最後の移植日。

 

電車で病院に向かっている時に、ふと、「あ。この受精卵ちゃん、融解した時にダメになってるかもしれないなぁうーん」って考えがよぎりました。

 

いつも移植前に、培養士さんから融解した受精卵の説明があって、数%の確率で移植できなくなる事があると聞かされていました。が、今までそんな事なかったのに、何故かこの時は、そんな考えが降りてきたんです。

 

その気持ちのまま病院に行って、培養士さんの説明を聞く部屋に入ると、いつもは培養士さんがいるのに、移植担当の先生がいて。この時に、「あ、やっぱりなショック」と。

 

予想通り、午前中に融解した直後、タマゴが死んでしまって移植できなくなってしまった、と説明がありました。こういう時のカンって、ほんとにコワイあせるやっぱり1度凍結させて融解させ、PGT-A検査してからまた凍結させ…。そりゃ、タマゴちゃんもダメージ受けちゃいますよね。

 

自分で予想していた事だったので、取り乱す事もなく。先生は、次の採卵の説明をしようとされてましたけど、「これを最後にするって決めていたので、もう大丈夫ですニコ」と答えました。先生と看護師さんの方が、オロオロしてましたよあせる

 

じゃぁ、1度こちらの部屋を出て頂いて、また看護師の方からお呼びしますね、と言われたんですが、「治療を終了するのに、まだお話する事があるんですか?真顔」って、聞いてしまって。私のニガテなカウンセリングという名の慰めをしようとしてたらしい看護婦さんが、困ってしまって。

 

すんなりひいてくれそうになかったので、「養子縁組を考えてるんです」と伝えたら、先生も看護師さんも、ぱーっと明るくなりました。「そうなんですね!では、パンフレットがあるので、お渡ししますね!」と。

 

別にそんなのいらなかったけど(笑)せっかく言ってくれてるし、待合室で待ってました。

 

この待ってる時に、主人のカオが浮かんできたり、今まで頑張ってきた日々や、費やしてきたお金の事がよぎって、らしくなく涙が浮かんできてぐすん 看護師さんや他の患者さんにバレるのがイヤだったから、トイレに駆け込んで落ち着かせました。コロナ対策でマスクしていて、よかったー。

 

この日は週末だったので、移植終了タイミングで主人が迎えにきてくれる約束だったんですが(コロナのせいで立ち合いはできず)、もちろん早く終わっちゃったので、メール手紙で連絡。ところが、彼は散髪中だったみたいで携帯を見ていなくて、迎えにきてしまったんです。私はといえば茫然自失だったので、彼がメッセージを見ていない事にも気づかず、電車で帰ってきてしまいました。

 

病院の前についた彼から電話が入った時には、もう家にいた私。えーー!とビックリする彼に、簡潔に結果を伝え、電話を切りました。

 

帰ってきた彼は怒っていて、てっきり移植がダメだった事を怒ってるのかと思っていたら、「連絡がない事に気付かないなんて、どうなんだむかっ」って。あ、そっちなのねあせる

 

この日はめちゃくちゃ凹みましたけど、考えようによっては、移植代もバカにならないんだから、そのお金が浮いてよかったかな。どうせダメなんだったらね。