
Can Can 雑誌1990年2月
スペシャル対談 浅野ゆう子 VS 工藤静香
浅野ゆう子 本名・赤沢裕子。1960年7月9日兵庫県生まれ。蟹座、血液AB 型。1973年歌手デビュー、のちに女優に転身。
工藤静香 本名・工藤静香。1970年4月14日東京都生まれ。牡羊座、血液B型。ヒットチャート6週連続1位の大ヒット曲『黄砂に吹かれて』に続く待望の新曲『くちびるから媚薬(びやく)』は1月10日にリリース。
浅野「細っこいのに自分をちゃんと持っている女のコ、しーちゃん、そのまま大人になってね」
工藤「足首がカッコ良くて車の似合う女性、ゆう子は私の憧れなんです」

工藤「ゆう子さん、どうもお久しぶりです❗️」
浅野「ホント、久しぶりだよねェ。電話ではときどき話すんださけど、しーちゃん忙しいから(笑)。で、しーちゃんちの留守番電話が5妙ぐらいしか入んないんだ。『こんばんわーッ❗️』ぐらいでガシャって切れちゃうでしょ。あれはけっこうちゅうちょするね。」
工藤「アハハハ❗️そうそう、ゆう子さんのが続けて3回ぐらい入ってることあった。」
浅野「トライしたの。言いたいこと言うまで何回でもかけるゾって。けっこう根性いるんだ(笑
工藤「ゆう子さんちの留守電はオシャレですよね。久保田利伸さんの曲がバックに入ってたり。私のなんて『今、留守です❗️」なんてそっけないの。」
浅野「『いません!』とかね(笑)。でも、しーちゃんに初めて会ったのは、『君の瞳をタイホする!』(フジテレビ系)のときだったんだけど、すごくしっかりしてるでびっくりした。」
工藤「確か、台本読みのときに初めて会ったんですよね。私、すっごく覚えてるんだけど、ゆう子さんがサングラスかけて全身淡い紫トーンでエレベーターからサーッと降りてきたの。で、パッと見たら、足首がすっごく細くてきれいで、ウワーッて興奮しちゃって。

浅野「ごめんね、足首だけ細くって(笑)。でも
あのドラマ、第一回目からしーちゃんの危ないシーンがあったのよね。ビルの屋上でしーちゃんが『飛び降りてやる!来ないでー!』っていうシーン。あれは見てて怖かった。高所恐怖症だって聞いてたからよけいね。」
工藤「で、ゆう子さんがずっと抱きしめててくれたんですよね。もうメチャクチャうれしくってね。すっかり頼りきっちゃった。あと、私も好きなんだけど、ゆう子さんて車がすごく似合うでしょ。一度、スタジオの駐車場で運転してる姿を見かけてカッコイイなあって。運転する姿が似合う女の人ってあんまりいないでしょ」
浅野「エーッ、何言ってんの(笑)。だいたいあのとき乗ってたのは会社のクラウンよ。」
工藤「自分では何乗ってるんですか?」
浅野「ローバー。安全運転よ、私は。しーちゃんは危なそうだなァ(笑)」

工藤「私も静かに運転しますよ。女のコっぽいチマチマした運転じゃないけど。今の車はオートマはやめようと思ってるです。」
浅野「なんで⁉️」
工藤「年とるまでずっとマニュアルでキメようって決めたんです。お婆ちゃんになってもマニュアルに乗りたいの、私(笑)」
浅野「私なんか、もうマニュアル運転できない。でもどうすんの、足首弱ってきたら?」
工藤「そしたらあきらめて車乗りません❗️やっぱりマニュアルのほうが面白いですよね。私、運転するの大好きだから、コンサートのときなんかも、山梨ぐらいだと自分で運転してっちゃうんですよ。」
浅野「すごいね。きっとそういう年令なのね。私なんか、やっぱり人に運転してもらうほうが楽だもん(笑)。買い物とか遊びに行くときは自分で運転するけどね。最近は、江の島とか茅ヶ崎とかよく行くの」

工藤「私、そういう場所をよく知らないんですよ。なにしろ田舎もんですから…(笑)」
浅野「何言ってんの、東京出身のくせに❗️」
工藤「東京ったって西多摩の羽村(はむら)町ですよォ。まだ養蚕とかあるんですから(笑)。海なんかかけ離れたとこにあるから、泳ぐのなんて川でしたもん。」
浅野「友だちがクルーザー持ってるの、江の島のほうに。だから、夏は潜ったり釣りしたりして楽しかった。船が大丈夫だったら、今度連れてってあげる。」
工藤「船なんて全然大丈夫❗️ただね、ちっちゃいころから海知らないから『ジョーズ』っていう映画の影響で、海が怖いっていうか…。」
浅野「アハハハ❗️東京湾じゃ、あんまりそういうのいないワ。20才になれば海も大丈夫よ(笑)
暖かくなったら行こうね。でも、コンサートとかあると休めないでしょ?」

浅野「私は今ドラマの仕事ばっかりなんだけど、人間関係がすごく面白いわね。一緒にいる人との会話とか、つくってくプロセスとかが楽しいわけ。だから、現場にいると、実際に体験できなかった学生のノリみたいなものを感じられて、やっぱりドラマはいいなって…」
工藤「うん、ドラマってそういう良さがありますよねェ。でも私、たまに思うんですよ。〝いつ私は芸能人やめるんだろう?〟って。歌手って、いつもいいときばかりじゃなくて、下向きになることもあるでしょ。そういう危機感はいつもあるんです。もちろんそうなっても平気でいられると思うけど、ふとそんなこと考えちゃうときあってね。周りの人にそれ言ったら『何言ってんの⁉️」って笑われたけど(笑)」
浅野「演歌歌えば?…なんて(笑)。だってしーちゃん演歌上手なんだもん。打ち上げのときのしーちゃんの演歌聞いて、ホントに歌の上手な人なんたなあって思った。だから、まだまだ心配しなくても平気よ。それに、これは逃げじゃないんだけど、『女のコだから』っていう楽な考え方もできるでしょ」
工藤「あっ、それはすごくありますね。」