文化祭も終わり、






3年生は受験ムード。






俺は本当に嫌だった。


勉強が死ぬほど
嫌いだったし



友達を勉強に
取られた気がしたから。





本当は北に行きたかった。





でも学力が足りなかった。






なんかダメだった。



所詮、俺はへタレだった








でもすごくすごく

勉強した。






1月ごろからは



ずっとブログも開かないで
キチガイみたいに勉強した



最後のテストは69位で



もっと前からちゃんと
勉強しとけば良かったな
って。



思わず笑っちゃった。






北で後藤、天野先輩と
柔道やりたかった



にいくんと
教室でバカやりたかった



仲川をいじりたかった



あやちんと
他愛もない
ふざけた話をしたかった




苦笑いだよ。









そして


俺の大決心


西の推薦をもらう。






ずっと前から

西もギリギリ
って言われてて



正直、自信はなかったし
もらえたらラッキーだと
思ってた。




だからもらえたときは
受かったときぐらい
嬉しかった。




試験前日。


俺は生活の記録に
こんなことを書いた。





『「君は推薦も
がけっぷちだよ」


その言葉な頭から
離れません。



あぁ、寝れないかも。ホントに。


寝不足で集中できなくて
落ちたら、



先生告発しますからね。

いや、もう
来々世まで呪いますから。


でも先生のおかげで
推薦もらえたんだと
思ってます。



今の僕があるのは
1年生の学級代表のとき、
先生と仕事をするのが
楽しかったからです。


生徒会だってそうですよ。


みんな辛いとか
大変とか言うけど
僕には楽しくて
仕方ありません。



楽しんで実績ついて
推薦もらえるなんて
幸せだなー。




万が一落ちたとき、


僕は鬱になって先生と
話す機会も減るでしょう。


一応、今感謝の気持ちを
伝えておきます。






本当に
ありがとうございました







でも、絶対
受かってやりますから。』







この生活の記録を西高の
担当だった圭太先生に渡して




俺は面接会場へ
入って行った。





あの日は
本当に
寒かった。







受験番号間違えて


簡単な計算間違えて


しばらく黙ったり






最悪だった。





もう受かる
わけないとも思った。






帰って
『終わりました』って

学校に連絡して俺は
家で泣いた。





2時間くらい
ずっと泣いてたと思う。





そしたら




圭太先生から
電話がかかってきた






『どうだった??』





『いや、もう無理っす。



一般で頑張りますよ。』



『いやいやいや
どうしたの??』




『受験番号間違えて、
簡単な計算間違えて、
もう最悪でした。』




多分このとき泣いてた。






もうどんな慰めも
俺の耳には届かなかった。





次の日



俺は
絶望にも満ちた顔で

登校。




みんなに
話し掛けられたと思うけど


鬱陶しかったし

なにより



恥ずかしかった。



生徒会長みたいな
代表やってきて

こんなクズかよって。

本当に
申し訳なかった。




その日の生活の記録には


『俺は3年間
何をやってきたんだろう。たった10分で俺の中学校生活は否定された気分だ。』


って書いてある。





『君が自ら
否定しているだけだよ。
君の3年間の活躍、成長は私を含め、

周りの人が知っている。』



今となれば

すごく感動するのだが
このときの俺には
どんな慰めも


無駄だった。






しかし、

面接のときに渡した


生活の記録が返ってきて
気持ちがすごく楽になった





先生は
たった一人のために
2ページに渡って

コメントを
書いてくれていた





『「がけっぷち」
好きな言葉です。



それくらいの決意が

必要なときが人生の中で
何度かあるように思います。


退路を断ち、
前にしか進めない状況で
努力をする、


それが大切だと思うんです。


「失敗=崖から落下」
違いますよ。


はい上がればいいんです。

何事でも諦めたときが
終わりなのですから。




佳紀とはクラスでも
生徒会でも接する機会が
ありました。



本当に三年間で
大きく成長したね。


いつも君を頼りにしている自分がいました。



佳紀ならなんとかしてくれる。



そんな想いがありました。

一緒に活動でき、


中三の担任を
することができ、
私は幸せです。



将来、教師を
目指していることを知り、本当に嬉しく思いました。

いい教師になれると
思います。



いつまでもお互い
夢を追い続ける人でいたいね。


入試頑張れよ。



…でも終わったあとに見るのかなぁ。』






泣きました。

たくさんたくさん
泣きました。






悲しみを涙で流して






俺はいつもの俺に戻って


男らしく

結果を待つことにしました



それで落ちたんなら





筆記で受かるつもりで

めちゃくちゃ
勉強もしました。




先生になりたいって


あの人みたいに
なりたいって思ったから




すごく勉強した。








そして発表。






みんなが帰ったあと


俺と崇造だけ残されて


発表待ちをしていました。





崇造と色んな話をしました





『チゲには本当に
先生になってほしい』






ってあいつが言ったときは


こみあげてくるものが
ありました。








廊下に呼び出され






『まあー四月からですね。西高に登校ってことで。
はい。』


『しゃぁぁぁぁ!!!!!』



喋っては
いけなかったんですけど




叫びましたね。





図書室に向かうと






見覚えのある


親友が座ってました。






にいくんです。






なんか自分のことのように
嬉しかったのを覚えてます




光平、崇造が来たときも
本当に嬉しかったです。






色んな先生の話があって
『解散!!』
って言われたとき





光平と
きつく抱き合いました






なんか涙が出てきそうで

幸せでした。






先生たちの拍手の花道も
本当に幸せで






でも熊谷先生がいなくて、





なんか…。
って感じでした。




あの人には一番に
伝えたかったんですが。。。






出張だったようです。









でも
ありきたりな言葉だけど



本当にたくさんの人に
支えられているんだって



改めて思った。






全ての方に感謝。






本当にありがとう。





さあ、次が最後です。