朝が来て出かける準備をして靴を履き彼女を抱きしめて約束をする・・・何度もキスをして・・・泣きそうな彼女の顔が笑顔に変わって・・・その笑顔が無理してるのは分かるから尚更辛い・・・
玄関を出てドアを閉めるとドアに持たれ空を見上げた・・・いつもと変わらない空・・・聞こえてくるのはドア越しに微かに聞こえる彼女の鳴き声・・・
辛いのは置いて行かれる方ばかりじゃないんだ・・・置いていく方も結構辛いんだ・・・初めて分かった事かもしれない・・・
それから1週間・・・DVDの撮影であっという間に過ぎていき日本を旅立つ朝・・・空港から彼女へ電話をしたんだ・・・
「笑美?今空港・・・」
「今から行くんだね・・・」
「うん」
「うん・・・いってらっしゃい」
「うん必ず戻って来るから」
「うん・・・待ってる」
「オフがあれば逢いに行くから」
「うん・・・私も行けたら行きたい」
「うん・・じゃあ着いたら電話するね」
「うん気を付けて・・・ジュンス」
「ん?」
「忘れないでね・・・」
「忘れる訳ない・・・笑美も忘れないで?」
「うん・・・頑張ってね・・・お仕事」
「うん・・・じゃあいってきます」
「いってらっしゃい」
彼の日本で聞く最後の声・・・早く戻って来て・・・泣いてばかりいると彼に心配かけちゃうから・・・次に逢える時までもう泣かないと決めたのは昨日の事だった・・・電話を切って泣きそうになる自分の顔をパチパチ叩いて冷たい水で顔を洗って目を覚ました・・・
鏡を見て奥さんの言葉を思い出す・・・
「待つのも楽しいものなのよ?」
「・・・え?」
「好きな人の事考えて待つのも楽しいものよ?いつも一緒だったらそうは思わないでしょ?」
「・・・」
「一日中彼の事を考えらるのよ?幸せでしょ?」
「・・・は・・い」
「逢えた時は何万倍も嬉しくなるじゃやない?だから待つのも楽しまなくちゃね」
「奥さん!!」
こんな事を話したのは彼が部屋を後にした後の事だった・・・さすが奥さん・・・ただ元気付けてくれるだけじゃない・・・奥さんの大きな愛に包まれてる感じがして心が暖かくなったんだ・・・一人じゃないって思えたから・・・だから楽しんで待つ事にします・・・だから大丈夫・・・
電話を切り飛行機に乗り込んで窓から見える青い空はキラキラと光輝いてた・・・
本当であれば母国で活動出来る・・・幸せな事なのに彼女を残して行く・・・それが僕の胸を苦しめるんだ・・・不安を感じながら・・・それでも前に進まなくちゃならないんだ・・・
韓国へ着く直前に流れる涙をそっと拭き僕は決心したんだ・・・僕はもう泣かない・・・大切な人を守る為に・・・夢を叶える為に・・・もう泣かない・・・絶対に・・・必ず帰るから僕を待ってて・・・
空港に降り立った僕たちを待ってたのはたくさんのマスコミだった・・・
続く・・・




