興味を引かれたお話。
確かにTV本体だけでTVを見たりする時間が少なくなった。
家族みんなが・・


冷蔵庫にツイッターがついた! サムスンの発想力に日本メーカーは追いつけるか(ダイヤモンド・オンライン) - goo ニュース
2012年9月28日(金)09:00

 あるとき近くの家電量販店Best Buyに行って驚いた。冷蔵庫のドアにツイッターのアイコンが表示されていたのだ。よく見ると液晶画面がある。画面の大きさは4インチだからiPhone5とほぼ同じ大きさ。主婦が簡単に使える8種類のアプリケーションが登録されている。インターネットへのアクセスは家庭内のWi-Fiを経由して行う。メーカーのロゴを見た。サムスンだった。

 主婦が冷蔵庫に向かってメモを取れる。自分の備忘録として利用することもできるし、家族に伝言を残すこともできる。入力は液晶画面に表示されたキーボードを使って指1本でできる。カレンダーの機能もついている。その日の自分の行事、子どもの行事、夫の行事を入力しておくこともできる。

 また、自分の住んでいる町の天気、気温を表示する機能も付いている。子どもを学校へ送り出すときに、どのような服を着せたら良いのかが即座に判断できる。夫や子どもを送り出した後、彼らの携帯との交信はツイッターで行う。

 ボタンひとつで料理サイトに接続して、その日の献立を考える。決めたらあとは食材を買いに行けばよい。家族の写真を連続して液晶画面に映し出すこともできる。ニュースサイトにも接続できるので、その日のニュース速報もチェックできる。

 料理をしている間に、インターネット・ラジオに接続して音楽を聴いたり、あるいはニュースを聞き流すこともできる。この冷蔵庫はスマートフォンほど多機能ではないが、台所で多くの時間を過ごす主婦に、必要十分な機能が用意されている。

 日本では、冷蔵庫のドアにメモなど色々な紙を磁石で貼り付けているのが、普通の台所風景ではないだろうか。あまりに色々なものが貼り付けてあると、冷蔵庫のドアは張り紙で一杯になって整理するのが面倒になる。この冷蔵庫に変えると、張り紙情報の一部を液晶画面に移して、磁石と張り紙を大幅に削減できるだろう。

 液晶画面がついているサムスン製品は冷蔵庫だけではない。クッキングヒーター(米国では電気レンジと呼ぶ)にも液晶画面がある。これで調理時間、温度調節、アラーム、保温、クリーニングといった諸機能を全てコントロールできる。洗濯機、乾燥機も液晶画面で細かいコントロールができるようになっている。サムスンはこれを「スマート家電」と呼んでいる。

 昨年、今まで使っていた米国製の食洗機が壊れたのでサムスン製品に変えた。従来機は食器類を乾燥するのに、内部の湿気をファンで機外に出す。そのため台所の湿度が上がる。蒸気排気口があるために内部を密閉できないので、食器を洗う音がうるさかった。

 サムスン製品に変えてびっくりした。乾燥ファンがないのである。市販されているリンス補助液と一緒に使うと、自動的に乾燥してしまう。その上、常に内部が密閉されているので、音が外に漏れずにたいへん静かだ。汚れの除去具合も申し分ない。これができるのは食洗機内部に取り付けられた無数のセンサーが内部の状況を把握しているからと考えられる。

 Best Buyに陳列されている白物家電の約半分はサムスン製である。これにLGを加えると全体の6-7割が韓国製品で占められている。かつて冷蔵庫といえばGE製、Frigidaire製、洗濯機といえばWhirlpool製が当たり前だった。それぞれの分野でトップシェアを握っていた米国製品が、いまや韓国製品に置き換えられている。日本製品は以前から少なかったが、電子レンジにパナソニックとシャープが数台ある程度で、存在感はきわめて薄い。

 では、テレビはどうだろうか?ここでも一番人気はサムスンの「スマートテレビ」である。内蔵モデムを通じて常時Wi-Fiに接続されていて、テレビとインターネットがシームレスに統合されている。アイコンをクリックしてアクセスできるウェブサイトは93にも上る。ゲーム(38サイト)、ビデオ・ダウンロード(10サイト)で過半数を占めるが、YouTube、Skype、Facebook、Twitter、Picasa(写真共有)、Google Map、算数や英語のクイズ、お天気、ニュースも網羅されている。

 この中から気に入ったサイトのアイコンを選んでトップ画面に配置する。アイコンをクリックするとサムスンがテレビ閲覧用に開発したインターフェイスが立ち上がって、案内をしてくれる。アプリケーションの多くは無料だが、ビデオダウンロードのNetflix、Hulu、Duduのように有料のものもある。3Dの動画ばかりを集めたものもあり、専用のメガネを使って楽しめる。

