前回、栽監督に県民栄誉賞を送るべきと書きましたが、その栽監督もいい面ばかりではありません。
91年、夏の甲子園大会で3年生のエースだった大野倫氏の酷使の問題が思い出されます。
右ひじの骨折を知りながらも投球を指示しました。
もちろん批判も浴びました。
いきさつはこうです。
夏の大会、控え投手が病気で投げられなくなったため、ピッチャーが大野選手1人になりました。
試合前の記者会見で「大野には死ぬつもりでやってもらいます。やるときはやらないと・・・。」
と栽監督は発言しました。
それを受けて大野投手は骨折したままの状態で773球を投げぬいた結果、現在もケガの影響があるそうです。
さすがにこれはひどいと言うことになり、県内外の野球関係者、一般のファンから、中・高生の投球制限の問題が
出るようになりました。
中学野球、高校野球はプロ野球ではありません。
あくまでも教育の一環のスポーツとして見るべきです。
肉体的、精神的に成長するためのスポーツ(野球)だと思うのです。
裁監督以降も、甲子園での勝利を優先して投げすぎたピッチャーはたくさんいます。
もしかしたら松坂選手も、ヤンキースの田中選手も高校野球であれだけ投げなければ、メジャーでもっと
活躍できたかも知れません。
中学、高校野球のピッチャーの玉数制限について、もっと真剣に考える時期に来ていると思います。
甲子園がラストステージではありません。
むしろ入り口と考えるべきです。
その先には日本プロ野球(NPB)、アメリカのメジャーリーグ(MLB)があります。
甲子園を目指してがんばるのはいいのですが、せっかくの才能ある選手たちが大野氏のようになったらもったいないし、
かわいそうです。
(リトルリーグ、中学、高校野球はあくまで教育の一環として考えるべきだと思います。)
大野氏は肩を壊し、その後ピッチャーとしては投げられなくなったのですが、九州共立大学に進学後、外野手に転向し
1999年福岡6大学新記録の通算18本塁打を放ち、1999年ドラフトで巨人に5位指名され、入団しました。
高野連が来春の選抜大会からタイブレーク制を導入するそうです。
(タイブレーク制とは試合が延長戦に入った場合、事前に決められた回から得点しやすい状況で攻撃を始めるルール。)
前回ブログを書いた後、2017年6月13日に高野連が「多投」に対する一つの解答を出しました。
高校野球選手の健康面に配慮したと言う点において一歩前進だと思います。
※《県高校野球のリーダーの一人である我喜屋監督の話》
今や我喜屋監督は興南高校の野球部監督だけではなく、理事長、校長も兼ねていて、実質的に学校の
全権を掌握している立場です。
にもかかわらず、県内中学校から有望な選手を積極的にスカウトしていないと言う話を、県内高校野球関係者から聞きました。
我喜屋監督の理想としている高校野球があるのでしょう。
智学館から興南高校に入学した生徒の中には、野球部に入り、甲子園に出場した生徒もいるし、フロンティアに合格し、
学年席次1番を取り、その後東京理科大に進学した生徒もいます。
彼らから我喜屋校長の話を聞くと、スポーツだけではなく、勉強にも力を入れているそうです。
また、就職等の相談にも乗る、すばらしい教育者だと聞きました。
全権を把握している我喜屋監督は、もっと県内中学校から有望選手を積極的にスカウトすると言う方法もあると思うのですが、
それをやらないと言うのは教育者としての深い考えがあってのことだと思います。