とりあえず手術は無事に終了したので帰宅しました。

鈍いのか痛みに強いのか(そんなはずはない経験上)、眼の痛みはほぼ無かったので普通に食事をして着替え。今日は点眼もしないので(眼帯は明日の診察まで外さない)、顔の右半分だけ蒸しタオルで拭いたら、もうやることが無い。

テレビの音は聞こえるけど、やっぱり画が見えないとつまらないなぁ。

 

余談ですが、NHKニュースを聞いていて思ったのだけれど、アナウンサーの声はプロなので聞き取りやすいし理解も出来ますが、外国人が話している言葉は、字幕でしかサポートされないことが多くて、たかだか短大卒程度の英語力では聞き取れないし他言語ならお手上げ。恐らく、視覚に障がいのある方にはそれ相応のサービスはあるのでしょうが、一時的に見えない段階では、海外のニュースはお手上げでした。これ、何とかできたのだろうか。

 

さて、やることが無いので、寝るしかない。

 

病院から借りた枕セットをベッドに置いてみる。

頭部分と胸パッドはこんな感じです。

 

恐る恐るうつ伏せてみると、消毒のにおいがとにかく凄くて、アロマや香水に弱い自分としてはうっ…となったけど、もうそれは仕方ないのでぐっとこらえて荷重をかけてみる。

さすが、専用枕。固さも目の周りの感覚も、ほどよい感じで安心してチカラを抜ける。

胸パッドも自分で心地よい場所を調整すれば苦しくなくて腰も楽。

これは、大丈夫なんじゃないか?

自作枕は昼間に使うとして、夜はこれにしよう。

 

その夜は結局、痛み止めを服用することもなく、浮いたり沈んだりを繰り返しながらも三時間ぐらいは眠れました。

 

翌日。

寝返りって大事だなーうぅ腰が痛い…とうなりながらゆっくりと猫のポーズをしながら起き上がり、食事やらなにやら済ませて病院へ。

看護師さんに眼帯を外してもらい、まずは眼圧測定。

「緑の点滅する光、視えますかー?」

視えません。(茫漠とただ暗いか明るいか、だけ)

点眼のために上を向いたらぐらん、と、めまいがしました。三半規管がおかしくなっているのかも。

診察。炎症は無いとのことで、昨日処方された目薬に一つ追加。

四種類を2パターンで点眼になるので、帰宅してすぐにタイマー設定をしました。

この日の視界を写真で作ろうとしたのですが上手いこといかなかったので、例えるなら、水の入ったちっちゃいカップ(ア○ボンのような)を眼窩に当てて上を向くと、視界全体がゆらゆら揺れる水中のように見えるあれが、どっちを向いても。ほ~んのちょっぴり、ちっちゃい気泡みたいなのが視界の最上部に見え隠れ。これが房水で、水みたいにゆらゆらしてるのがガス。これが逆転してきて、半分くらいになるまで頑張れば、うつ伏せ解除になる。

 

……先は長いなぁ……。

 

帰宅して初めて自分で点眼したとき、ちょっとだけ手鏡で左目を見たら、ぞっとするくらいに真っ赤に充血していて、ちょっとショックでした。

 

さて、日中のうつ伏せについて。

 

パターン1:あったかい昼間

お日さまパワーも欲しかったので、窓際に小さいテーブルと椅子を用意して、椅子に座り、テーブルに自製枕を置いてうつ伏せ。枕が動いて困ったけど100均の滑り止めマットがあったので敷いたら快適。

腰は楽だけど、脚がむくむので、大きいクッションを置いて脚を乗せたりベッドの上まで乗せてストレッチしたり自転車こぎもどきをしたりと自由度は高い。トイレに立ち上がる時も楽だしめまいも最小限で済んだので日中はほぼこちらで過ごしました。

 

パターン2:夕方~寝るまで

11月の信州は寒く、暖房していても脚が冷たくなるのでこたつ必須。

ただ、こたつの高さと自製枕と自分の座高の調整がかなり必要で、あーでもないこーでもないと試行錯誤をして、ようやく、おしりの下にやわらかめのクッションをかませて調節し、割り座で膝までこたつに入れておいて寒くなったら足を伸ばす、というパターンに落ち着くまで苦労しました。

 

パターン番外:食事後

食事も基本的にはうつむきのままでしたが、食後すぐに枕に顔を埋める気分になれなかったので(それなりに胸焼けとか胃もたれとか・笑)、こたつの縁に頭のてっぺんを当ててちょっと突っ張る感じでうつむいてみたら、スマホもいじれるし通気もあってそれなりに気分転換になりました。ただ、ツッパリにも限度があるので、一時間程度でしたが。

 

うつ伏せの最中、私は殆どスマホ(タブレット)もいじらず、もちろん読書もせず、ひたすらにラジオを聴いていました。「耳から入る情報」だけで「伝える」ことに特化したラジオのちからを改めて認識したし助かりました。

時間の使い方は、人により様々だと思います。

お友達がたくさんいて、お話することが大好きな方は、やっぱりそういう時間を作って気分をアゲることも効果的だと思います。

私のように基本ぼっちが苦にならない人間でも、時々、煮詰まってしまって、「ああ!!もうどうでもいい!!上向いて寝たい前向いて歩きたい!ってか暴れたい!!」という衝動に駆られる瞬間がありました。我慢できたのはやっぱり「見える」を取り戻したいという思いが強かったからだと思います。

 

しんどかったら、しんどい、って、言葉に出してみるだけで、なんとかなるものだなぁ、って思いました。

 

そんなこんなで、とにかく、お医者様からOKをいただけるまでひたすらうつ伏せ生活が続きました。

4~5日ぐらいと聞いていましたが、とにかくガスの減りが遅いらしく、いつまで経っても視界のゆらゆらが七分目ぐらいで動きません。先生は「心配ないですよ、却って圧迫する時間が延びて効果が期待できますから頑張って」とか言ってくれますが、先が見えないというのは精神的にかなりキます。

 

それでも、とうとう、7日目に、ガスが半分になりました。

 

「よく頑張りましたね。もう、前を向いていいですよ」

 

やったー!!!

 

と、喜んだのも束の間。

 

「あ、ガスが完全に消えるまでは、上向きはダメですよ」

 

えー???

 

(長くなるので続きます)