義母からの電話の後しばらくあとのこと。彼は飲食店の仕事を辞めてきました。
そして今度は早朝からの配送業の仕事に就きました。
ほんの少しだけ収入は増えましたが、無理な運転や無理な荷運びで度々荷物事故を起こして、その分が給与から引かれるという不条理なことが続き、そこも長くは続きませんでした。
ある日彼は配食サービスの仕事に就きました。
料理人の彼が最も敬遠していた調理の仕事でしたが、勤務時間はブラックそのものでしたが、福利厚生やボーナスなど社会的な体裁が整った初めての環境でした。
こうして失業から半年、漸く彼は定職に就いたのでした。
結婚し、娘が生まれ、息子が生まれ。
彼は大切にしていた車を手放すことになり。
華やかな店のシェフの肩書も手放すことになり。
残されたのは、空っぽになった気分の彼と、滞納し続けている住民税の返済と、それでも前を向いて生きていかなきゃならない現実。
どこまでいっても問題だらけ。。。