岡田准一くん主演の2017年の映画ですが、観てると30年前の映画を観ているような気持ちになります。
今にも小百合ちゃんが出てきそうな。
映像のせいでしょうか?
あと「追憶」って言葉のついた映画多すぎです。
追憶・・・過ぎ去ったことに思いをはせること。
うーん。
使い勝手がいい言葉なんだろうな。「追憶」って言葉があるだけでシットリした重厚な印象になりますもの。
富山の田舎でそれぞれ不遇な生活を送る少年たちが喫茶店の女店主・涼子(安藤サクラ)に拾われ彼女に好意のある電気屋の山形(吉岡秀隆)と仲良く暮らしていました。
すると涼子を探していたヤクザの男が現れ、それまでの生活が一変します。
少年たち&涼子がヤクザを殺害し、彼女は一人で罪をかぶり少年たちはバラバラになってしまいます。
25年後、篤(岡田准一)は富山で警察官に、悟(柄本佑)は東京で自営業を営む婿養子に、啓太(小栗旬)は親の工務店を継ぎ、それぞれ成長し家庭を持っていました。
工場の経営が厳しい悟は地元・富山に戻り、偶然篤と再開します。
悟は「明日啓太に金を借りる」と篤に伝え、翌日悟は死体となって発見されます。
悟を知ってて、昨日一緒に過ごしていて、殺害される前の行動を知っている篤。
啓太で借りたであろうお金は銀行の袋だけ残して消えていました。
また悟の娘の証言や、目撃証言などがどんどん「犯人は啓太である」ことを指していきます。
指しすぎて・・・
こりゃ、啓太じゃないな。
って思えてきます。
ただ、壮絶な過去を秘密として分かち合っているから、篤は「啓太が犯人!!」と思いこんじゃうわけです。
だから東京で悟の工場で証拠を隠蔽したり、悟や啓太と顔見知りであってことも上司には当然報告しません。
おいおいおいおいーーー!!
この隠蔽は、啓太のためなのか自分のためなのか、私にはわかりませんでした。
当然悟のことを調べているうちにバレて上司に激怒されます。
過去の事件と現在の事件と並行して、篤の今置かれている現状も描かれています。
不遇な生活をさせた元凶・母親。
昔は男を作っては篤を捨てていた彼女は年老いた今では篤に金の無心ばかりしています。
上司の紹介で結婚した嫁(長澤まさみ)とは流産したことで関係が悪くなり別居状態。
篤と母親、篤と嫁とのシーンはこれから原状回復するとは思えない暗ーいどよーんとしたシーンで観ていて気が重くなります。
そして希望の光が見えないままでした。
こういう映画って最後はせめて嫁との復縁があるかも、っていう明るい未来が見えそうな感じで終わりそうだけど、篤に関してはなし。
母親が自殺未遂をして病院に運ばれた時、篤が嫁に自分の過去を話して「あなたがお義母さんのこと話したの、初めて」って言ってたけど、これがそうだったのかな??
これで明るい未来的なものは感じられないような・・・。
過去の事件によってバラバラになった3人。
それから会ってなかったのかというと、実はそうではなくて啓太と悟は会っていましたし、啓太は拾ってくれた涼子と山形にも会っていました。
篤だけそのことを知らなかったのです。
男同士の絆ってところが映画の肝なんだと思うけど、あんまり感じられませんでした。
むしろ不遇だったからこそ「家族」を持った悟と啓太がそれぞれ抱えている辛さが観ていて応援したくなりました。
悟は家族がいなかったから、嫁と娘を守るためになんとしても会社を潰したくなかった。
啓太は身重の嫁の生い立ち、あと涼子が事故に巻き込まれた時に面倒を見ている。
関係ないけど9ヶ月にしては妊婦のお腹大きすぎ・・・。バリバリ臨月かと思いました。
あれ?
絆ってこっち??
家族の絆の方???
篤とは関係ないところで真犯人が見つかり事件は解決しましたが、篤の現状は特に解決されないまま。
なんだかモヤモヤっとしたまま映画が終ります。
あと15分増やしていいから、スッキリさせてくれって思いました。
それにしても岡田君は大作ばかりに出ますねー。
すっかり大物俳優さんです。
私は「タイガー&ドラゴン」や「木更津キャッツアイ」の頃が大好きでした。ファンクラブ入ってたほど(笑)


今度はホラー映画に主演されるそうです。
ホラーかぁぁぁぁ
たまにはコメディに出てほしいです。