夜になると、旦那は外出した。

義理の両親はもう旦那は初めからいなかったかのように、旦那の話をしなくなった。

何とも言えない空気の中、私は普段通りにしていた。

義理の両親と旦那との話の後から、私はリビングで過ごせるようになっていたし、たくさんではないが食事も取れるようになっていた。

義理の母は孫の面倒をよく見てくれていたし、義理の父も扱いがわからないなりに接してくれていた。

普通、義理の両親と同居という話が出れば多くの人が拒否反応が起きるだろうが、私は何も感じなかった。
若かったから、何も考えてなかったんだろうと思う。
今の年齢で同居となれば、それなりの抵抗感もあったのかもしれない。
だけど、この頃は旦那がいなくなったとしても一緒に生活していけると思っていた。

旦那は朝方に帰ってきた。
女と一緒にいたのか、友達と飲んでいたのかはわからないが、ドアを開ける物音からお酒を飲んでいるようだった。

朝になり、義理の母が旦那を起こした。
何度か起こしているようだったが旦那は起きてこなかった。

10時半頃だったかボンヤリと起きてきて、昼から仕事に行くと言い風呂場へ行った。

昼休みの間に会社に送った。
連絡をしていたのか、女がまた門の前にいた。

ここまでいくと図々しいを通り越して、何の気持ちもわかなかった。


夕方、会社が終わる時間になっても旦那から連絡はなかった。
昼から行ってるし残業かなと考えていると、旦那から電話がきた。

はい。

あのさ、ちょっと話があるんよね。

旦那の声は暗かった。

何?

あー、やっぱり仕事が終わってからでいいわ。
また連絡する。

そう言って旦那は電話を切った。

胸騒ぎと同時に、私はもう旦那が何を言ってくるか気づいていた。
心臓の音が速くなっていくのがわかった。