15年位前に大塚家具で買ったダブルベッド愛用している。マットレスはコイル埋め込み型のアメリカ製だったが、腰が沈み、寝るたびに腰痛が悪化するので、買って2年足らずで捨てた。ベッドフレームは頑丈だったので、すのこの上に西川のムアツマットレスを敷いて使っていた。これが快適で、腰の痛みはどこへやらで、ほとんどなくなった。

 

ところが、4-5年前からすのこの部分がきしみはじめたのだ。1年前からは体位変換するたびにギーコギーコ大きな音を立てるようになって、これが不快極まりない。腰のあたりも重だるい感じがする。ある日、重たいすのこをえーい!と持ち上げて見てみると、中心に向かってうっすら湾曲している!こりゃダメだ。

 

いっそベッドを買い替えようか、すのこの部分だけをオーダーしようか、悩みに悩んで決めかねていた昨日、近所を散歩していたら、木工制作をしているようなガレージの前を通り過ぎた。その存在は前から気づいていたが、材木倉庫なのか、仕事場なのか、様子がさっぱりわからなかった。

 

作業中なのか、若い金髪のお兄さんが1人座っていたので、思い切って声をかけてみた。相手もびっくりしたと思うけれど、私もかなり勇気があったなと今にしてみれば思う。

 

あのぅーーー、ここは何をしているところですか?

 

会社向けに木製の家具を作っている工房らしい。事情を説明し、すのこの制作をしてくれるか尋ねると、ベッドは作ったことがないと。すのこだったらできるかもしれないけれど、材料を一から揃えると人件費を含めかなり高いものになってしまうと。(そーだよねー。) じゃぁ、反りを直す修理はどうかと聞いてみた。

 

実際に物を見ないとわからないという話になったが、たとえ徒歩15分位のところでも、ベッドのすのこを持って、工房までてくてく歩いてくるのはちょっと無理。写真を撮ってくるから見てくれない? と聞いたら、写真だとやっぱり難しいって。

 

じゃあ、うちに来て実物を見てくれる? やんわり断られるかと思ったら、作業を中断して来てくれるという。ちなみにそこは1人でやっているらしい。ラッキー!お兄さんと私は徒歩で自宅へ。

 

エレベーターに乗っていると、お兄さんは「エレベーターって怖くない?」とポツリと聞いてきた。私はてっきり怪談話の怖いかと思ったら、乗り物としてのエレベーターが苦手ということだと分かった。3·11以来、エレベーターに乗って降りる瞬間にめまいがするのだと。私もめまいもちなのでよくわかる気がする。

 

それから、自宅ですのこを実際に見てもらった。修復可能だと。あーよかった!修復方法の説明を受け、値段交渉し、お兄さんにお願いすることにした。お兄さんはすぐに工房に戻り、車ですのこを引き取りに来てまた工房へ。

 

修復には数日位かかるものだと思っていたが、工房にはたったの一泊のお預けで出来上がり。今日は完成品を持ってきてくれた。

 

それが、期待以上の驚くほどの出来栄えでほんとにびっくりした。お兄さんはすのこ板を全部外し、上下を反対にし、再び作り上げたと言っていた。接着剤がしっかり付いていたので、外すのはちょっと大変だったみたい。強度が増すようバッテンに追加の板も打ち付けてくれた。板の角は丸くなめらかに仕上がっており文句なしである。

 

早速、すのこ板の上で寝返りを打ってみたが全くきしまない。このお兄さんなかなかやるなぁ。ほんの昨日の今日の出来事なんだけれど、長年の悩みから一瞬で解放され、心が軽くなった。お兄さんとの出会いに感謝、感謝である。

 

さあ、今晩からはきしまないベッドで快眠だーーーー!