さて話を具志堅に戻します。

具志堅はテレビのバラエティ番組などで、未だによく見受けられます。

カンムリワシⅠで書いたように不世出の偉大なボクシングのチャンピオンには違いありませんが、それだけでいつまでもテレビのお笑い番組やバラエティに出られる程芸能界は甘い世界ではありません。

一世を風靡した沢田研二やピンクレディ、光GENJIなどもすっかりテレビから消えてしまいました。

お笑いの世界でも島田紳介のような大物から児島よしお、Wエンジン、クールポコ、ジョイマンなどエンタの神様に出ていた芸人などは多くが流れ星の如く一瞬輝いて消えていきます。

ほとんど芸もなく(ちょっつねーは具志堅のギャグではなく、具志堅をまねた鶴太郎の持ネタ)話がおもしろいわけでもない具志堅がなんでこんなに長い間生き馬の目を抜く芸能界で生き残り、重宝されているのかが不思議です。

日本人最高のボクサーとしての尊敬、ボクシング界出身のタレントやスターが少ないなどの理由でしょうか。

理由は違うところにあると思います。

前回書いた「白井義男」と「カーン博士」の関係にヒントがあると思います。

白井義男はカーン博士の指導で世界チャンピオンになり、その恩義を生涯忘れず、カーンが死ぬまで面倒を見たそうです。

白井義男という人の人間性がうかがえます。

日本人はこう言う話が好きなのです。

「義理人情」です。

もし、白井義男が亡くなった時、具志堅が「白井・具志堅スポーツジム」の看板を変え、「具志堅ジム」に改名していたら、世間は白けていたでしょうし、芸能界での具志堅の地位は無かったでしょう。

日本の芸能界は私の見る所、異常なぐらい「義理人情」を重要視します。

大スターが事務所を独立する時騒動になりその多くがその後人気や仕事がなくなっていくのも芸能界と日本人が「義理人情」が大好きだからです。

タレントの独立騒動が起ると事務所側は誰のおかげで売れたと思っているんだと言います。

タレントは誰のおかげで儲けたんだと言います。

芸能界も日本人もそれを美しい光景とは見ません。

具志堅は白井が亡くなっても白井の名前を外しませんでしたし、現在も「白井・具志堅スポーツジム」のままです。

それを芸能界の人々は見ていて具志堅は義理堅い奴だとひき立てているのではないかと思うのです。

具志堅と白井の関係は良くわかりません。

白井とカーンのようにボクシング上の師弟関係は薄いかもしれませんが、それでも具志堅は義理堅く白井亡き後も「白井・具志堅スポーツジム」の看板を変えないのです。

その辺がたいしたギャグや芸も無いのに芸能界にポジションを確保している理由ではないかと考えました。

※沖縄を代表する歌姫、安室奈美恵も所属するプロダクションを独立する騒動の後パッとしません。このトラブルを乗り越え、日本を代表する大歌手になってほしいと思います。