「ティファニーで朝食を」1961年公開
東宝株式会社∕へラルド・エンタープライズ(株)

解説
1961年に公開され、ロマンチック・コメディの傑作として大評判をとった映画である。数多くの秀作を誇るオードリー・ヘプバーンの主演映画のなかでもこの作品は、彼女の個性が100パーセント活かされた最高の当たり役といえよう。……多彩な演技陣を揃えている。
いかにもシックな感じがする程すっきりやせていたが、ほとんど朝飯に出る穀物みたいに健康的な雰囲気と、石鹸とレモンの清潔さと、頬のあたりに一段と深まったピンクの色彩とを持っていた。
「ティファニーで朝食を」の中で原作者、カポーティはヒロインのホリーをこのように書いている。まるでヘプバーンをイメージにおいて書いたのではないかと思われる程、彼女の個性にピッタリと合っている。そしてヘプバーンはこのヒロインを見事に演じ、彼女がこれまで創造した魅力あふれるヒロインたちのなかでもひときわ美しい女性像を造り上げた。
「ティファニーで朝食を」の見ものの一つにニューヨークの実景がある。五番街の57丁目にあるティファニー宝石店をはじめ、42丁目の市立図書館、パーク街、住宅区域の東71丁目、セントラル・パークなどがフランツ・プレイナーのみごとなカメラで美しくとられていて、大いに目を楽しませる。
ジョージ・ペパードの役は、金持ちのパトロンにかこわれている若い作家ということになっている。パトロン役がパトリシア・ニールもいうのもおもしろいが、ニールの役は室内装飾家、愛人のペパードのアパートを自分の趣味にあわせてかざりつけるのだが、金持ちのパトロンにかこわれている若い作家のアパートはどんなふうになっているか。アート・ディレクターのローランド・アンダースンの苦心のほどを見落さないでいただきたい。
登場人物ではないが、大変重要な役をする「名前のない猫」がいる。この猫は、テストに応募した840匹のニューヨーク近辺の猫の中から選ばれたもので、実はパットニーという立派な名前のある2歳の牡猫である。
“ティファニー”はニューヨークの五番街にある有名な宝石店。いままで、店内を映画にとらせたことがいちどもなくこの映画ではじめて店内の撮影をゆるしたという伝統のある店である。
創立は1837年、すでに132年のある歴史があるわけで、創立者はチャールズ・ルイス・ティファニーといった。





新聞を読んで、「映画へ見に行こう」って。
1985年、学生の時、春休みで、妹と一緒に映画を見て終わったらパンフレットを300円買いました。パンフレットは復刻でした。
おもしろくて、ファンになりました。