今日は葬儀、昨今は自宅よりホールがほとんどで、便利の中に、何か繋がりの希薄さが表れているようで、また火葬場も都会並に田舎でも1週間待ちとなりつつあり、お別れも時間で流れていることに寂しさを感じます。

誰にでも必ず訪れる別れ、冥途の旅です。

かしこき(賢)もはかなき(愚)も老いたるも若きも定め無き習いなり、されば先(まず)臨終の事を習うて後に他事を習うべし

とは日蓮聖人のお言葉。

いったいどうなるかわからないのが世の常、それゆえ、何にもまして臨終のことを学び、その後、他のことを学びなさいと教えます。

人の命の無常であることを観じ、死をどう捉えるかによって、生き方は大きく異なってきます。

死が生の消滅であり、無を意味するならば、生の意味も無に帰するし、また、死ねばみな同じというのであれば、精神的向上への努力等はなんの意味もないものとなりましょう。

因果の理(ことわり)は三世(過去現在未来)を通じて存在すると説くのが仏法のいのちに対する見方です。

この人生の終わりは未来への始まりでもあり、そうであるならば、どうして臨終のことをいいかげんに考えることができるでしょう。

臨終をどう迎えるかということを視点において、人生万般を処していくことが大事であり、そこに仏道修行の意味もあります。