シーン別の服
上級編
今日は何を着て行こうかな。悩むひととき、あなたは何を考えます?どんな場所に出かけるのか、誰と会うのか、何をしに行くのか…。ちょっとした日時生活で着わける服えらび。価値観まで透けて見える、生活シーンに密着したワードロープです。              
ジェイ・ジェイ 1987年  小林麻美
2、3日のカジュアルな旅に出るときに
着て行くとしたら…

この間、仕事で札幌に行ってきたんです。そんな旅に出るときに着るのは、たとえば、こんな服。綿のタートルにカシミアのセーター、パリのシェビニオンで見つけた革のジャケットをはおる。旅行中は、暑かったり寒かったり、何が起こるかわからないから、脱ぎ着しやすい全天候型っていうのかな(笑)。
やっぱり重ね着は、便利ですよね。ガードレールに座って人を待ったり、どこにでも気を使わないで座れるような感じ。スカートよりパンツ、このスウェードのジョッパーズは、5、6年前から持っていて、何色でも合わせやすい便利ものだから、重宝しています。


懐かしい友達に久しぶりに会う
たとえばこんな服で

チェックのスカート、白いハイソックス、コインローファー、ベレー帽、…。
中学、高校時代からアイビーが大好きでした。懐かしい友達に会うとしたら、ふだんは普通の服を着て行くかもしれないけれど、その頃をふと思い出して、たまにはこんな服。メルローズのジャケットにエンブレムを付けて、何でもないスカートにカシミアのセーター、イグアナのローファー。お茶の水に通っていたとき、いちばんよく待ち合わせたりお茶を飲んだのは「檸檬(レモン)」。いまは、もう行く機会がなくなってしまったけど、3年前にブラッと立ち寄ったら、変わらずに昔のままだった。


目上の方と会食─雰囲気をこわさない少し真面目なスタイル

年配の方とお会いするときは、まずどこに連れて行かれても恥ずかしくない服を選びますね。とくに、招待された場合、相手の方に恥をかかせないことをまず考えて。と言っても、私は、特別パーティ用の服やおでかけ着は持っていないんです。ふだん着と兼用で組み合わせて、いろいろな雰囲気に着てしまうから。このレノマのスーツは10年ほど前に買ってから、あまり着ていなかったんです。今日はインにシルクのタンクトップを合わせたけど、タートルやブラウスでラフにしたり…今年は活動しそう。ほとんどノーアクセサリーのときに気を使うのは、口紅やマニキュア。マニキュアの赤は少しでもはげていると不潔な感じがするから、完璧に塗ります。


気分をハイにして、いざコンサート会場へ、というときは…

黒に白よりも、紺に白のほうが新鮮に思えて、最近は、黒より紺が気にいっています。タンスのなかの比重も、前とは違って黒に紺が勝っているぐらい。去年ぐらいから紺のスーツは、かなり増えちゃって、これはその1枚のジャン・ポール・ゴルチェの男もの。ダボッと着たかったから、わざと大きいサイズを直さないで着ています。コンサートに女っぽいワンピースで行くなんてありえないですね、私は。立ったり座ったりして、すごく暑くなるじゃない⁉️脱いでいくと最終的にはTシャツ1枚になれるのが理想的。あとはスニーカーを履いていくの。だって立っているのがつらいもの、ヒールを履いてると。


買ったばかりの新しいワードローブをはじめて着る時間

ニューヨークのラルフローレンは、中年の紳士やステキな老夫婦が落ち着いて買い物をしていて、何とも言えない雰囲気。銀座にショップができたのを、人から聞いて出かけてみました。シックなインテリアがニューヨークのラルフローレンそのもので、とても感動したの。トラッドが好きだから、海外に出ると、プレーンなセーターとか買ってくることが多かったですね。日本では、あんなにきちんと揃ったお店がなかったから。ラルフローレンの服は変わらない大人のトラッドを作り続けているでしょ。それを、その年齢なりに着こなすのは、すごく難しいと思うんです。昔はミニではいていたチェックのスカート、いまは思いきって長い丈を選びます。