こんにちは
千春皮フ科クリニック広尾院の近藤です。
じめじめ汗ばむ気候になりましたね
一昨日、タイムリーに『汗の診療』について、渋谷区医師会主催のWeb講演会があり、勉強いたしました演者は東京医科歯科大学で汗の専門外来もされていた池袋西口フクロウ皮膚科クリニックの藤本智子先生で、診療にすぐに役立つ非常にわかりやすいお話でした
さて、今回はワキ汗についてWeb講演会で学んだことも含めご紹介いたします
汗には
•体温調節作用
•保湿作用
•角質の水分保持
•皮膚表面の感染防御
といった役割があります
が、ワキ汗は
•においの元になる
•服に汗じみがつく
などでお困りの方も多いと思います
原因不明の過剰な局所性発汗が6ヶ月以上持続して認められ、以下の6項目中2項目以上を満たすものを『原発性多汗症』と診断します
•発症が25歳以下
•睡眠中は発汗症状が見られない
•両側性かつ左右対称性
•週1回以上多汗のエピソードがある
•家族歴がある
•日常生活に支障をきたす
あてはまらない場合は薬剤性や他の疾患に伴う多汗も考えます。
こちらの項目チェックで原発性腋窩多汗症と診断される場合には、保険診療で処方できるお薬があります
昨年秋に発売された『エクロックゲル』
こちらは、エクリン汗腺にあるアセチルコリン受容体(ムスカリン受容体)をブロックして発汗を抑えるというもの。
外用薬で作用が局所的なので、全身性副作用のリスクが非常に少ないです。
使用方法は、毎日夜に塗るだけ
従来から多汗症の治療薬として使用されていた塩化アルミニウム製剤と比べて刺激が少ないので、塩化アルミニウムにかぶれて継続出来なかった方や効果が得られなかった方にもおすすめです
目に入ると抗コリン作用で一時的に散瞳しまぶしく感じることもあるため注意が必要とのことでしたこれを防ぐために、塗るときには専用のアプリケーターを使用して手についてしまった薬剤は必ず洗い流すようにしましょう
その他、当院ではワキ汗治療として、
•塩化アルミニウム水溶液外用
•ボツリヌストキシン注射
などをおこなっております
20%塩化アルミニウム水溶液
汗を出す管(汗管)を閉塞させて発汗を抑えます。
1日1回夜塗りますが、刺激が出ることがあるので、その際は翌朝洗い流すことをお勧めしています
毎日外用して効果が出てきたら、週1〜2回の外用を続けます
ボツリヌストキシン注射(ボトックス)
アセチルコリンの放出を抑制して発汗を抑えます。
ワキの皮膚に複数箇所、細い針を使って注射します。
効果は4〜9ヶ月持続します
麻酔クリームを使用することで痛みを軽減することができます。
注射の痛みはありますが、1回の注射で1シーズン快適に過ごせるので、汗の特に多い方や塗り薬に効果が感じられない•かぶれてしまう方にもおすすめです
くわしくは千春皮フ科クリニック広尾院へお問い合わせくださいませ
しわ・しみ・タルミ治療にやさしいクリニック
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