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 飛行機選びについていろいろ書きましたが、留学の場合は、目的地の国籍の飛行機が良いに決まっています。バカ質問ばかりの知恵袋に2012年の旅のあとしばらくは見捨てないで回答者をしていたところ、ドイツのフライブルクに留学するという人が飛行機選びの質問をしていたのですが、現在どうなっているかわかりませんが、フライブルクの最寄りの飛行場はフランスのサンルイにあるミュルーズ・バーゼル空港だったので、そこに導く、英語の飛行機での乗り継ぎの案内を、とにかく安ければの検索で回答している人がいて、これではその人の留学が台無しになってしまうと思い、先の回答者は失礼と思ったかもしれないけれども、留学したことのない人はとにかく安いものをすすめますが、ということで、ドイツに留学するなら、ドイツ語圏の国の飛行機で飛行機の中から練習すべき、と介入しました。ルフトハンザが高いなら、スイス国際航空で,と。なにしろあの旅の直後ですから、航空券は少し安かったし、ドイツに留学するのに直前までドイツ語が通じない飛行機という無駄を考えました。私が介入しなければ、もちろんサンルイに行く飛行機は英語以外にフランス語が通じる可能性がありますが、ドイツ語環境が皆無です。しかしチューリヒからのドイツ入りならすべてドイツ語の練習になるし、スイスで宿泊すると値段は高いけれども、ドイツ入りがそのままできるならそんなに高くはありません。鉄道になりますが。このへんの感覚が、留学経験者と英語バックパッカーとでは違うのです。
 年始に羽田で飛行機事故が起きたので、飛行機が一番安全な移動手段という統計に再び否定をと思います。もちろんもともと航空機の事故統計でほかの陸上や海上の移動手段よりも死亡率が低いというのは、あくまでも一番安全な長距離の大型機と危険な小型機を同じ統計にのせているがゆえのものなので、ヘリコプターなんか日本国内でも毎年少なくとも一回は落ちて全員死亡しているし、小型機の危険がまったく考慮されていないことを強く感じます。ワグネルさんのプライベートジェットなんかプーチンに撃ち落とされましたね。イランなどは大統領を乗せたヘリコ(フランス語だとエリコ)が墜落したし。大統領機ですから、きわめて優秀なパイロットだったはずなのに。エールフランスのファーストクラスだとパリまでヘリコで送迎というのをやっているかもしれませんが、一番安全な飛行機から一番危険な飛行機に乗り換えということになりますね。
 私にとって恐怖の視界不良の離着陸は、モスクワの霧、パリ・ストラスブール間の大雨、チューリヒでの乗り継ぎ便の遅れと三回ありました。だいたい帰国便は途中で夜を迎えるのですが、離陸のときと成田では昼間なので、大陸間便として大型機が雲の上を飛んでいれば心配ありません。大型機でない場合、あるいは大型機が短距離を飛ぶ場合に低い高度でどうしようもなくなることは、我々は日航機事故から学んでいます。あれは夜間便では無かったと思いますが、東京・大阪間をジャンボというのは怖いですね。年始の日航事故も、海上保安庁の飛行機が、旅客機を目視できなかったということで、これだけでも夜間離着は恐怖ですね。つまり管制塔からの指示だけが頼りということになります。映画ではダイハード2で、国軍に紛れ込んだテロリストが管制塔を支配してしまって、着陸指示を待っている飛行機に偽の高度での着陸角度を指示すると、とうぜんクラッシュしてしまい全員死亡というシーンがありました。夜は、滑走路を目視できたときはすでに遅いのです。それで思ってしまうのは、前にキスマイ玉ちゃんがパイロット役をやったドラマを見て、いろいろ考えたことを書きましたが、飛行機の安全のために空港ではさまざまな人が働いていることに感銘と安心を考えながら、玉ちゃんが、お前は運がいい、と言われるたびに、運が悪かったらどうなっていたのかよ、と思ったわけです。なのドラマでは、カッコよく見せるためかもしれませんが、管制官とパイロットのやりとりは日本人同士でも英語でした。最後だけ日本語を付け加えたりもしていましたかね。これで気になるのは、司令の誤解です。あの事故の原因は、羽田の過密ぶりが日没後にも続く現状にあるのを、機長の責任にしてしまおうという動きがあることを指摘するジャーナリズムもありますが、私も言語学者ではないので何十カ国語もできるわけではありませんが、2012年の旅は三カ国語を使っての五ヶ国旅行で、人助けのために英語とスペイン語を使っています。中国語も使いましたが、それは私は日本人です、といって中国語ができないことをそのあとイタリア語で説明する、という具合なので、人助けできていません。前回、It's occpeidと言ったら、え?おっぱい?と言ってきた外国人の話をしましたが、女性だったので、これで俺をセクハラで訴えたりすんなよな、と思いました。そんな具合なので、言語のことは気になるのです。もしかして管制塔の指示が誤解の起きやすい英語でなされていたのではないかと。よく日本語は曖昧な言語だという人も居ますが、それはその人の日本語が曖昧なだけで、普通に受験していれば、英語のこのitは何を指しているか、という設問があったりするわけで、人称代名詞を使わずに実名を繰り返す日本語のほうがこのへんは厳密であることはあきらかです。