LEE 1992年  切り抜き
榊原郁恵(さかきばら・いくえ)
1959年5月8日、神奈川県生まれ。
1976年 第1回ホリプロ・タレントスカウト・キャラバンに優勝し、1977年デビュー。

17歳でデビューした、健康的ではち切れんばかりのボディと、カラッと明るい笑顔がまぶしかった郁恵さんも、芸能生活15年(1992年)という年月の中で、結婚、出産を経験し、今や素敵なミセスです。
お料理上手なお母様との同居生活で、舌がかなり肥えている彼女、作るほうは……ただ今修業中なんですって。


明るい笑顔が素敵な郁恵さん、俳優の渡辺徹さんと結婚されてもう5年(1992年)
ご家庭では『郁恵のお料理がんばるゾ!』(フジテレビ系)で見せるように、ちょっぴりドジしながらも、楽しくお料理しているのかしら。
「いわゆる献立を考えるところから始まる、お料理らしいお料理はやってないんですよ、実は。(笑) 母と同居しているので、けっこう手伝ってもらったりしています。でも、料理番組をやるようになってから、家でも時々試してますよ」
食べ物に関するおもしろいエピソードもいっぱい。例えば郁恵さんはお味噌汁が大好き。ただし、具はなす以外。
「私、なすが大好きなんです。で、前にお味噌汁に入れたら色が出るじゃないですか!(笑) ウワーッて感じで、それ以来作らないの」
ところが結婚前、ご主人の食事習慣の中にはお味噌汁は入っていなかった。
「不思議な人でね。(笑) 汁物ってけっこうおなかいっぱいになるでしょ。だったら汁物を控えて、食事の量を増やしたいっていう人だったんです」


味の嗜好についてもまるで違っていた。アッサリ味の郁恵さんとコッテリ味の徹さん。だからご主人、結婚当初は郁恵さんのお母様の作る味がちょっともの足りなかったらしく、食卓にはマヨネーズや七味などの香辛料、刺激物が欠かせなかった。でも日日暮らすうちに食生活はかわり、今はかなり薄味好み。
「今は体調もいいからでしょうね。やっぱり太ってる時って、味覚が違うみたいです」
独身時代、一人暮らしだったご主人は、マヨネーズかけご飯のような、高脂肪で偏った食生活が続いた。ストレスもあり、心身ともにバランスを崩して太る一方に。それを医師の指導のもと、6か月間の徹底的な1600kcal食でダイエットし、健康回復させたのは郁恵さんの功績が大きい。
「そんなことないですよ。だって、キャベツなんかトントントンって千切りしてるうちに、切ることがおもしろくなって、お皿に山盛り作ってね、(笑) お塩と一緒に出したら、゛これは食べられないよ〝なんて怒られました。アハハハ。油は使う量が決められてるから、ドレッシングやマヨネーズに使うより、炒め物とかほかのお料理に使いたかったから」


食べる量が決められているご主人のために、見かけの量を増やす工夫は欠かせなかった。スパゲッティなら、1本を半分に折ってゆでたり、カツならフィレ肉でチーズを巻いて揚げたり、しゃぶしゃぶの時は、お皿にできるだけ大きくお肉を広げたり。そして、毎晩、1日のお食事を、素材は何で、分量はどのくらいとチェックし、記録するのも郁恵さんの役目。外食した場合は、梅干しやお新香の数まで事細かに聞き出した。
今はすっかり体調もいいご主人、もともと食べることが好きなせいか、買い物に行ったり、台所に立ったりもする。フランス料理風の味つけがお得意のよう。


「この前にしいたけのソテーを作ってくれました。味は私より確かですよ。散らかし放題散らかして作る分、手際もいいし。(笑) でもヘンなもの作るの!ブルーチーズ入りお好み焼きとかね。でも焼いてる時の匂いったら、たまったものじゃなくて、試食しなかったの、私。(笑)」
このブルーチーズ、おふたりで買い物に行った時にご主人が2箱買った1箱。残りは冷蔵庫に眠っている。
「冷蔵庫って、本来保存するためにあるんでしょうけど、うちはね、捨てるのを待ってる食品を入れる場所でもあるんですよね。食べないけど、賞味期限がまだ残ってるから捨てるに捨てられないものとかね、入ってるの。(笑) 」〟いざ〝という時になるとまた買って来ちゃったりしてね」
ティーンエイジャーの特権のような
〟コロコロ笑い〝がたびたび出る。1児の母とは思えないくらい。ところで3歳になる裕太君の離乳食には特に気を遣ったとか。というのも、直射日光に当たると皮膚がかぶれる郁恵さんと、金属アレルギーにかかったことのあるご主人の子供だから。
「例えば、普通、シラス干しなんかはカルシウムだから早くから与えてあげたいと思うでしょ。でもやっぱり青いお魚だから小さい時は控えました。卵も1年間与えなかったんです。その分ほかの食品で、バランスを取ってましたけど。子供にアレルギーがあるかどうか、まだわからない時期だったけど、なんとなく心配だったんですよね」
おやつにも気を配る。虫歯になりにくいパラチノース入りやサンフェノン入りに限ったり、顎の発達を考えて硬めのものにしたり。チョコレートは、いい子にしていた時の、お父さんからのごほうびと決めているのだそう。


「ところがそのお父さんが違反するからまいっちゃうの。自分が食べたいものだから゛お母様には内緒だよ〝とか言ってふたりで食べてるんです。でも子供は正直で 〟お父様にもらったの〝って、口に頬張りながら言いに来るの。(笑)」
郁恵さんの笑顔同様、渡辺家は明るく楽しい家庭なのだろう。そんな家庭を活力源にして、郁恵さんは今、舞台に取り組んでいる。あの壺井栄(つぼい さかえ)の不朽の名作『二十四の瞳』で大石先生を演じているのだ。公演が夏場の2カ月間ということもあり、体調を整えることも仕事の一環。
「体力もつけなくちゃいけないからって、プロテインを飲もうと思ったけど、これがまずくてねえ。でもね、イヤイヤ飲んでたら子供に言われちゃったんです。〟お母様、そんなにまずいのならやめなさい〝って。ああ、これはいけないなって、おいしそうに飲もうとするんですけど、つらい、つらい!(笑)」
やっぱり、どこまでも明るいんですね、郁恵さん!

明星5月号付録 ウインクおねがい
1978年 春のティーンズファッション
(モデル・郁恵さん)キャンバスでは、スポーティなファッションが主流。シンプルなデザインのものを上手に組み合わせて、個性的なオシャレを。



春には、パステル調のやさしくてきれいな色を着たくなるのでは。キャンバスの中でのパステル・カラーは、あまりも、すっきりとしたシンプルな服をスポーティに組み合わせるのがコツ。例えば、パステル調のジャンパーを1枚で、シャツのように着てしまうのも、新しい着こなしのひとつです。その時に胸元をなるべく広くあけるのが、とてもシャレています。

どこまでも明るいんですね、郁恵さん!