大正11年9月1日。
おしんにとっては待望の子供服のお店が開店しました。
しかし50着を10日間で売り上げてしまえば商売としてやっていけるかわかるという、お試しのような開店でした。
今回は竜三もサブに回ります。
思うように売れませんが、おしんも源じいも竜三も楽しそうです。
皆が同じ歩幅で同じ方向を見ている感じがします。竜三も悲壮感が全然ない。
そんなある日、店に2人の男性がやってきます。
彼らは「大野屋」という大手雑貨店のバイヤーで、おしんの子供服を大野屋で取り扱いしたいという申し出でした。
先見の明があるおしんのために竜三が知人を介して大野屋に依頼したものでした。
なぜ、まずはおしんに相談しない?
細々とでも自分の店で商売したかったおしんは難色を示しますが、竜三の説得で渋々了承します。
竜三に言えない愚痴を源じいに言うおしん。
源じいは2人の間を取り持ついいクッションのよう。源じいがいなければ、おしんのストレスは溜まりまくってたかも。
竜三が仕事帰りに大野屋へ寄ると、おしんが作った子供服が飛ぶように売れていたのです。
ホクホクのバイヤーは色んなバリエーションやサイズ展開などの要望を出し、竜三もホイホイと了解します。
・・・商才のない竜三がまた商売っ気を出してきました。
怖い怖い
一度失敗してるのに、懲りてないんですかねぇ。
おしんは大儲けする気は元々なかったのに、有頂天になっているおしんは不安でたまらなかったのです。
私も不安でたまりません。
大体、不景気なんだから安い既製服買っても何度も何度も買いに来ないでしょうに。すぐに頭打ちになりそうだよ(-_-;)
暴走する竜三は勝手にミシンを使える縫子を手配し、勝手にミシンを買ってきます。
勝手に仕事を辞めて、身重のおしんの代わりに竜三が店を仕切るようになります。
竜三が張りきれば張りきるほど、不安になるのはなぜなんでしょう?
「失敗したら、またどん底から這い上がればいいんだ!」と腹をくくるおしん。
子供ができて、守りに入ることのどこがダメなんでしょうか?
おしんは大野屋が儲けるために自分たちが忙しい思いをすることが気にいりません。
経済を知らないおしんはこの頃から生産者と消費者の間にある仲介者のマージンに疑問を持っていました。
業種は変わっても、いつもおしんは「少しでも安くお客様に提供したい」という精神は変わりません。
増員した縫子の1人が病気になれば、おしんが代わりにミシンを踏む。

他の子たちに残業させてやらせますけん、という源じいに
「ウチは残業だけは絶対にやらない!残業すれば、無理して病気になる子が出てきます!」
とホワイト精神を貫くおしん。
今でも問題になってる労働問題、この頃なんて労働者の権利なんて今より軽く考えられていただろうに、おしんは新時代を行ってる気がします。
その精神とは間反対の竜三。
仕事をどんどん決めてきて、夜間も縫子を雇おう!ミシンは24時間稼働させよう!製糸工場でもやってたじゃん!と言っておしんの怒りを買います。

おしんの姉ちゃんはそのせいで亡くなったもんね・・・。
店を大きくしたいだけの竜三に「お金のために無理をすれば病気になる人が出てきます」と言っても響きません。
挙句、源じいに「田倉商会は俺のものだ!おしんには何にも言わせん!」と言ったことで説教くらいます。
グッジョブ源じい
1日中働いているおしんのそばに源じいはいつもいるもんね。その姿見て、カフェでベロベロになって帰ってくる竜三見たら、そりゃ言いたくなるわな(・∀・)!!
結局、夜間の作業は取りやめになりました。
源じいに説教されて、アッサリ撤回し、アッサリおしんに謝れる竜三って素直なのかバカなのかわかりません。バカなんだろうな、たぶん。
臨月のおしんに竜三はおしんの母・ふじを上京させます。
お産の時にお母さんがいればおしんも心細くないだろうという配慮でした。
優しい竜三にふじはすっかり心許してしまいます。
臨月だろうが「妊娠・出産は病気じゃない」がふじのポリシーです。動け動けがモットー。昔の人ってそうですよね。
確かに私も臨月の時、散歩しまくったなぁ・・・。
腰と足が痛くて辛かったのを覚えてます。
それでも母ちゃんと水入らずでいられることが嬉しくてたまらないおしん。
一時は身売りの話まで出ていたおしんと東京で幸せいっぱいな話ができる日がくるなんて、と感無量の母ちゃん。
竜三は母ちゃんのために高級料亭へ招待します。生まれて初めての豪勢な料理を食べてると、おしんに大根飯の話をして泣く母ちゃん。

せめて、帰ってから泣いて・・・。招待して悪かったかなとか思っちゃうじゃん(;´∀`)
おしんは病気で早退した縫子のために出産ギリギリまでミシンを踏みます。
陣痛に耐えながらミシン踏むって恐ろしい根性です。
源じいは心配しますが、母ちゃんは病気じゃないから、と冷静です。
出産の時。
産婆さんが来る前に母ちゃん・ふじの適切な処置でおしんには男の子が誕生します。
商売は順調、夫婦仲も良く、母ちゃんも東京に来てくれて、子供も生まれて、おしんにはこれ以上ないくらい幸せな時間でした。
・・・ここで最終回であってほしかった