余命宣告


​余命宣告 




ドラマでよく聞く

「落ちついて聞いてください。」などは一切無く

唐突に医師から言葉が発せられる。





「あのですね、お兄さんは今肝臓が肝不全を

起こしていて、腎不全も起こしています。

恐らく、回復の見込みはありません。

持って1年程かと思います。」






頭が真っ白になる。1ヶ月程前まで

普通にLINEして2ヶ月前は

長電話もしていたのに…なぜ??

そう思いながらお医者さんに尋ねた。





「すぐにそちらに向かった方がいいですか?」





お医者さんは「直ぐ近々で亡くなるとかではないんですけど、いつ急変するかもわからないし

確実な保証はできません。

大体の場合、感染症など発症して亡くなってしまう場合が多いんですよね。」と。






そして続けて、「もし、人工呼吸着けるようになったら、一命は取り留められても本人さん相当キツイと思うんですよ。その場合はどうされます?正直ね、人工呼吸器着けるまでもないと思うんですよ。」といわれる。







わけが分からない。急に余命宣告をされ、

人工呼吸器?キツイ?死ぬ?

まだ会ってもない、病状も理解できていない、

なんなら、本人の意思すら確認できていない






そんな状況で、私の一言だけで

「延命措置はしなくていいです」など

電話1本で決めれる訳がない。






なので私はパニックになる気持ちを抑えながら

「せめて、まだ会っても居ないですし

本人の意志を確認してからにしたいです。」という。





するとお医者さんは

「ご本人さんね、今意識なくて話せないんですよ。どうされます?」といわれる。






私は震える声で「せめて兄と会うまでは、

生きていてほしいです。」と伝えた。





お医者さんは

「わかりました。ならそれまでは懸命を尽くします。」とおっしゃってくださった。






もしもの急変時、

私に連絡をいただける様お願いした。






「面会の日付がわかったらまた連絡してください。その時に書類など書いてもらいますので。」

との事で、あっけなく電話が終わった。





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