修士論文
3連休も今日でおしまいですね。
私は、友達の演奏会を聴きに行ったり、レッスンに行ったり、
ピアノの刺激いっぱいな連休でした
さて、タイトルの「修士論文」ですが。
先日、生徒さんに「先生の修士論文が読んでみたい!」と言われ、
久しぶりに論文を出してきて印刷し、差し上げました。
音大の大学院では、修士演奏と修士論文があります。
修士演奏は、自分で60分のプログラムを組み、
基本的に、修士演奏のプログラムに沿った修士論文を書きます。
私は、修士演奏のメインにショパンのソナタ第3番を選び、
修士論文のテーマは「ショパンのピアノ語法」にしました。
ショパンの音楽におけるバッハからの影響、オペラからの影響について、
元々興味を持っていたので、それを中心に組み立てました。
まだあまり研究されていない分野なので、それなりに大変でしたが、
自分の考察を裏付ける文献を調べ、楽曲分析を行った結果、私なりに、
ショパンの音楽には、ピアノ・ソナタ第3番のように、形式の上ではむしろ単純でさえあるものの中に、同時代のもの、古い過去のもの、イタリアのもの、ドイツのものなど、様々な国、時代の要素が織り込まれている。そして、それらは分かりやすい形ではあらわれることなく、その作品の中に散りばめられ、さり気ない、しかし確かな対比を生み出し、ショパンの音楽を豊かなものにしている。ショパンの音楽とは、密やかな対比の音楽であり、それらが鮮やかなコントラストを成しつつ、それを声高には主張することのないその態度にこそ、ショパンのピアノ語法の本質はあるのである。
という結論に達しました。
(結論の一番最後の部分の抜粋です)
ショパンは、ピアノ曲だけにその才能を注いだ作曲家だったけれど、
幼少期にはバッハの作品に親しみ、また、オペラをこよなく愛していました。
それらはショパンのピアノ曲の中にも浸透しています。
作曲家の生涯やその時代背景を知ることは大事だと、よく言われますが、
そういった要素は作品の中のどこかしらに反映されています。
作曲家が歩んだ人生を知ることは、演奏のヒントになることがあるかもれません。
修士論文を差し上げた生徒さんから、
今まで知らなかったことを知って、また違う視点でショパンを勉強してみたくなった。
というメールをいただきました。
まだまだ研究する余地を残した未熟な論文ではありますが、
生徒さんにとって新しいヒントになることがあれば、嬉しいです。
もし、論文読んでみたい方がいらっしゃいましたら、こっそり差し上げますね