
ジェイジェイ1990年10月
仙道敦子 せんどう のぶこ
1969年9月28日生まれ。
映画「鬼龍院花子(きりゅういんはなこ)の生涯」でデビュー、若手演技派女優として定評。この夏は映画「少年時代」
東芝日曜劇場「お父さんの戦争」に出演、秋には「東京カード物語」(TBS 系)や新CM も…。

ショートヘアの決断
理由はないんです。とにかく切りたい、去年ぐらいから揺らぎもせず一筋だったんです。でも
ドラマや映画の最中は無理でしょ。ふだんあまりアクセサリーとかつけないし、ノーメークなんです。その延長線上で、髪の毛もうっとうしくなって。
ドラマ「卒業」の収録最終日、その夜には次の「ホットドック」のポスター撮りがあるという慌ただしさの中、切りました。恥ずかしいけど、実は美容院へ写真を持っていったんです。

憧れている女優、ナスターシャ・キンスキーのね。これまでわりとボブカットが多く、切る前はソバージュ。ショートは高校生の時以来でした。髪の毛を切ることって、それだけで自己表現になるんだなっていうことに、今回初めて気がつきました。「髪の長いのがたいしたことではなかった」ということもわかって、よかったと思います。髪の長い時には、顔にちょっとにきびができただけで、どうしようかと心配になっていましたが、短くしたら、そんなことたいしたことじゃないって気にならないんですよ。

長いつもりで、シャンプーを手にとって、ハッと髪の短さを実感してしまいました。
長い髪にこだわっていたのは、他人の目を意識していたからなんですね。自分の気持ちでは切りたかった。でもなぜ切らなかったかといえば、男のコや視聴者やファンの目が気になっていた。女のコが好きな人のことを思って自分わをおしゃれにしたいと思っているのは純粋だと思う。でも、いろんな人がいていろんなものに好みがあると同じに髪形の好みもいろいろあるんだから、もっともっと追求して、自分を信用して、自分の似合う髪形を研究して発掘するべきだと思うの。自分はほんとはどんな髪形をしたいのか、その気持ちをはっきりしておくことだと思うの。

長い髪がここにある、というだけで、単純にいえば「ああ、女の人だ」っていう意思表示ができるわけでしょ、ショートにしたら、その頼り(私はあまり頼りにしてなかったけど)がなくなるわけだから、そういう意味でも、ショートにするというのは女のコの冒険だと思う。長かった時はわりと大人っぽく見られていて、女性を意識した服が好きで着ていましたが、けっこう女々してしまうことが多かったんですね。でも、ショートにしてからは、胸元が開いた服を着てもいやらしくないんですね。

シンプルであればこそ映えるまわりのものってありますよね。ショートにしてから洋服がとても着やすくなりました。
「男のコっぽい」って言われるのは一つの見方としてうれしいけれど、ショートだからボーイッシュっていうのでは芸がないですね。
ハタチなんだし、髪が短いからこそ、逆に女っぽくするのにはどうしたらいいか、そういうのを考えるとウキウキする自分がいたりするんです。もっと研究しなくっちゃ。
このあとは、トコトン切ってから伸ばす予定。
(夫は俳優の緒形直人)
自然に絵を描きたくなるよ