溶けかけたタンブラーの中の氷、

砕け散った硝子のように思えた。


溶けるとそれは

水になるのみ。


水から出来たのかと思いきや

それは水に戻る、溶ける事により…。


水から氷へと、氷から水へと…。


いつもの事とは言え、

それに気付いた時、私は悟った。


この世に誕生し、そして滅び、

また生まれ変わる。


それと同じ事なのかも知れないと、

ふいに脳裏を横切った、その想い…。


溶け始めた氷に瞳を向け、

そっと呟いた胸のうちを

今ここに記す。