「松山千春 『人と生まれて』に思うこと~松山千春 全作品解説306~」S3087
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◇更新履歴
V1.0:2015.07.02 初稿
V1.1:2023.05.22 所有CD画像及び、歌詞、公式動画・音源のリンクなど
■ 「人と生まれて」 編曲者:瀬尾一三
1984年5月21日発売のアルバム『愛を贈る』のLP B面4曲目(CD9曲目/全10曲目)
◆所有収録CD・アルバム
◆所有収録アナログ・アルバム
◆所有収録ミュージックテープ・アルバム
◆レコーディングミュージシャン(後日、追記)
01. ギター(AG):
02. ドラム:--
03. ギター(EG):--
04. ベース:--
05. キーボード:--
06. パーカッション:--
07. マンドリン:--
08. コーラス:--
◆2015.7.1 夢野旅人
【2023.5.22追記】
「人と生まれて」。
中点が入っていないが84年春のツアータイトル(人と生まれて・・・)である。
収録アルバムの『愛を贈る』は、「In the Moonlight」で始まり、「人と生まれて」、「Everybody Singing」で終わる。
春のツアーの本編も同様に「In the Moonlight」で始まり、「人と生まれて」→「Everybody Singing」で幕を閉じた構成だった。
(最新アルバムの一曲目とラストが本編のオープニングとラストを飾ったのは「街」で始まり「生きがい」で終わった1979年春以来2度目)
「人と生まれて」から「Everybody Singing」への流れ・行間ならぬ曲間にメッセージが垣間見れるようだった。
と、今なら本当にそう思えるし、書けるが、
当時はいいとこ、いい流れ、いい雰囲気だったというのが精一杯だったと思います。
何故なら、死という逃れられない現実が、10代の自分には無縁の言葉に思えていた時期だから。
松山千春が死という言葉を歌詞に綴ったのが1983年「電話」のB面、「流れ雲」ではあるが、直接には用いらなかったものの、人間の死をテーマにしたのが1981年春の「限りある命」(千春が25歳)。
1982年リリースの「夢の旅人」。
♪生きていくことが愛の証なら
何も恐れずに歩いてゆける
当初~死んでいくことが人のさだめなら~
という歌詞だったが、周囲に死をイメージさせるからと云われ書きかえたという。
81年春の本編ラストが、
「限りある命」→「長い夜」。
前述の通り、84年春が「人と生まれて」→「Everybody Singing」。
双方とも、静と哀の人生と、動と楽の人生を体現していた。
あのころから、新曲でそれができていたことに驚く。
とはいえ自分は10代半ば。
この転調、転換が意味していたものを漠然としか捉えていない。
ましてや「限りある命」や「人と生まれて」で云いたいこと、世界観を理解するには、まだ早かった。
それよりも、ギブミー、ワンモア「長い夜」だった。
「限りある命」にしろ、「人と生まれて」にしろ、
歌詞の意味を自分なりに理解できたのは、人の死について考えるようになった20代半ばになったころだと思う。
「人と生まれて」を心底、欲するようになってきたのは、ここ最近だろう。
千春は、歌詞のフレーズひとつを聴かせるためだけにライブで選曲、歌うことがある。
それが、たとえ恋愛の唄であっても、例えば、2002年夏のファンミーティング。
~お願い 私を見つめてほしいの
あなたはもう 私のすべて~
「私を見つめて」を歌ったとき。
そのサビのフレーズが、
「ありがとう、最期まで見守ってくれよ。」
ときこえた。
♪ねえ君 哀しいよ 淋しすぎるから
いつも いつも 僕を見ていて
いつも いつも 僕を見ていて
デビュー35周年記念、2012年春。
アンコール大ラスだと、チープ感が残ってしまう「炎」の後に、この曲を歌ってくれたらどんなに感動的だったろうと、今でも思う。
「お前たちが竹田さんだったんだな」の後で歌った「旅立ち」よりも震えていただろう
もしも、今の年齢で過去に戻れて、当時、見たライブを再び体感できるのであれば、この「人と生まれて」を聴きに行きます。
【追記】
時は流れ、20代だった千春は67歳となり糖尿病を患っている。
♪ねえ君 哀しいよ 淋しすぎるから
いつも いつも 僕を見ていて
いつも いつも 僕を見ていて
いつかくるその日まで、全てを受け入れ、千春がどんな選択を、どんな姿かたちになろうとも、祈りながら、叫びながら、目をそらすことなく、千春の人生を見守る覚悟を改めてしました。
◆歌詞及びオフシャル動画・音源
◆C. 松山千春全作品(解説)に思うこと~松山千春 全作品解説3~ インデックス3(1982~1984)
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