父が亡くなりました。





最後を看取ったのは、

私一人でした。






高校生の時、

私は父が死んでも泣かないだろう。

いや、だろうではなく泣くことは無い。

そう思っていました。





ですが現実は違いました。






私は一人。

泣いて立ち尽くしていましたから。




喉から絞るように、

父に伝えました。





最後は。

最後だけは。

よく頑張った。

父親としては0点だった。


だけど。

だけど。

じーちゃんとしては100点をあげてもいいと思ってる。






私は2度と目を覚さない父の手に自分の手を重ねて、

顔を見つめました。





少し開いた口の中は血だらけで、

口元にも固まった血の跡がたくさんついていました。






呼吸器をはずされた父の顔は、

骨と皮だけで、





腕や手の甲にも、

注射や点滴の後だらけでした。


手の色は茶褐色で、

異常なほど腫れ上がっていました。





看護師や医師達の中にも涙を流す人もいました。




駆け付けた瞬間に、

モニター音が変わった事。

それは、

病院側の配慮だったのかもしれません。

私の為に。

家族の為に。






でも。

でももし、

そうでないのであれば、





父親の意思であるのならば、

私も少しは報われるのかもしれません。




それは一生わかる事はなく、

私の気持ち次第なんだろうと思います。