non・no 1986年11月5日発行
ピープル・ナウ  原田知世 はらだ ともよ
1967年11月28日生まれ 射手座

このごろ、少しゆったりと先のことを考えています

コンサートとレコード  今は、歌に全力投球❗️

卒業したら、したかったこと。
パーマとピアスと…。

高校を卒業するときってなんだか急に大人になった気がする。
制服と別れるのは寂しいけれど、卒業したらしたいこともいっぱい。

今年3月、日ノ出学園高校を卒業した知世ちゃんもひそかに決心していた大人へのパスポートが3つ。パーマとピアスと運転免許──。
「卒業式が終わってその足で美容院へ行ってソバージュヘアにしたの。制服のままだったら違和感があったけどうれしかった。しばらくして友達とパーティーをしたんでそこで自慢しようと思ったらみんなパーマヘアになってて…。
考えることは一緒なのね。ピアスはね、耳に穴をあけると運勢が変わるって聞いたので、今までとりあえず不幸せではないからやめて、この先、何かつまずいたときにあけようと思ってます。
運転免許は、もうそろそろ取るつもり。16歳になってすぐ50ccのバイクの免許は取ったのね。でもスピードだすのが怖くて教習所のコースで走っただけ、まだ普通の道路ドライバー。でも自動車の免許は、行動範囲を広げられるからこれは絶対取ります」


もうひとつこうした目に見えるもの以外にも、卒業したことで、彼女が改めて出会ったものに歌がある。
「学校がなくなった分、自由な時間ができたんで、何か集中してやりたいなって思っていて、コンサートの予定も決まっていたので、それならこの際、歌をキチンとやろうって決めたんです」

どちらかといえば少なかった声量も、毎日の発声練習と腹筋とうがいでグッとアップ。
研究と趣味も兼ねてコンサートにも精力的にでかける。それも国内、海外アーティストを問わず月1、2回のハイペース。ポール・ヤング、リック・スプリングフィールド、チェッカーズ、吉川晃司etc …

そんな努力のかいあって、この夏のはじめての全国29か所コンサートツアーは大成功した。
パワフルな歌と踊りで、これまでかれんでおとなしい印象だった知世ちゃんのイメージを一変させるステージだった。

「ステージは映画に比べて自由に自分の素顔をだせるんで、すごく楽しかった。もっとダンサブルな曲も入れてまたやりたいな」


コンサートツアーでは、ステージ以外での楽しい思い出も…。
「今まで行ったことのない土地が多かったので、名所、旧跡を訪ねました。観光旅行かな。夜は、思ったよりディスコには行かなくて2、3回ぐらい。ボウリングをよくしたんです。腕まえは…ミゾ掃除なんですよ。投げようとして後ろにボトンと落としたり…ヘタだけど好きですね。あれは迷いがあるとダメみたい。ねらいを定めて強気で思い切って投げないと…。だからストライクの後は、必ずガーターなの。ボーリングはB型の人に向いてるスポーツじゃないのかな。」


知世ちゃんは、ボウリングの球を投げるときも思い悩んでしまう(❓️)A型。
「だからどうしても後でクヨクヨしたりするところあるんですよね。女の子だったらおおらかなO型がいいし、B型の大胆さにも憧れます。それで、なるべくO型やB型的にしてるんですけど、なりきれずボウリングなんかのときはA型が顔をだしちゃうの」

14歳で角川映画の新人オーディションに合格、デビューしたころは、友達のいない東京の学校へ進学したこともあって、もろにA型のマイナス面がでて、消極的で考え込む、どちらかといえばクライ少女だった。
「自分からだれかと友達になるってことあまりなかったですね。相手から声をかけられてやっとっていう感じ。でも17歳から18歳になるとき、すごく変わったみたい。これじゃいけないなって思って積極的に人とのつき合いをするようになったの」

そして高校を卒業したことで、また精神的に少しずつ変わろうとしている自分を感じている。
「少しゆったりと先のことを考えられるようになりました。これまでは、それこそ明日のテスト、明日の仕事と追いまくられてやっぱり目まぐるしかった。今は、これを次にするのは来月だから今度はこうしようとか余裕をもって取り組めるようになったの。それに、もう体育祭とかもないから自分で楽しいことを見つけていかないとね。とくに就職した友達はそうしているみたい。でも、そういう友達の話とか聞くと私は、ひとつのことを作っていける、後に残る仕事ができて幸せだなと思います」


こんな心の持ち方の変化は、知世ちゃんのおしゃれ感覚をも、少しずつ変えてきた。

「おしゃれって事項主張だと思うの。服だけでなく、口紅ひとつ、マニキュアひとつで気持ちは変わるし、今日の自分はこれでいこうって自分で決めるわけだから。何日か、何か月かに一日ありません?暇なわけじゃない、忙しくてしようがないのにどこか退屈してるなって日…。そんな日は、ふだんはしないようなファッションに挑戦してみたりするの」


インタビューの日は、まさにその日。ふだんは、どちらかというとジーンズにコットンのシャツのような格好が好みなのだが今日の気分はコレ、で、サーモンピンクのフェミニンなブラウスに。それが大人っぽくて柔らかな雰囲気でよく似合っている。

男の人の好みも変わってきたかな❓️
「初恋は小学3年生のとき。背の高い目のクリッとした転校生の男の子に。その子はまたすぐ転校しちゃって…。次に好きになったのが真田広之さん。でも、あれは真田さんの役に恋をしていたわけだし…。後はずっと女子校で、仕事では周りに同じ年ごろの男の人はいないし、恋の相手には恵まれないものがありますね。そうですね、好きになる男の人は、根はまじめだせど、コチコチのマジメって感じじゃなくて、優しさをサラッとだせる人かな。例えば、恋人になっても友達とか一緒にいるときは、私だけでなく私の友達にもさりげなく心遣いをしてくれるような人がいいですね。スタイルとか、容姿は、こんな人がいいっていっておいて全然違う人を好きになるかもしれないからいわないの」


11月で19歳になるが、19歳という年齢にはあまりこだわりはない。
「19歳って通過駅みたいかんじ。今は早く20歳になりたいな」

20歳を超えて、目ざす女性の理想像は…。
「年上から見ても年下から見てもいろんな面を持ってる女性、その年齢らしい魅力のある女性になれたらいいですね。そのためには今、普通の女の子である部分を大切にしたいと思ってるんです。あわただしい生活だけど、年相応にキチンと遊ぶこととかもしないと、そういう部分だけ置いてきぼりにされちゃうから…。今ですか❓️ハイ、エイジョイしてます」

知世ちゃんの目の輝き、なんだか力強くなった気がする。それは、仕事も、プライベートも自分の意思で自分の道を選びとる、そんな本物の大人へのパスポートを手に入れようとしているからなのね。