キュニョーの蒸気自動車
キュニョーの蒸気自動車
T型フォード
T型フォード


「イノベーション」と言う言葉をよく耳にします。


「革新的な技術開発」と言う意味で使う場合が多いと思います。


しかし、革新的、画期的な技術や方法だけであれば「イノベーション」と呼ぶには弱い気がするのです。


たとえばある企業が、車のバンパーはもちろん車体やエンジンまでゴムのようなやわらかい素材で作り、


人をハネ飛ばしても、大ケガをしないような車を開発したとします。


画期的な車です。


この車が車社会を変革する一大イノベーションと呼べるかと言うと、言えないと言うことです。


画期的な技術革新だけでは駄目だという事です。


その商品や技術で社会を変革するような事があってもそれだけではイノベーションと呼ぶには大げさです。


つまりその画期的商品や技術が、ヒットしなければイノベーションとは言えないと言うことです。


社会に広く知れ渡り利用されなければならないと言うことでしょう。


「真のイノベーション」とはそう言う商品であり技術なのです。


たとえば、トヨタのハイブリッド車「プリウス」であり、アップルコンピューター、ソニーの「ウォークマン」、世界の食文化を変えた日清の「インスタントラーメン」、「カップラーメン」などです。


自動車で言うと人類最初の自動車は1769年のキュニョーの蒸気機関車です。


キュニョーの蒸気自動車がイノベーションを起こしたのでは無く、


社会に決定的変革を成し遂げたのは1908年ヘンリーフォードが量産型自動車を発売したからです。


T型フォードと呼ばれる、1台850ドルの大衆車を売り出した事により成し遂げられました。


T型フォードは1年間で1万台も売れました。


多くの自動車が1台2000ドル以上した時代、車は金持ちの遊び道具だったのです。


アメリカ人のその時代の平均年収は600ドルほどだったそうです。


その時代、フォードの850ドルの車は売れに売れまくりました。


フォード車はたちまち世界を席巻し、変革したのです。


このような技術や、商品を「イノベーション」と呼ぶべきでしょう。


日本からイノベーションと呼べるような商品や技術は久しく出ていないような気がします。


字が消えるボールペンやタオルのように丸められる電子ピアノは、新技術ではあっても「イノベーション」と呼ぶには弱く、


世界を変革していないのです。


つまり、「イノベーション」とは革新的技術でなおかつヒットして人々に使用されなければならないと言うことだと思うのです。


と言う訳で、久しく「イノベーション」と呼べる商品、技術が出ていなかった日本から革新的新商品が産まれヒットしようとしているのです。


ポケモンGOです。