10年前に亡くなった父のこと。

 

亡くなる数か月前に父が「ご先祖様がたくさん夢に出てきた。お迎えが近いのかもな」と苦笑いしながら私にぽつりと言った。「心配だから見に来ただけじゃないの?」と私はあまり本気にせずに返した。

 

それから数週間後、実家に様子を見に行くと、父が背広姿のカラー刷りの証明写真を財布から取り出し私に渡した。「これ、遺影の写真」と父が言った。しばらく前に写真屋さんで撮って来たものだと。私は「わかった。預かっておく」と言ってバッグにしまった。師走も近い寒い日だった。

 

それから1か月後に父は死んだ。通院途中に役所の前で倒れ、救急搬送された時は心配停止の状態だった。奇しくもその日は父とランチの約束をしていて、父が倒れたその時間に、私は手土産の弁当を持参し実家へ向かっていた。通院から戻って来たら一緒にランチをする予定だった。

 

見知らぬ番号から私の携帯に何度も何度も、恐ろしいくらい何度も着信があった。実家から数駅手前の駅に差し掛かった電車内で、私はようやくそれに気が付いた。留守電を聞くと警察からだった。内容はわからない。すぐに折り返すと、「お父さんが倒れ、救急搬送されました。すぐに〇〇病院へ行って下さい」と教えてくれた。慌てて電車を降り、タクシーに乗り換え、病院へ着いた時には父はすでに死んでいた。大動脈解離だった。手土産の弁当は霊安所のお供えとなった。

 

通夜を終え帰宅後、私は斎場の方角にある自宅の窓を全開し、「お父さん、今晩は私のうちに来なさい」と心の中で父を呼んだ。その晩、元同居人はひどい金縛りにあったと言った。後日、葬儀会社から送られてきた数々の写真の中の一枚、通夜の席での父の遺影写真のショットには数個のオーブが写り込んでいた。

 

四十九日までの間、一番下の妹の家では奇妙なことが起こっていた。毎晩夕飯時の同じ時間に飼い犬がベランダ側の窓の外を見て吠えるのだと。「お姉ちゃん何だと思う?」、妹が聞いた。「それはきっとお父さんだから、犬が吠えたら窓を開けて中に迎え入れて上げなさい。そしてお茶を一杯入れて上げて」、こんな言葉が口をついて出てきた。その日の夕方、妹は早速やってみた。それから犬は吠えなくなった。

 

四十九日が終わり納骨を翌日に控えた夜に、私は夢を見た。実家で父が洗濯物を取り込んで私に手渡ししている夢を。最後の一枚の手渡しが終わった後、父はすぅーと消えた。まるで「思い残すことはない。もう行くよ」と言っているようだった。そして納骨の朝を迎えた。

 

それから今日までメッセージを持って父が出てきたことは一度もない。四十九日が終わるまで感じていた人がたの気配もない。ただマインドのようなものだけは感じることがある。人がたを超えた何か。それが何かはわからない。

 

実は不思議な話はもっとたくさんあります。でも今日はこれでお終い。

 

気分を変えて、ひとつ明るい歌をご紹介します。今日はタイトルにルイスミゲルが付かないのでルイスミゲルの歌ではありませんよ~。

 

以前ブログで語ったことのあるリカルド・モンタネールの娘エバルナちゃんの、今度は夫君(カミロ:Camilo)の曲です。(カミロ君、お鬚が画家のダリを思わせる...)夫婦は今ではインディゴちゃんという女の子に恵まれ、個々に夫婦一緒にと益々活躍の場を広げています。この動画には夫婦で出演。結婚後にふたりのおうちを作り上げる様子が出てきます。軽快な音楽に合わせて踊るふたりはとても幸せそうでこちらも見ていて楽しくなります。それではどうぞ!

 

Vida de Rico(豊かな人生)

 

Yo puedo ofrecerte una vida muy interesante 僕は君にとても面白い人生をプレゼントできる
Pero depende, para ti, qué es interesante でもそれが面白いかどうかは君次第だ
Si estás pensando en discotecas, carros y diamantes もし君がディスコや車やダイヤモンドを考えているなら
Entonces puede que pa' ti sea insignificante つまらないと思うかもしれない

No es vida de rico お金持ちの生活ではないけど
Pero se pasa bien rico 豊かな時間だ
Y si en la casa no alcanza pa'l aire 家にエアコンがなければ
Te pongo abanico 扇風機をかけてあげる

Yo no tengo pa' darte ni un peso 1ペソ(のお金が)があげられなくても
Pero sí puedo darte mis besos 僕のキスはたくさんあげられる
Pa' sacarte, yo tengo poquito 君と出かけるお金がなくても

Pero es gratis bailar pegaditos くっついて踊るのはタダだ

Yo no tengo pa' abrirte champaña シャンパンはないけど
Pero sí cervecita en la playa ビーチで飲むビールはある
Aunque es poco lo que yo te ofrezco 君にあげられるものは少しだけど
Con orgullo, todo lo que tengo es tuyo 誇りをもって言う、僕のすべては君のもの

 

Sería mentira decir que ahora mismo 今すぐにと言うと嘘になるけど
Puedo darte el viaje que tú te mereces 君にふさわしい旅をプレゼントするよ
No será Europa, pero el Sol cayendo ヨーロッパではないけど、沈んでいく夕陽が
Desde mi balcón, medio se le parece バルコニーから見えるのは、それにちょっと似ている

Y yo que tú no me acostumbraría もし僕が君だったら住んで居たくない
A estar aquí en estas cuatro paredes こんな4つの壁の中には
Haría todo por comprarte un día どんなことをしてでも君に買ってあげたい
Casa con piscina, si Diosito quiere プール付きの家を、いつか…

Yo no tengo pa' darte ni un peso 1ペソ(のお金が)があげられなくても
Pero sí puedo darte mis besos 僕のキスはたくさんあげられる
Pa' sacarte, yo tengo poquito 君と出かけるお金がなくても
Pero es gratis bailar pegaditos くっついて踊るのはタダだ

Yo no tengo pa' abrirte champaña シャンパンはないけど
Pero sí cervecita en la playa ビーチでビールなら飲める
Aunque es poco lo que yo te ofrezco 君にあげられるものは少しだけど
Con orgullo, todo lo que tengo es tuyo 誇りをもって言う、僕のすべては君のもの

 

Aunque no es mucho あまり多くはないけど
Es tuyo, tuyo, tuyo あなたのもの、あなたのもの、あなたのもの

 

No es vida de rico お金持ちの生活ではないけど
Pero se pasa bien rico (se pasa bien rico)  豊かな時間だ(豊かな時間だ)
Y si en la casa no alcanza pa'l aire 家にエアコンがなければ
Te pongo abanico 扇風機をかけてあげる

Yo no tengo pa' darte ni un peso 1ペソ(のお金が)があげられなくても
Pero sí puedo darte mis besos 僕のキスはたくさんあげられる
Pa' sacarte, yo tengo poquito 君と出かけるお金がなくても
Pero es gratis bailar pegaditos (pegaditos) くっついて踊るのはタダだ(くっついて)

Yo no tengo pa' abrirte champaña シャンパンはないけど
Pero sí cervecita en la playa (ay, en la playa)  ビーチでビールなら飲める(あぁ、ビーチで)
Aunque es poco lo que yo te ofrezco 君にあげられるものは少しだけど
Con orgullo, todo lo que tengo es tuyo 誇りをもって言う、僕のすべては君のもの

 

Translated by chicrebonbon29