「松山千春 『船』に思うこと~松山千春 全作品解説154 V1.2」S2737NRF
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◇更新履歴
V1.0:2014.12.04 初稿
V1.1:2018.08.30 最新エディタにて作成、記事の差し替えおよび加筆
V1.2:2018.10.07 所有のシングルCDを掲載
V1.3:2020.01.18 歌詞を掲載
■ 「船」 編曲者:飛澤宏元
1995年4月21日リリースの37枚目のシングル。
◆シングル(8cm)
◆レコーディングミュージシャン:後日追記
01. ドラム:
02. ギター(EG):
03. ベース:
04. キーボード:
05. コーラス:
◆2014.12.4 夢野旅人
今年、ヒットした映画「アナと雪の女王」。
日本語版の主題歌「レット・イット・ゴー~ありのままで~」。
劇中歌を松たか子、エンドソングをMay J.が歌っている。
アレンジが違うものの、自分を含めて多くの人が松たか子の「レット・イット・ゴー~ありのままで~」を支持した。
そのことに思ったこと。
歌というのは、ただ巧いだけでは駄目。
プラスαが必要なんだと。
プラスα。
それは、声の柔らかさだったり、歌声に宿る言霊だったりと偏に言い表せないのだけど、
何オクターブ出るとか、出ないといった技量だけでは、人の心に届かない、特に日本人の心には響かないと、改めて思った。
May J.、彼女のことではなく、テクニカルだけの歌声は逆に厭味と感じてしまう瞬間さえある。
閑話休題。
松山千春の「船」。
多くのシンガーソングライターは、海の荒波を人生に例えて歌っている。
自分にとって、中島みゆきの「二隻の舟」は、その最たる歌である。
~たとえばおまえとわたしは 二隻の舟
暗い海を 渡っていく ひとつひとつの船
互いの姿は 波に隔てられても
同じ歌を歌いながらゆく二隻の舟~
~敢えなくわたしが 波に砕ける日には
どこかで おまえの船が かすかに きしむだろう
それだけのことで わたしは海を ゆけるよ
たとえ舫い綱は切れて 嵐にもまれても~
~おまえの悲鳴が胸にきこえてくるよ
こえてゆけと叫ぶ声が ゆくてを照らすよ~
中島みゆきに限らず、多くのシンガーは、どんな荒波の人生でも、誰かとならば乗り越えられる、
たとえ傍に誰かがいなくても、あなたは一人ではないと歌う。
1995年春。
シングル「船」の発売を知ったのは、情報誌ぴあでのコンサート情報の欄(その頃は、関東でのラジオ放送や、ネットのない時代、千春の情報は情報誌ぴあが最速だった)。
~人生を、歩く~や、~風に吹かれる、抱かれる~といった表現の多い千春。
「俺の人生」(~まるで海を漂う 流木にも 似たような俺の人生 このまま終わりにゃしない~)は、あるものの、荒波に人生という船を出す歌は初めてだ。
タイトルだけで、そう勝手に判断したものでした。
初演また自分が初めて聴いたのは、4月5日、ツアー初日である越谷。
人生の荒波を、誰かと乗り越える大作と思い込んでいた。
ならば、本編ラストかなと。
しかし本編前半6曲目(前半計7曲)の置き場所だった。
~男はいつも 旅立つ船さ
女の流す 涙の海を
今日は東へ 明日は西ヘ
夢という名の 帆を上けて~
~男は誰も 臆病者さ
女の愛は 海より恐い~
このフレーズが頭に残った。
自分は男だから、わからなくもないけれど、男の身勝手な歌だなわなと。
男はともかく、女性は共感してくれないだろうと。
「二隻の舟」をも凌駕する感動のスペクタル巨編をイメージしていただけに、肩透かしをくらった印象でした。
ライブにおける聴きどころはどうしても、
~帆を上けて~
~もう少し~
~どうなるか~
の、サビの歌唱なってしまうのだけど、
友人が、ライブでの「津軽のふるさと」の過度な伸ばし方は「ギャグだよね」という通り、この歌も、伸ばせばいいというものではないと思う。
近年のライブで、「船」もさびのところを、意図的に、過度に伸ばして歌っていた。
その長さに客席から拍手が起きていた。
僕は、少々やりすぎだろう。
冒頭の「レット・イット・ゴー~ありのままで~」の話ではないけれど歌唱力は見せつけるものではなくて、感じるもの。
そう思いながら聴いていました。
◆歌詞
男はいつも 旅立つ船さ 女の流す 涙の海を
今日は東へ 明日は西ヘ 夢という名の 帆を上けて
連れて行きたい この船乗せて 連れて行けない 波が高くて
この先何が 待っているのか 水平線を もう少し
男は誰も 臆病者さ 女の愛は 海より恐い
行くも帰るも 地獄のようで 心細くて どうなるか
◆G. 松山千春全作品に思うこと~松山千春全作品解説7~1992-1995
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