ただいま絶賛放送中「新信長公記」に出演中の山田杏奈ちゃんが主演している作品です。

主人公が想いを寄せる人には、実は秘密の恋人がいて・・・という三角関係モノ。

学園恋愛モノには興味ない私ですが、こちらは思ったよりおもしろかったです!


高校三年生の木村愛は、成績優秀で友達も多い。

学園祭でも実行委員をしていて、先生からの信頼もあります。さらに推薦入試も合格間違いなしと言われ、何不自由ない高校生活を送っています。

冒頭でアイドルグループの歌に合わせてダンスするシーンがありますが、愛はセンターにいます。
それだけでスクールカーストでは上位にいることがわかります。

明るく振舞ってますが、目が暗いというかいつもつまらなさそうな愛。

そんな愛はクラスメートの「たとえ」に密かに想いを寄せていました。


成績優秀ですが地味で目立たないたとえ。彼のミステリアスな雰囲気に愛は惹かれていました。

地味でも目立たなくても高身長で聡明な雰囲気の彼はモテるでしょう!!というか、カッコいいやん!!皆、何見てんの!?と思ったら、中の人はジャニーズでした。納得・・・。

愛はわざとゴミ箱をぶち撒け片付けを手伝ってもらったり、わかってる問題をわざとわからないフリしてたとえに教えてもらったりしますが、一向に距離は縮まりません。

たとえが愛に興味ないので必要以上のことは話さないんですよね。
心のシャッターが全然開きません。


ある日、たとえが誰かからの手紙を持ってるのを見た愛。

塾の帰り、同級生が学校に忍び込んでると聞くと「私も行きたい」と言い、自分だけ教室に行きたとえの棚から手紙を盗んでしまいます。

手紙の送り主は同級生の美雪で、彼女はたとえの「秘密の恋人」でした。


美雪は糖尿病を患っていて、愛は美雪が倒れているところに遭遇したことがありました。

低血糖をおこしていた美雪に口移しでジュースを飲ませた愛。
目の前に美雪が持っていた飴が落ちていたのに。


たとえと美雪は付き合ってる素振りはなく、たとえを好きな愛は衝撃を受けます。



愛は美雪に近づきます。

友達がいない美雪は愛を受け入れLINE交換し、二人で映画やカラオケに行くほど仲良くなります。

「好きな人はいるの?」という愛の問いかけから美雪はたとえと付き合ってることを告白します。

たとえとは中学の時から付き合ってるのにキスもしていないと言う美雪に、愛はキスします。



文化祭の準備で二人きりになった時、愛はたとえに告白しますがたとえに「嘘なんじゃないかって。全体的に」と言われてしまいます。

胸に突き刺さるキツイ言葉を言われた愛のたとえへの愛情はどんどん歪んでいきます・・・。



愛はどうしてこんな性格なんだろう?と思いました。

欲しいもののためには手段を選ばず、我慢ができず、周りを振り回す。

穏やかでお菓子作りに熱心な母親と単身赴任中の父親と、家庭環境が悪いとはまったく思えません。

たとえにフラれた愛は、美雪に近づき性的関係まで持ってしまいます。


いくら好きな人にフラれたからってそこまでするガーン!?

でも美雪に触れた手を後で一生懸命洗うところは印象的。
ヤリたくてやってるわけじゃないのでしょう。

たとえと美雪の仲を壊したい、たとえをどん底へ!とか思ってたのかもしれません。

普通ならたとえと美雪の関係は愛のせいで壊れてしまうと思います。

高校生(しかも地味メン)がクラスで人気者の女子に告白されただけでも平然とはしていられません。

しかし彼らの仲はほぼ崩れず、反対に愛が情緒不安定になり生活が荒んでいきます。

髪も整えず顔色も良くない。優等生だったのに授業中に突然教室から飛び出すなど奇行を繰り返すようになります。

たとえと美雪の仲を壊すつもりだった愛の方が彼らに振り回されている結果になってしまったのです。

サイコパスなら生活が乱れないと思うんですよね。思い通りにいかないことへの苛立ちとか幼い部分の表れなのかなと思いました。


たとえの彼女・美雪がとても良い子で聖母のようでした。

たとえもそうですが、こんな高校生いるの!?と思うほど達観してます。

学校では付き合ってるの内緒にしていようと約束してもやっぱり休み時間に彼氏を見に行きたいとか、ならないのかな?

二人の交流が手紙だけって驚き高校生ならそれだけではお互い満足しないですよ。

持病があり細くて弱々しい雰囲気の美雪ですが、高圧的な父親から逃げたいたとえを支えてる姿は強さを感じます。


愛のことも受け入れ、キスされても友達でいたいと美雪の方から愛に近づいていきます。

関係を持った愛に「触れられる嬉しさを教えてくれてありがとう」と手紙に綴れる美雪・・・そんなこと、10代で絶対に言えねぇ驚き



愛のクラスが文化祭で作っていた桜の木のオブジェ?がとてもキレイでした。

グラデーションのように色んなピンク色と白の折り紙で折った鶴が桜の花の代わりになっていて、ハラハラと舞うシーンは儚く美しかったです。


「新信長公記」のみやびもかわいいけど、ちょっと闇を抱えてる愛がすごく杏奈ちゃんにハマっていました。

ただラストだけ意味わかんなかった!

たとえへの屈折した愛情から美雪に近づいたのに、最後は美雪を手に入れたかったのかな?

1人で観るより誰かと一緒に観て意見言い合った方がいい映画かもしれません。ちょっと過激だけどてへぺろ