名前のない怪物
小さな小さな黒い家で、小さな小さな怪物が生まれました。
気づいたときには一人ぼっち、だから名前がありませんでした。
名前のない怪物は、狭い家の中でじっと身を竦めていました。
小さな闇の中で、身体を小さく縮めてじっとしていました。
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真っ暗な家の中には音がありません。
だけど家より遠いところからは音が聞こえてきます。
チチチ、ザアザア、ピチャ、ガガガガ、いつも聞こえる音があれば
たまにしか聞こえない音もあります。
怪物は、もっと色んな音が聞きたくなりました。
だから、
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外に出ることにしました。
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いろんな音を聞くために、小さな小さな怪物は小さな家から出たのです。
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怪物の目の前に広がったのは、目が眩むほどの光でした。
真っ暗な暗闇に幾つモノ光が目に飛び込んできました。
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見慣れていた暗闇と同じ真っ暗な空間に、瞬く光。
怪物が初めて見たものは、夜空に光る美しい星空でした。
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ずっと一人ぼっちだった怪物を、星空がそっと励ましてくれたようです。