪縛を解くことになった多家良はますます飛躍していきます。

そして自分を送り出してくれた友仁が嫉妬していたことに初めて気づいた多家良は、それまでの二人の関係が少しづつ変化していきます。


多家良と共演したことで仲間となり仲良くなっていく轟と愛姫。

轟はめっちゃイイヤツ。そして愛姫(元アイドル)はちょっと多家良に気があったようです。

そして多家良は愛姫と食事に行ったところを写真を撮られたことで愛姫ファンに住所を特定され、引っ越すことになってしまいます。

とうとう離れ離れになってしまった多家良と友仁。でもそれまでに二人の関係に溝ができてしまっていたので多家良もあっさり受け入れます。

ここらへんは多家良のワンコのように弾ける笑顔がなくなってて辛かったなー。

でも友仁の呪縛がない方が多家良がスターダムに上がっていくのはわかるんですよね。演技のほんの少しのズレが友仁にはあって、それが多家良が感じる違和感だった。それが才能の差なのかなと思いました。でも師匠と思ってる友仁に言えなかったのです。

だからといって友仁のいない生活を送る多家良がイキイキしてるわけもなく。



轟と愛姫と多家良の3人芝居のオファーが来ますが、演出家が轟を降ろし、友仁を抜擢します。
稽古中、轟の代役を友仁が演じたことがきっかけでした。
ココ、轟よりも友仁の方が全然上手くて多家良との息もバッチリ。そりゃ誰が見ても友仁にオファーするよねーニヤリと思います。

しかも追加公演はダブルキャストでお互いの役を変えて演じると演出家から提案されてしまいます。

友仁の演技を見るとまったく同じ演技になってしまう多家良は拒否しますが・・・。

演技だけじゃない多家良の動揺っぷりに違和感。


私の大好きな第8話。

多家良は思い悩んで黒津監督に相談します。

友仁さんと離れたくて、やっと自立して一人で・・・と話してるけど、傍にいる「心の中に住む友仁」が多家良に話しかけます。
友仁と離れてるどころか、多家良の心は友仁に依存したままでした。

すると「友仁さんが好き。」と話し出す多家良に私は背筋がゾクゾクしました。

師匠とか尊敬と思うだけじゃない何かがあるとずっと思ってたから!

やっぱり好きだったのねー!

でも私が思うよりも多家良はもっと複雑で、友仁さんと同じ舞台で戦いたい、板の上で恋人にも家族にもすべてになりたいと言う多家良。

「ずるい男だな」から続く監督の言葉も大好きだけど、帰宅した多家良の家に友仁が泊まりに来てる場面はこの作品のクライマックス!!


今まで心の内に秘めてたのに、監督に打ち明けてから固く閉じてた秘密が少し緩んでしまったような。

でも友仁はずっと前から多家良の気持ちに気づいてましたね。

多家良の才能を前に絶望した友仁は、多家良の気持ちを知ってて、才能溢れる尊敬されたくて、ずっと一緒にいた。

いつも多家良は自分のことを羨望の眼差しで見てくれますから、そりゃ離れなれないですよ。

このシーン、ドキドキしっぱなしでした。

多家良、言っちゃうの!?というドキドキ、そして友仁の行動、友仁の胸の内など・・・。

それまでの関係が変わっていく夜のシーン1コマ1コマがとても熱くて、切なくて、この8話だけでもWOWOW再加入してよかったー!!ってなりました。



8話が好きすぎて、そこから最終回まであまり記憶に残らなかったんですがアセアセ

二人は無事、ダブルキャストの舞台に立てるのか?というところが最終話のクライマックスでした。


多家良と友仁の関係性がとんでもなく良くて、回を追うほど誰も入り込めない二人の共依存にハマってしまいます。


何度でも観たいドラマになりました!円盤出ないかなー?