「松山千春 『激情』に思うこと～松山千春 全作品解説119」S2534
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◇更新履歴
V1.0：2014.7.26 初稿
V1.1：2020.8.04 画像の追加、是正
V1.2：2022.6.26 追記
V1.3：2023.5.26 オフィシャル動画・音源のリンク等
V1.5：2024.2.29 直近の演奏実績の追加
◼️「激情」編曲者：夏目一朗
2008年5月21日発売の62枚目のシングル「我家」の3曲目。
◇松山千春選曲ベストアルバム『天才・松山千春のラブバラード』の3曲目
※ 直近の演奏実績
・2016秋「デビュー40周年コンサートツアー『松山千春の系譜』」
◆所有CD画像
◆2022.6.26 夢野旅人
2022年6月26日放送のラジオ「松山千春 ON THE RADIO」
26日から長崎放送でも放送が始まったということで、オンエアの曲は自身の楽曲から全曲、選曲され、2曲目に「激情」がかかりました。
◆2014.7.26 夢野旅人
昨夜、いつものように母の手を握り、かすかでもいいから口元が動いてくれるのを切望した。
～人は誰でも 老いて朽ち果てる
それでも この身を 愛に まかせる
.
逢いたくて 逢いたくて 君の名を 呼ぶ
わずかでも わずかでも 君に近づく～
音のない部屋でこの「激情」がきこえた。
みんな。
誰の名を呼ぶのだろう。
誰に逢いたいと願うのだろう。
この曲に「アベマリア」に似た儚さを感じた。
2008年。
千春が狭心症で倒れる直前にリリースされた「激情」。
シングルタイトルである「我家」のカップリング。
公演中止となった春のツアーが、オリジナル音源に最も近い形で演奏されている。
「我家」と「激情」。
どちらがシングルタイトルとして相応しいか、みんなの好みか。
ステージで千春が客席に訊ねると、6対4の割合くらいで「激情」を支持する拍手が多かった。
当時、自分は「我家」に拍手していた。
それは、北海道足寄で育った幼き日の松山千春の情景を感じとることができたからだ。
「激情」はあまりピンとこなかった。
クライマックスにむけて抑えたというよりは、どこか遠慮しがちなイントロ。
それだったら、「歩き続ける時」や、「帰ろうか(オリジナル)」と同様にアカペラで入ればああのにと思った。
そして、何よりAメロからサビに入るのが唐突すぎると。
カストラート（去勢することにより人為的に変声期をなくしボーイソプラノ時の声質や音域を持続させたヨーロッパ近代以前の男性歌手）の歌唱法についてふれていたが、そんなことはどうでもよかった。
重要なのは琴線にふれるかどうか。
正直、そこまでの曲とは思わなかった。
この曲に度肝を抜かれたのは、2008年11月1日 広島でのアンコール。弾き語りで始まりバンド演奏となる「激情」だった。
春のツアーの演奏よりも、また同ツアーの釧路で聴いた「激情」よりもメリハリの効いた歌い方だった。
圧巻だった。
仲間のひとりは「（いい意味で）ひゃー。あれは、もう反則ですよ」といった。
「純-愛する者たちへ-」
や、この曲を好まない友人も「認めざるを得ない」と口にした。
広島での「激情」は、その年に自分が観た全ライブパフォーマンスの中でベストだった。
その日から、イントロや歌詞に希薄さは感じなくなった。
翌年の2009年9月20日。
『第12回 サマーピクニックフォーエバーｉｎつま恋』でのゲスト出演。
この日、ヒット曲以外で歌われたのが、「egoist：エゴイスト【自己中心主義者】」
と「激情」だった。
あまり松山千春を知らぬオーディエンスに向けて、現在、松山千春がどんなフォークソングを歌っているか端的にアピールできる一曲が「egoist：エゴイスト【自己中心主義者】」であるならば、シンガーとしてのポテンシャルをわかりやすく伝えられるのが、この「激情」だとあの日、思った。
事実。
休憩で、すれ違った南こうせつファンが「千春、よかったな、あれ、曲知らないけど、逢いたくて、逢いたくてって歌っていたやつ、巧かったな、千春」と話していた。
誰もが抗うことのできない枯れていく、さだめである人生。
松山千春も例外ではない。
千春が、この曲を苦しそうに絞り出すように歌う姿が好きだ。
残酷な節理だと思うが、自分は余裕のある歌声に心の奥底までは揺さぶられない。
たとえ松山千春であっても、30代、40代のころでは歌うことのできない、表現出来なかったであろう一曲だと思うのです。
◆歌詞及びオフシャル動画・音源
わずかでも わずかでも 君に近づく
人は愛とか 口にするけれど
教えて下さい 愛の行方を
逢いたくて 逢いたくて 君の名を呼ぶ
わずかでも わずかでも 君に近づく
人は誰でも 老いて朽ち果てる
それでも この身を 愛に まかせる
逢いたくて 逢いたくて 君の名を呼ぶ
生きて行く 生きて行く 愛は激しく
逢いたくて 逢いたくて 君の名を呼ぶ
わずかでも わずかでも 君に近づく
◆M. 松山千春全作品（解説）に思うこと～松山千春 全作品解説13～ インデックス13 (2008～2009)
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