虫の知らせ

私には経験があります

それは母が肺の病気で入院していた時

私、父、姉、甥っ子らで実家に集合し
夕飯を食べ、お酒を飲んでた時です

母がもう危ないというのに
その日、面会できた安堵感なのか、悲しみのあまりなのか
皆でお酒を飲み、わははと談笑した瞬間がありました

私は
いつもこんな時、母は台所にいて笑っていたなって思い
いつもの母のいる場所に目をやると

そのどんぴしゃの場所に
白いモンシロチョウがいたのです
ひらひらと飛ぶ蝶

あ、母だ!と思いました
家の中に蝶が入ったことは、人生で一度もありませんでしたし、しかも夜でしたので
これは母に違いないと直感でわかりました

その数時間後に母は亡くなりました

最後の挨拶に来てくれたんです

それから
蝶はことあるごとに私の前に出てきてくれました

そして、息子

虫の知らせはあったのかと
考えると
それらしいのはありました

実行する二日前
私は久々に大きな大きなめまいを感じました
それは貧血持ちの私でもかつてないくらいの大きなめまいでした

仕事帰りだったので
ああ、私疲れてるんだなって
その時は思ったのですが

それは
虫の知らせだったなあと今となっては、わかります
あれは息子の強い想いを私が体全身で感じ取ったんだと思います

また決行の半日前も

なんか大きなバチが当たるなぁって感覚がしました
なんだか凄いざわざわした大きなものを感じ取ったんです

その日、息子と
お互いそれぞれに木の伐採やその枝の片付けをしてたんです

私は自分の敷地にある小さな沢に詰まらない程度に、小さな枝を(普段はしないのに)
なぜか投げ込んでいました
ほんとになぜかわからないけど

で、投げ込みながらもこんなことしたら
絶対バチが当たるよね
なんかあっち方面から災いがきそうだなあ
よくないこと起きちゃうかもなあ
神様怒らせちゃうな
と思ったんです

その通りバチが当たってしまいました
そしてその感じ取った方向で
息子は旅立ってしまいました 

ある意味それも
虫の知らせだったんだと思います

毎日暮らしていて
息子は準備万端で私にわからないように
ひた隠しにしてたから
家ではそのような大きな気配を感じることはできませんでした

ただ少し離れた場所で
こんなふうに
何かを感じることができるのは
やはり親子だからなんだと思います
強い絆、愛があるからなんだと思います

今は息子は
いろんな動物になって現れてくれます
それだけが救いです
ありがとう