「松山千春 『卒業写真(カバー)』に思うこと~松山千春 全作品解説329~」S3133
・アーティスト別 LIVE DATA BESE 総合TOP PAGE NF
◇更新履歴
V1.0:2015.7.21 初稿
V1.1:2021.4.26 歌詞及び、記事の追記、是正
■ 「卒業写真」作詞・作曲:荒井由実 編曲者:飛澤宏元
2006年5月31日発売のカヴァー&リテイクアルバム『再生』のDISK1 の7曲目(全10曲)
*オリジナルアーティスト:荒井由実(松任谷由実) 1975年6月21日発売の『COBALT HOUR』のLP A面2曲目(CD 2曲目/全10曲 編曲:松任谷正隆)
*1975年2月5日リリースのハイ・ファイ・セットのデビュー・シングル(編曲:服部克久)でヒット
◆レコーディングミュージシャン:後日、追記
01. ドラム:
02. ギター(AG):
03. ギター(EG):
04. ベース:
05. キーボード:
06. パーカッション:
07. サックス:
08. ストリングス:
◆所有収録アルバム画像
◆2021.4.26 夢野旅人
2021年3月21日放送のラジオ『松山千春ON THE RADIO』。
卒業の話となり、松山千春の「卒業」と、荒井由実の「卒業写真」が、かかりました。
また、2021年4月18日放送のラジオ『松山千春ON THE RADIO』。
先週、札幌にコンサートに来ていた南こうせつと久しぶりにあったことから、松山千春が歌ったカバー曲、『妹』と、『卒業写真』、『津軽のふるさと』の3曲がかかり、弾き語りで「網走番外地」が歌われました。
◆2015.7.21 夢野旅人
明、暗、楽、苦、嬉、悲。
少年の自分に、歌で女心を教えてくれたのは、
中島みゆきと松任谷由実である。
昨今の、若いシンガーたちの歌の多くに、
中学生が綴るような、児童が聞くような稚拙さを感じる。
きいていると共感どころかストレスがやってくる。
だが二人の描く歌詞にでてくる女性たちの心理は、男の自分が聴いても共感できる。
素直に、いじらしいとも、可愛いとも思う。
キュンともする。
歌詞の表現能力が卓越しているのだろう。
歌詞だけではなく作曲能力もしかりである。
松任谷由実・ユーミン(1954年1月19日生/1972年デビュー)。
あるとき。
松山千春ファンの友人と、
ユーミンの夏の「SURF & SNOW」に連れて行った。
夏の「SURF & SNOW」とは、夏に海沿いプール(葉山、逗子、軽井沢)で行われていたリーゾトライブ(1978年~2004年まで18回開催)。
初めて彼女のライブを観た友人に感想をきいた。
第一声が「思っていた以上に歌唱力がない、歌が下手」だった。
「ホールと違って野外だから風に流されるから、顕著になっちゃうよね。でも、良かったでしょう」と言ったら、
そう、良かったと。
ユーミンの場合、たとえヴォーカルが不安定であっても、
あの揺らいだ声と、作品の完成度をもってすれば、、
音をはずそうが、声がひっくり返りようが、たいした問題ではない。
どんなに、ほかのアーティストが彼女の曲をうまく歌おうが、彼女の歌声にはかなわない。
そう、音をはずそうが、声がひっくり返りようが。
「卒業写真」。
千春同様、彼女も実力、才能を兼ね備えた自信家である。
見る人が見たら、高慢ちきに映るのだろう。
そんな彼女が、ツアーの最終日など、予定外のアンコールで、
涙をためながら、流しながら、よく歌うのが、「卒業写真」。
いつも強気なの人の涙は、見る人の感動を誘う。
それだけに、「卒業写真」は、聞く側も歌う側も特別な一曲なのでしょう。
過去、観た彼女のライブで印象的なシーンを思い浮かべると、
やはり、最終日で歌う「卒業写真」のシーンは、真っ先に浮かぶ。
2006年。