 リモートコントロールは付属のリモコンを使ってもいいし、自分の持っているスマートフォンに専用のアプリケーションを入れて、これをリモコンとして使うこともできる。アンドロイドのみならず、iPnoneにも対応している。音声やジェスチャーでアプリケーションを呼び出すこともできる。手持ちのカメラ、PC、モバイル機器との無線同期も行えるし、HDMIを使ってブルーレイ・プレイヤーのような外部機器を接続することもできる。

 LGのスマートテレビもコンセプトと機能はサムスンとよく似ている。印象的だったのは付属品のリモコンがとても小さくシンプルで美しかったことである。ジャイロが入っているので、リモコンを傾けてカーソルを動かせるのも印象に残った。サムスンとLGの製品では、本体のどこにテレビボタンがあるのか分からなかった。たぶんリモコンにしかないのではないかと思う。

 ソニー、パナソニック、シャープの製品が陳列されていたが、スマートテレビと自称している製品は一社もない。日本で売られているテレビと同様に「まさに」テレビである。テレビ自身にモデムを内蔵している製品もあるが、していないものも多い。インターネットに接続するには特別な操作をしなければならないので面倒くさい。とてもシームレスとは言い難い。

 初期画面にYouTube、Netflix、Pandora、Facebook等のアイコンを配置できるが、サムスン、LGと比べるとはるかに少ない。アイコンをクリックすると、そのウェブサイトに飛んでいくが、楽しく閲覧させるためのインターフェイスはないように感じた。

 リモコンは日本と同様、大きくてボタンが多く複雑である。ハードを調整するコントラスト等のボタンが満載だ。サムスン、LGがハードの機能は奥に引っ込めて、ウェブとの融合と使い勝手を前面に押し出したのは大きく異なる。

 日本の3社の製品はテレビが主で、「インターネットは使いたい人がお使いください」といった程度の扱いだ。日本の3社は「自社の映像技術が如何に優れているか」を前面に出して宣伝するが、韓国の2社は「如何に楽しめるか」を前面に出す。日本の3社はどこまで行ってもハードの会社なのである。

 テレビ売り場に陳列されている製品の約4割がサムスン製で、2割がLGで、残りはパナソニック、ソニー、シャープほかの製品が陳列されていた。店員に売れ筋を聞いたところ、サムスン、LG、ソニーとの回答だった。インターネットとのシームレスな統合がもっとも進んでいるのはサムスンとLGで、日本製は両社に比べるといまいち使い勝手が悪いとの回答が返ってきた。

 画面の美しさや精巧な作りでは、日本の製品のほうが優れているのではないか、と聞いたが、あまり差がないとのことだった、だが店員はしばらく考えて、サムスンとLGのほうが画面の美しさでも日本製品より優れている、と回答し直してきた。

 価格を調べてみた。サムスンのスマートテレビは60インチの製品が2699ドルで売られていたのに対し、シャープの同型の製品は999ドル。価格の差は使い勝手の差であるように思われた。この差はハードの差ではない。使い勝手を良くするために両社が工夫を凝らしたソフトウェアの差である。

 今、アメリカの若い世代は、テレビを見ている時間よりもインターネットを使っている時間のほうが長くなっているとの報告もある。インターネットを優先したテレビが出てくるのは時代の流れの反映だ。日本の家電企業がいつまでもテレビを見ることに重点をおいて製品開発をしているのは、時代遅れのように思う。

 それにしても、サムスンやLGの製品が日本の量販店に並ばないのはなぜだろうか?サムスンは日本の市場を後回しにしているからだろうか、それとも日本が韓国製品を締め出しているのだろうか。理由は良く分からない。

 Best Buyで感じたのは、サムスンとLGが米国家電市場のあらゆる分野で伝統的な米国の家電メーカーを駆逐していることだ。サムスンはセンサー技術からウェブ技術まで、イノベーションを起こす全ての技術を持っているが、米国の伝統的なメーカーにはこれがない。サムスンの真似をしたくてもできない。閉ざされた国内市場での地位に安住していて、イノベーションを忘れたのである。

 日本の家電メーカーがなぜサムスンやLGに勝てないのだろうか?事情は米国の専業メーカーとは違う。センサーにしても、Wi-Fiにしても社内に技術はあるはずだ。それをなぜ新製品開発に生かせないのだろうか。

 消費者のニーズの変化に合わせて、新製品の開発方向を柔軟に変化させることを忘れ、従来の製品コンセプトから発想の転換を図れず、ハードを単体で売ることにばかりに注力してきている日本企業。見ていると情けなくなる。残念なことではあるが、家電メーカーの事業縮小はこれからも続くように思う。


DIAMOND IT&ビジネス冷蔵庫にツイッターがついた! サムスンの発想力に日本メーカーは追いつけるか(シリコンバレーで考える 安藤茂彌)