「松山千春 東京厚生年金会館公演の風物詩 V1.3」S3610
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◇更新履歴
V1.0:2016.03.26 初稿
V1.1:2017.05.08 フォーマットの修正
V1.2:2017.06.06 文章の是正、画像の追加
V1.3:2020.12.03 是正
■松山千春 東京厚生年金会館公演の風物詩
1987年春、千葉公演。
早めに到着して会館の周りで時間を潰していたら、
ダフ屋のおじちゃんが「お兄ちゃん、チケット持っての」と声をかけてきた。
終日、ダフ屋は彼ひとりだったじゃないかな。
ご挨拶で儲かりますかというと、「今、千春は駄目だね、昔は全国回るとベンツ一台買えたよ。今はチェカーズだね、数千円のチケットがうん万にもなるだから、浜田省吾よりも佐野元春よりもいい」と言っていた。
そんな感じだったんだけど、東京厚生年金会館公演だけは違った。
88年に創刊された月刊音楽雑誌「WHAT's IN?」。
売りは、小さい記事ながら、
毎月様々なアーテストのコンサートリポートやセットリストが数多く紹介されていた。
ライターもそれなりに必要だったのだろう。
駆け出しで、取材対象のアーティストの知識のないようなライターの記事が多々あった。
90年前後の松山千春の東京厚生年金会館の記事が載ったことがある。
そのライターは、最近ヒット曲もなく旬を過ぎた感のあった松山千春だったが、まず会館に向かう歩道には数え切れぬほどのダフ屋がいたことに驚かされた。
と、いった内容で始まっている。
会館への最寄りの駅はJR新宿駅、地下鉄新宿三丁目。
靖国通りを曙橋へ向かって歩いていく。
新宿五丁目東から会館までは約350メートル。
ダフ屋の「松山千春、余り券買うよ」の声が聞こえてくる。
会館歩道橋前まで、
大袈裟ではなく、ダフ屋が、うじょうじょいた。
80年代後半から90年代半ばまでで、
千春よりもセールス的に売れているアーテイストはたくさんいたが、
あれほどの人数は見たことがない。
千葉のおじちゃんじゃないけれど、80年代前半ならまだしも、
そんなにいたら儲けが出ないだろうと要らぬ心配をするほどでした。
僕は、その光景を東京の風物詩と捉えていた。
ちなみに83年秋、当日券を求めて並んでいたとき。
ダフ屋が来て、列に並んでいた男性に吹っかけていた値段は一階席後方17,000円(23,000円かも)だった。
定価が2,800円。
約6倍か、それでも当日券が出てしまったので安かったのだろう。
傑作だったのが、96年の20周年の秋。
「君を忘れない」がヒットして、松山千春が世間的に再評価された年。
12月の東京厚生年金会館のチケットは入手しづらかった。
当時のチケットは6,800円。
ギターの好永さんが彼らに声をかけられ10万円だったという。
そして一言「自分はもっと近い席ですから要りません」と断ったという。
そのことをステージ上で話した時には笑いました。
ネットが普及して、ライブな彼らを見かけるのは稀になりましたけど、あの夕暮れ時の光景は、風物詩といえるほどのものでした。
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