暫くして泣きやんだ彼女が恥ずかしそうにお礼を言うから・・・お礼なんて言われるような事は何もしてないのに・・・僕の気持ちを知ったら彼女はどう思うのかな・・・
「ジェジュンさん・・・付きあってくれますか?」
「え・・・でも・・・」
グラスを持って弱々しく儚く微笑む彼女に目を奪われてたんだ・・・彼女にこんなにも愛されるしゅんすけさんってどんなに素敵な男だったんだろう・・・
「今夜は一人でいたくない・・・から・・・」
「・・・七海さん・・・それ・・・違う意味に聞こえるよ?あっは(笑)」
「え?・・・あっ・・・そういう意味じゃ」
「分かってます(笑)・・・じゃ・・・飲みますかぁ!」
「ありがとう」
そうだよな・・・彼女の心にはまだ彼がいるんだもんなぁ・・・冗談で言った言葉でこんなにも胸の奥が締めつけられるなんて・・・僕って本当にバカだな・・・そういう意味じゃないか・・・ははっ・・・
彼女が作りかけだったおつまみとお酒を用意して僕の椅子の横に座るとグラスを持って
「お互い・・・前に進めるように・・・カンパイ」
「お互い?」
「僕も前に進まなきゃ・・・」
「そうですか・・・じゃ・・・カンパイ」
何を話せば良いのか分からず・・・二人とも黙ってグラスのお酒を口に運び2杯3杯と飲んでいくうちに静まり返った店内が寂しくて
「ねぇピアノ弾いて良い?」
「え?弾けるんですか?」
「少しだけど(笑)」
「どうぞ」
僕はグラスを持ったままピアノの蓋を開けてグラスを置いてから弾き始めたんだ・・・
「あ・・・それ・・・」
「そう・・・七海さんが弾いてたのって・・・こんな曲だったよね・・・」
「覚えたんですか?」
「覚えたと言うより・・・一応僕作曲とかするんで・・・聞けば大体の音とか分かるから・・・」
「そうですか・・・すごいですね」
「この曲は彼が七海さんに捧げた曲でしょ?」
「え・・・なんで・・・」
「愛が伝わるから・・・七海さん愛されてたんですね・・・ねぇ七海さん弾いてよ」
「え・・・」
「前に進む為にも・・・ね・・・お願い」
「・・・」
彼女がグラスを置いてこっちに来ると僕は彼女と交代して彼女のピアノを聴きながら飲んでたんだ・・・
彼女の弾くピアノの音色・・・やっぱりまだ愛してるんだね・・・こんなにも優しく切なく甘い音色・・・彼女の弾くピアノの音が僕の心をぎゅって締めつける・・・
ねぇ・・・七海さん・・・いつか彼を忘れる時が来るかなぁ・・・それまで僕は待ってても良いのかなぁ・・・諦めなきゃダメ?・・・可能性は僕にはないの?・・・そんな事を想ってる僕は嫌い?・・・ねぇ七海さん・・・僕の事はどう想ってるの?・・・ただのお客さんなの?・・・
「なんで泣いてるの?」
「・・・え・・・」
彼女に言われてハッとして顔を触ると涙が流れてたんだ・・・
「ははっ(笑)なんか・・・感動して」
「ふふっ(笑)」
ピアノの蓋を閉めて彼女が戻って僕の横に座るとふわっと優しい彼女の香りが僕の鼻を掠めたんだ・・・
続く・・・






