
ヘアカタログ 1982年 別冊付録
柏原芳恵1965年10月1日大阪生まれ
■柏原よしえのヘアスタイルにしたい人に
前のほうを極端に短くした段カットです。サイドの内側の髪を耳から離して、サイドにボリュームをもたせるようにしてあります。丸顔の人は、左サイドをもう少し短くして、まゆを出し、長い顔の人はサイドのふくらみを目尻のあたりにもってくるといいでしょう。美容院。

─あれぇ、よしえちゃん、自分でブロウしてきたの?
よしえ「そう。どう、きれいになってる?」
─すっごくきれいよ。
よしえ「わっほめられちゃった。うれしい❗️」
─よしえちゃん、ブロウの天才❗️
よしえ「エヘッ、へへへへ。」
─ほんとにうまいよ。おせじじゃなくて。
よしえ「あんまりほめられると、ウソっぽく聞こえてくるなぁ。」

─(笑)そう?
よしえ「でもね、きっとよしえのブロウがうまいんじゃなくて、カットがすてきにいいのよ。美容院が上手なの。」
─いつも同じ美容院に行くの?
よしえ「うん。」
─そうすると、美容院にいうのもスケジュールに組まないとね。忙しいから。
よしえ「そうそう。一度、時間がなくて行きつけの美容院に行けなかったの。しかたなくて別の美容院へ行ったのね。でも、その美容院がちょっと…ね。出てきてから泣けてきちゃった。」

─ひどかった?
よしえ「あんまり変だったんだもん。」
─失敗作だったのね。
よしえ「それ以来、絶対に同じところしか行かないの。そこは、信頼してるんだもん。」
─聞いた話なんだけどね。
よしえ「なぁに?」
─よしえちゃん、リンスとトリートメントの順序が逆なんだって?どういう順なの?
よしえ「エッ❗️トリートメント、リンスの順よ。でも、トリートメントは、髪の中までしみとおるわけでしょう。」

─うん。
よしえ「それで、リンスのほうは、髪の毛の表面っていうか、表っ側を保護するでしょ。」
─そうね。
よしえ「だから、最初にトリートメント、次にリンスの順でやるのが、いちばん効果的なのよ。そうでしょ?まちがってる?」
─正解。ためしてみたの。
よしえ「からかったのね。意地悪だなぁ。美容院の人に聞いたんだから、ちゃあんと。」
─よしえちゃんのここ、よしえちゃんの右の横のところ、ちょっとクセがあるわね。
よしえ「そうなの。1本だけね。」

─1本だけっていうのも、おもしろいわねぇ。
よしえ「この1本にだけはパーマかけたい気分なの、ほんとに。ね、ね、ね。」
よしえ「よしえ、着物を着ても怖くてアップにできないの。」
─ 一度やってみたら。
よしえ「ウーン。」
─勇気だしてやってみたほうがいいわよ、似合うから。
よしえ「そう思う?ほんとに似合うかしら?」
─だいじょうぶよ。気にしなくていいんじゃない?
よしえ「そうかなぁ。」
─ところで、お正月はどうするの?
よしえ「わからない、まだ。」
─お正月って好き?
よしえ「好き、好き。」

(サウンドマガジン・ヤンソン)
─食べるほうだと、お正月のものでは、何が好き?
よしえ「お雑煮が、よしえ、大好き。お餅が、大、大、大好きなの。」
─大阪のお餅って、東京のお餅と違うでしょ?
よしえ「丸いの、大阪のお餅はね。東京のは四角でしょ?」
─東京のお餅、初めて見たときどんな気分だった?
よしえ「お雑煮のお餅って、ずうっと丸いお餅だと思ってたでしょ。変な気持ちなのね、四角いお餅って。ちょっとびっくりものだった。」

(サウンドマガジン・ヤンソン)
よしえ「ねぇ、この日本髪、よしえに似合う?」
─うん、よく似合うわよ。ぴったり。
よしえ「ねぇ、16才っぽくみえるかしらねぇ?」
─花の16の感じそのもの。
よしえ「みえる?ホント?」
─花の16❗️
よしえ「ほら、日本髪って、アップにするとふけちゃうんじゃないかって心配なの。」
─そんなことないわよ。ところで初詣でには行くつもり?
よしえ「ええ。」
─毎年行ってる?
よしえ「けっこう行ってます。」
─何をお願いするの?
よしえ「ことしも1年間、健康でいられますようにって。」
─健康がいちばん大切だものね。
よしえ「そう。そして、パン、パン、パン。」
─エッ?
よしえ「ほら、かしわ手っていうんでしょ。」

(サウンドマガジン・ヤンソン)
─ああ、健康少女はちゃ~んとお願いするんだ。
よしえ「そ、健康少女のよしえちゃんなので~す(笑)。」
─お正月といえば…。
よしえ「それは、お年玉で~す。」
─大正解❗️
よしえ「ハハハ…。」
─よしえちゃん、お年玉はまだもらってる?
よしえ「ずっともらっていたんだけど…。」
─ことしはもらえなかったの?
よしえ「うん、社長さんの奥さんにいただいただけ。」
─ご両親からは?
よしえ「両親や親戚の人からはもらえなかったの。帰らなかったからかなぁ。」
─きっとそうよ。
よしえ「顔見せないと、もらえないのかなぁ。」
─ちゃんと大阪の家に帰って、お父さん、お母さんの前に正座して、「あけましておめでとうございます」ってごあいさつしなくちゃ。
よしえ「正座しなくちゃダメ?」
─ダメ(笑)
よしえ「でもね、聞いてよ。よしえ、まだ16才でしょ。ふつうなら高校1年生。もらえて当然だと思わない?」
─うん、それはそうね。
よしえ「そうでしょう。」
─でも、よしえちゃんはお仕事してるもの。
よしえ「関係ないもん。もらいたいもん。今度は、ぜーったいもらわなくちゃ。」
─お正月は、大阪に帰れそうなの?
よしえ「ううん、わからない。」
─じゃあ、どうするの?
よしえ「送ってもらうんだ。」
─郵便で?
よしえ「うん(笑)」
─アハハハ…。
よしえ「おくってもらおうっと。」
─ねぇ、来年やってみたいことある?
よしえ「そうねぇ、いろいろありすぎて、これっていえないなぁ。あっ、そうだ。中国にもう一度行きたい。すっごくよかったんだもの。広くて、大きくて、きれいなの。いいところなんだもの、行きたいなぁ。」