ヘアカタログ1982年別冊付録
三原順子1964年9月13日東京生まれ
(三原じゅん子  政治家  参議院議員)
■三原順子のヘアスタイルをしたい人に
全体的にロングレイヤーカットですが、極端に段のついている階段カットではなく、トップからネープにかけての毛先がゆるやかに、なだらかな線を描くスロープ状の段カットです。パーマはカールを大きめにし、しっかりめにかけています。美容院。
─少しやせたんじゃないかしら、順子ちゃん。
順子「そうなの。五キロやせたの、夏から。」
─五キロ!どうしちゃったのよ、そんなに。
順子「食欲ないんですもの。食べなくちゃいけない、とは思うんだけど、おなかに入らないの。」
─そんなんじゃ、バテちゃうわよ。しっかり食べて体力つけなくちゃ。
順子「うん。」
─バンドのメンバーも決まったんでしょう?
順子「ええ。2キーボード、リードギター、サイドギター、ベースとドラム、計女ばかり6人。」
─そのメンバーはどうやって選んだの?ずいぶん、たくさんの応募者がいたでしょう。
順子「そうねぇ。」
─例えば、顔で選んだとか、胸の大きさで、順子ちゃんより小さい子だけチョイスしたとか。
順子「アハハ…。ちゃんと選びましたよ、私のドラム以外は。」
─順子ちゃん、ドラム?
順子「うん。」
─ドラムって、あんまり目立たないんじゃないの?バンドのなかでは、いっつも後ろのほうで。
順子「だから、それだからいいんじゃないの。私、目立たないほうが好きなんだもの。いまね、バンドの名前考えてるの。なかなかぴったりくるのがなくてね。」
─どういう曲やるの?
順子「ハードロック。ねぇ、見て、この指。」
─すごい。マメだらけじゃないの。
順子「私の猛練習ぶり、わかるでしょう。ちょっとでも時間があると、すぐ練習台をたたきはじめるわけ。何度もマメができては破れ、破れてはでき、って感じで、もうタコになっちゃってる。でも、リーダーの私が、まずしっかりしないとね。」
─えらい責任感。
順子「フフフ…。あっ、痛い!(ブロウしている美容師さんに)すみませんが、そこは避けてブラッシングしてください。ごめんなさいね。」
─どうかしたの?
順子「交通事故の後遺症。傷になったところがまだ痛いの。ブラシやピンが触れると、ビビーッとくるの。ねぇ、私の髪、すっごくいたんでるでしょう。」
─そういえば、かなり。
順子「枝毛も相変わらず多いでしょう。イヤになっちゃうのわ。もっとじょうぶな髪質に生まれついてたらなぁ。すぐいたむんだもの。」
─デリケートなのよ。
順子「扱いにくいわ。ちょっと無理すると、すぐ病気になっちゃう〝虚弱体質〟なんだから(笑)」
─短くするつもりはないの?
順子「当分はね。」
─でも、着物を着るときはいいわね。えり足がすっきり上がってるもの。
順子「ホント?見たいなぁ。鏡、とっていただけますか。」(手鏡で、自分のえり足をうつして見る)
─きれいに上がってるでしょう。それに、色っぽいえり足。
順子「…」
─…。
順子「ぜ~んぜん見えないわ。」
─…?
順子「私、ものすごい近眼じゃない。メガネしてないから、どうもぼんやりとしか見えなくて。」
─順子ちゃん、コンタクトいれてないの?
順子「怖くて入れられないんですよね、あれは。」
─わかる気もするけど…。
順子「ホントに怖いんだから。」
─順子ちゃんって、思ったよりヘアスタイルは変えない人ね。
順子「あんまり、あれこれ変えるのイヤなの、ヘアスタイルは。」
─着物、着た感想をひと言。
順子「ウーン、そうねぇ…」
─好き?
順子「どっちかっていうと嫌いなほう。仕事以外は着ないわ。きょうの着物は気に入ってるけど、今度また着る機会があったら、黒っぽいのを着てみたいわ。」
─でも、映画では…。
順子「ああ、『あゝ野麦峠、新緑編』?
─そう、そう。あの映画の中では、着物だったんじゃない?
順子「そうだけど、こういう振り袖じゃないもの。」
─こういう着物、着ていて苦しい?
順子「ええ、少しね。」
─じゃあ、お正月は着物を着るつもりは?
順子「家では着ないわ、たぶんね。」
─お休みはとれそう?
順子「まだわからない。そうねぇ、お正月なのね。」
─何か忘れてたって言い方ね。まだお年玉もらえるでしょうに、順子ちゃんの年なら。
順子「お年玉!」
─そうよ。
順子「ヤだなぁ。もうもらってないわよ。ひょっとして…まだもらってる…。」
─(しばらく沈黙)話、変えようね。
順子「アハハ…。」
─だんだん寒さも増してきて冬に突入。
順子「そうそう、きょうね、秋田から帰ってきたの。3時間前に東京に着いたばかりよ。」
─寒かったでしょう。
順子「うん、もう足の先がこごえてしまいそうだったわ。」
─飛行機で?
順子「そうよ。その飛行機がユッサユッサ、激しく揺れるの。怖かったわ。落ちるんじゃないかとヒヤヒヤしちゃった。〝ああ、もし落ちたら、私のかわいい息子と娘、悲しんでくれるかな〟なんて、思ったりして。
─息子、娘?
順子「私の飼ってるネコちゃんのことよ。1匹はオスで、名前はチーちゃん。もう1匹はメスのターちゃん。そりゃあ、かわいいんだから、2匹とも。私がね、遅い時間にお仕事から帰るでしょ。パパのママはもうぐっすり眠ってるの。でもね、ネコちゃんたちは、ちゃんと起きてきて、私を玄関まで出迎えてくれるのよ。」
─ワー、かわいい❗️
順子「メチャかわいいわよ。あの子たちを残しては死ねないわ。」
─ま、まるで母ね。
順子「そうよ、母よ(笑)」
─ようするに、やさしいのね、順子ちゃんは。
順子「意外?」
─ううん、前からそう思ってたもの。それじゃ、家にいるときは、もっぱら、ドラムの練習とネコちゃんの世話で忙しい、ってわけ。
順子「そうね。」
─わかったわ❗️
順子「どうしたの?突然大声で、びっくりしちゃう。」
─ごめん。きょうね、会ったときからずっと思ってたの。ばく然とだけどね。
順子「何を?」
─順子ちゃんの顔の表情が柔らかくなったみたいな気がしたのね、なんとなく。
順子「そうかなぁ。」
─そうなのよ。その謎が解けたわ、やっと。
順子「どうしてなの?」
─〝2児の母〟となって、グーンと母性愛にめざめたせいだ。やさしさが顔からあふれてるもの。
順子「そうかしら…。」
─ホントよ。
順子「そうかなぁ。」