風呂から上がったばかりの静を抱きしめ
すぐに行動に移したいのを必死に堪えた。「ひで・・・と」
俺より少し背の低い静に潤んだ瞳で見つめられると
理性が飛びそうになる。
「し・・・ず」
まずい。
会わない年月の間に
静は前よりももっと綺麗になって 色気が増してきている。
「ふ・・・風呂・・・借りるな」
少し強引に静の体を離して、俺はバスルームへ向かった。
◇
あんな目をするなんて反則だ。
俺は体を丹念に洗いながら さっきの静の表情を思い浮かべていた。
もしや 宇佐美さんにも
無意識にあんな目をしてるってことはないよな・・・・
でも静は天然だからな。
自分が綺麗だと自覚しているかどうか・・・・
多分していないな。
高校の頃の静は もっと瞼を重く開けていた。
全てがどうでもいいような 諦めた瞳。
でも今は違う。
教職に就く将来に期待と夢を抱いて 生き生きしている。
昔の俺は酷かった。
ただただ静が好きで、欲しくて欲しくてたまらなくて
自分の欲望だけで静を抱いてしまった。
これからは静が幸せになれるようにしなければ。
天野にも宇佐美さんにも、
これから出会う 静の教え子にも誰にも取られたくない。
これからの二人のことを話し合おう。
静も俺も幸せになれる道を。
湯船の湯気に心地よさを感じながら
しばらく ぼんやりと浸かって風呂から上がった。
◇
バスローブが用意されていて
俺はそれを着てリビングへ戻った。
「秀斗、寝るとき僕のパジャマでいい?」
「あ、ああ・・・ありがとう」
泊まってもいいという事か。
静は着替えていた。
グリーンのチェックのパジャマが可愛くて よく似合う。
ソファーに腰掛ける静はクッションを抱きしめていた。
色っぽいんだか 可愛いんだか・・・
「何か飲む? あ、僕お酒飲まないから無いんだ・・・」
「いや、水でいいよ」
クッションをポフンと置いて
冷蔵庫からミネラルウォーターを取り出してきた。
「はい、ごめんね。コーヒーやジュースならあるんだけど」
「いや、俺も元々 酒は強くないし」
「そうなんだ、すごく強そうだけど」
「意外?」
「うん♪」
「静、なんかいい匂い」
「ぷ。(^∇^) 秀斗、同じボディーソープ使ったんだから同じ匂いだよ」
「ん~。でもなんか違うんだよな・・・」
俺は静の首筋に鼻を近づけて その香りを吸い込んだ。
そして そっと唇を当ててみた。
「ん・・・くすぐったい」
「静・・・」
「秀・・・斗」
熱を孕んだ潤む瞳が俺を誘う。
両の手で頬を包み、触れるだけのキスをした。
耳朶に唇を移し甘噛みすると 静は俺の首に腕を回してきた。
「しず・・・・」
「ん・・・あ・・・・・」
耳元で名前を呼ぶだけで 静は感じてしまっていた。
それは俺も同じで もう我慢できなくなっていた。
ヒョイっと静を横抱きにして 寝室のベッドに向かった。
俺の首に静の息が掛かる。
「・・・・はずかしい・・・・僕男なのに お姫様抱っこされてる」
可愛い静。 頬が真っ赤だ。
大事に扱うからな。
これからもずっと。
◇
静をバスルームへと連れてゆき
中をかき回して処理をした。
後ろから抱きかかえて湯船でしばらく浸かった。
静は ふわふわとした意識で
くったりと 俺にその身を預ける。
「秀斗・・・」
「ん・・・?」
「好き・・・」
「うん・・・」
「好き・・・秀斗」
「うん・・・」
うわごとのように静が言う。
俺は ある行動をとることを考えていた。
◇
ベッドに戻り 互いの温もりの中で穏やかに眠りについた。
真夜中の静の肌は やはりつるつるしていて
夢うつつに 俺は何度も
その肌に口づけを落とした。
~つづく~