インプリンティングの失敗例 | Chieko・愛の無料恋愛相談室

インプリンティングの失敗例





ナイフで切ったように、引っ越しは終わった。
新生活*新生活
カーテンがないってば(笑)
んでもね、やっぱりいい、この感覚。
朝から、バカラのグラスにお茶とかいれて、

スウィートハニーに差し出しちゃったりしちゃったりしちゃったじゃないのよぅ…

引っ越しついでに、実の母ユキ子に電話してみた。
「ママー、また引っ越したよー」
「何度目の転居よ…」
「十九回目くらい?」
「もっとまわりのみんなと同じように生きなさい!

近所のあゆみちゃんなんかねぇ、ちゃんと就職して子供も生んで…」

うーるーさい!!!

あたしが音大付属短大を中退したのも、
三越をクビになったのも、
銀行をクビになったのも、
エロいグラビアに手を出したのも、
毎日オトコの事しか考えてないのも、
変態なのも、

全部ママのせいなのに。

みんなと同じように出来ないのは、小学校の学習道具が全部クラスメイトと違ったからだもん。
先生だったパパとママのお古みたいのを使うしかなかったからだもん。

あたしの算数セットの箱は、みんなと同じ宇宙の絵じゃなくて、猿の絵だった。
鍵盤ハーモニカも、みんなより短くて、鍵盤が足りなかった。
クーピーも赤と青だけなかったし、
安全帽子もなんだかみんなと形が違った。

最初はものすごく嫌だった。
なんであたしのはいつもみんなと違うんだろう…
みんなと同じ道具がいい。
クラスメイトの糞ガキは
「なんでちえちゃんの道具は違うの?」
とかしょっちゅう聞いてきやがった。

あたしは毎回
「パパとママが先生でね…」
とか答えるのが相当めんどかった。

そんな二年生のある日、NiceなIdeaを思いついた。

絵の具セットの中身は違えども、外側のケースだけはみんなと同じのにしてもらおう。
値段も1000円ぐらいだし、経済的負担も少ないから、ママがOKを出す可能性は高い。
そこまで当時のあたしが思慮深かったかは覚えていないが、

あたしなりの名案だった事に間違いはない。
この要求が通れば、あたしは猿の水入れを隠す事ができて、

同時にあたし=猿という印象をまわりに抱かせないですむ。



「ダメ!!!人は人!うちはうち!!!!!」

と何千万回と言われてきたいつものセリフを、

どすのきいた声で怒鳴られ、淡色の夢はハカナク散った。

現実の厳しさを目の当たりにしたあたしは、

若干七歳にして、諦めと開き直りという大人の逃げ道を会得してしまった。
もはや、絵の具が猿でも、習字の筆がカビてもどうでもいぃ。
宿題をやらなくても、忘れ物ばっかりしていても、他人の目なんか気にしないし。

そんなだらし無さが極まって、中二の頃には
オトコとお金と時間、
全てにおいてだらしの無い、今のあたしが形成されていた。

だからママに文句を言う資格はない。
怒られる筋合いもない。

言われた通り生きてるもん。
人は人
うちはうち…

今となっては、猿の箱に感謝している。