「職業は、恋人」
主人公の斜め横アップ顔のポスターに書かれてあるように、高級エスコート嬢の5日間のお話だ。
監督のスティーヴン・ソダーバーグは、昔から結構好きな監督。
今作で監督が主演に選んだのが、22歳の現役全米No.1アダルト女優 というのだから、どんな作品になるのか興味をそそられた。
映画館には、レディースデイ(水曜日)にも関わらず、仕事帰りのスーツ姿のサラリーマンもちらほらいて、
「ん? ポルノ女優は出るけども、ポルノ映画ではなくってよ。」 と 勘違いしちゃったのかもしれない人に目をパチクリしてしまった。
舞台は、リーマン・ショック後の大統領選を間近に控えた2008年秋のニューヨーク。
5日間の物語というが、これといった軸になるストーリーがあまりない。
しかも、1日目から順を追って素直に始まるものではなく、時間があっちこっち行くもんだから、「突然出てきたこの人は何?」 みたいな状態でついていけない。
中盤くらいになって、ようやく主人公のサーシャと恋人の関係、サーシャの仕事の状況、ちょっと今までとは違う客への心の変化 などがようやく繋がってきた。
主役のサーシャ・グレイ自体は特別美人じゃないけれど、不思議な魅力がある。
ただ、そもそも1時間に$2000もするエスコート嬢の価値が、いまいち伝わらない。
自分の顧客を、見た目も普通の若い女に取られ、まるで本物の恋人のようなひとときを過ごすってほどのサービス(会話・雰囲気)も描かれず、う~ん・・・と腕組をしてしまった。
特別に一流じゃないってことか。
大体、そんなエスコート嬢に仕事を一応理解している恋人がいるのも、なんだかな~。
この恋人も微妙な描かれ方をしてる。
勤めているスポーツジムでの待遇に不満を持っていて、それなりに野心があるけども、浅はかでうまくいかない。
ジムで知り合った金持ち達に誘われて、ヘリでラスベガスへ向かう訳わからなさ、その頃のアメリカの不安定な時代背景に合ってる!?
これぞスタイリッシュって感じか。
彼女はというと、今までとは違う顧客に出会って惹かれ、もしや本当の恋人に・・・ という相手にあっさりフラれてしまう。
でも、あくまでもクール。
なんだか、悲しいよ。
リーマンショック後のニューヨークの人々を通して、とにかくビジネス視点で描かれてた。
やっぱりお金で恋人は買えるけども、心までは買えないよね。