千春の『再生』のカバー曲のタイトルが発表されたとき。
彼女の曲があることに、違和感は全くなかった。
デビュー当時から、彼女の作曲能力について評価していたし、
テレビ、「ハロー!ミッドナイト(HELLO! MIDNIGHT)」や90年春のツアーで「『いちご白書』をもう一度」を弾き語りで歌っていたからだ。
2000年秋と、2004年春のツアーで弾き語りで、他人の歌を歌っていた。
その二つツアーで、「春夏秋冬」、「さよならをするために」、「雨が空から降れば」の3曲以外の収録曲が歌われている。
「卒業写真」は、2000年秋に歌われていた。
彼女の歌はチョイスするだろうと思っていたが、「卒業写真」とは思わなかった。
バンバンが歌った「『いちご白書』をもう一度」だろうと。
2013年。
中島みゆきや、松任谷由実、松山千春などが登場したオールナイトニッポン45時間スペシャル。
ユーミンの時間帯で、千春にふれ、 「私の『卒業写真』をボーイソプラノでカバーして頂いております」と言っていた。
まさしくボーイソプラノだ。
自分には、「卒業写真」の世界観にボーイソプラノは違和感があった。
やはり、
音を外そうが、声がひっくり返りようがもユーミンの声なんだよな。
(そういった観点で、セフルカバーはされているもののユーミン色に染まっていない「『いちご白書』をもう一度」のほうがベストと思った)
この感覚、意識が日本においてカバーが、良しとならない、評価されない大きな理由なのだろう。
その一方で、オリジナルの新曲よりもカバーのほうが売れるという現実。
ベストもそうであるが、大衆は、知らない曲よりも知っている曲を好むらしい。
事実、松山千春でさえ2000年以降に発売されたアルバムの中で一番売れたのが、『再生』である。
生涯の名曲となりうる知らない新曲を、冒険して探すよりも、ほどほどの知名度のある歌を求める。 ユーザーは手間と時間、お金をかけずしてほどほどの感動を得たいらしい。
自分に言わせれば、なんだかなである。
カバー(ベスト)よりもオリジナルという考えはマイノリティー。
自分の感性は、世間とは大きな隔たりがあるんだろうな。
ただ、『再生』は千春がアマチュア時代に聴いて、
自身に影響を及ぼした唄である。
それは、いい。
だけど、巷には安易なカバーが溢れかえっている。
オリジナルを超えるどころか、カラオケレベルのものが。
それでもリリースされ続けるということは、
売る側が安易なのか。
伝える側が、ハナッから伝えたい音楽・言葉などないのか。
そして、聴き手に判断できるだけの感性が欠如しているのか。
なんなんだろう。
そんなことを、「卒業写真」を聴くと考えてしまうのです。
◆歌詞
悲しいことがあると開く皮の表紙
卒業写真のあの人はやさしい目をしてる
町でみかけたとき何も言えなかった
卒業写真の面影がそのままだったから
人ごみに流されて変わってゆく私を
あなたはときどき遠くでしかって
話しかけるようにゆれる柳の下を
通った道さえ今はもう電車から見るだけ
あの頃の生き方をあなたは忘れないで
あなたは私の 青春そのもの
人ごみに流されて 変わってゆく私を
あなたはときどき 遠くでしかって
◆松山千春全作品(解説)に思うこと ~松山千春 全作品解説10~ インデックス10 (2006~2009)
■N↓現在、以下の検索ランキングにエントリーしています。
よかったら、アクセスして頂けると嬉しいです。
一日一回、ライキングポイントが加算されます。
よろしくお願いいたします。
にほんブログ村
アーティスト・グループ(音楽) ブログランキングへ
---------------------
YUMENO BLOG ~愛のうた:愛した季節の薫り From the 1960s to 2020s Music Diary notebook~ 夢野旅人