それぞれの言語にちがった領域で厳密な部分と曖昧な部分があり、それを知らない人は、あまり試験に苦しまずに楽に出世してものを言える立場になってしまっただけの馬鹿かもしれません。国連の公用語は六つありますが、文書は起草語からそれぞれ翻訳されるので、まず英語から起草されると思いがちですが、起草言語は英語とフランス語の二言語です。一見フランスのごり押しにも思いがちですが、やはり英語よりもフランス語のほうが文法的な難しさもあって厳密なので、英語だけでは心許ないという原因はあります。国連職員は二言語以上できなければいけないので、ほとんどの職員は英語もフランス語も両方でき、英語で曖昧なところはフランス語を参照するパターンになるでしょう。勉強した人だと、ドイツ語のほうが厳密だよ、と思うかもしれませんが、日本語同様第二次世界大戦の敗戦国なので、国連公用語ではありません。基本的に国連は第二次世界大戦の終戦条約なので、経済的な寄与では一番かもしれない日本も、常任理事国になることができていません。そんなわけで、カナダで管制塔の言語を英語で統一しようとしたときにケベック州が反発して、フランス語での指示を継続したのもよくわかるのです。英語の指示で飛行機がクラッシュしてしまったらどうしようもありません。
 また、夜でパイロットが目視できなかったということで、どうせ晴れた昼間しか目視できないなら、パイロットの視力に厳しい基準があるのも、パイロット不足を招く元かとも思ったりします。どうせ夜はちょっとだけ視力が劣るパイロットでも同じじゃないかということにもなります。キスマイ玉ちゃんのドラマでは吉瀬美智子演じる女性機長が視力テストで操縦の業務が停止になり、パイロット引退するか悩んで、最終回で再テストを受ける決心をするというものがありました。じつはフランスでも空港を舞台にした連続ドラマを見たことがあり、CAをロール・マルザックが演じたりしていましたが、パイロットのほうは、クリスチャン・ブランデルという、おそらく一番の大役がテレビドラマでシャルルマーニュを演じたことになるであろう俳優です。中世で190cmあったというシャルルマーニュですから、俳優も長身で、髪の毛が少なくなっています。そこでやはり視力テストに落ちて地上勤務に異動になっての登場人物それぞれの仕事や私生活がグランドホテル形式で描かれるというものでしたが、ここでも、やはりエールフランスの視力テストの基準が厳しいことがわかります。パイロットは視力が要求され、社内の検査で視力が下がるとパイロットを続けられなくて地上勤務に移らないといけないわけですね。それを苦にした副操縦士が自殺に全乗客と同僚を道連れにしたのがジャーマンウイング墜落事件だったわけですが、今回の羽田の事故を顧みると、どうせ夜は目視なんかできないじゃないかということで、視力を苦にしたパイロットにつき合わされた方々の死はなんだったのだろうかとも思ってしまいます。このブログでは私の数少ない飛行機経験での、夜間の部分について書いたこともありますが、離着陸が夜間というのは怖いのが常でした。
 あの事故で、荷物室の犬を助ける余裕がなくて犠牲になったと言うことで、犬を荷物室に乗せるなと言う署名活動が行われていましたが、これはどの方向に行ってしまうのでしょうかね。犬を客室へ、というなら、反対です。犬を乗せるな、でなければなりません。あのとき乗客全員が脱出したことを確認してから全員無事で脱出した乗務員ですが、もし犬が客室に居たら、犬が滑り台で降りるのを怖がって機内に逃げてしまったら、乗務員はそれを追って一緒に死ななければならないのでしょうか。何年も前に、夏の離れ島への家族旅行に犬を連れて行こうとして、夏なので犬が熱中症で死んでしまい、航空会社は5000円の安さで荷物室に、と、もしものときはそれ以上の責任は負わないという契約だったのに、おそらく自分のわがままで犬を連れて行くことにした中学生が、給水を頻繁にしていることなどを書いてネットで航空会社の責任を問う、なんてのをやってしまって、大勢の支持を集めることで自分に落ち度がないようにしてしまいたかったのだろうけれども、親は契約というものを知っているからやめさせたというのがありました。犬を殺したくなければ、やはりペットホテルにでも預けるしかないのです。無理に連れて行くなら、両方の意味で、ホットドッグになってしまうことを覚悟しなければなりません。家族だから連れて行く、といっても、当事者は望んでいないし、寝たきりの家族も無理矢理飛行機に乗せるなんて家族はいるはずもない。動物を飼う責任とは、そういうものです。ちなみにヨーロッパまで12時間荷物室だったら、犬もネコも凍死ですね。コールドミートです。乗り継ぎ便だとどこかの経由地でロスバゲになって、餓死です。家族だからこそ守りましょう。注意喚起のためにもちょっと言葉でふざけてみました。ペットを家族と呼びつつも自分のわがままのせいで死なせてしまうほうがふざけていますから。うちで留学前に飼っていた犬が、私の帰国後1ヶ月ぐらいで死んで待ったので、長生きだっただけに、私が帰らなければもっと生きていたのではないかという負い目も残っていて、これは愛犬家、愛猫家に問いたいところですね。


 というわけで、個人手配なら、飛行機はしっかり選びましょう。できないならツアーでいいじゃないですか。どうせみんな行くようなところに行くなら、そのほうが頭いいですよ。

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