『ゴジラ-1.0』を3回観た
1回目は一人で観に行って大音響に殺られてしまい抗不安薬2錠飲んで震えているうちに映画は終わった
帰宅して夕食時の話題として、愚息に新型零戦『震電』が出てきたよと話すと「震電て離陸する時にプロペラが地面に擦れるって本当だろうか」と訊かれ「さぁ…ちゃんと飛んでいたけど」と答えると離陸するところが観たいから行きたいと言うので二人で観に行ったのが2回目
「面白かったからもう1度観たい。付き合って欲しい」と愚息に頼まれ私も嫌じゃなかったからまた二人で観に行ったのが3回目
3回も観れば大音響にも慣れストーリーもわかっていたので最初ほど怖くなくなり細かく観て楽しめた。
同じ映画を同月に3回も観たのは生まれて初めてだがそういうのも悪くないと思った
ただこの忙しくお金も無い時期によく行ったなと我ながら呆れる
終戦直後の東京、主人公は特攻を逃げ帰った人物という設定だがリアルに描かれてはいない
それはもうゴジラ自体がリアルじゃないのだから何となくそういう仮想世界の反戦と反核をテーマにした命を大切にする娯楽映画ということでとても面白かった。
映画の横浜大空襲体験者の祖母や母から聞かされていたものとは違うシーンに小さな違和感はある。終戦直後の東京焼け野原なのに隣人女性の眩しいほど真っ白な割烹着や布巾、一面火の海だった割には残った瓦礫が真っ黒にすすけてない物が多い、特攻を逃げ帰った人間に「男がしっかり戦わないからこんなにことになった」という台詞。そんな考えは祖母世代の誰からも聞いたことがない。しかし特攻逃れが実家焼け跡に1軒だけ立派な家を新築したらそれを優しく見守る程日本人は心が広くなかろう。
震電のシートにドイツ語が書かれているという時点で脱出装置が装備されているのはわかってしまう、銀座で典子と公一よく会えた、電車の他の乗客はどこへ行った、等など細かいところはあったが野暮なことは言わないで良いな
戦争における日本から隣国たちへの反省が抜けているのは別に良いです。そこだけリアルにすることもない。
典子さん、自責の念に苦しむ主人公を必要に応じて励まし支え銀座で事務員の職まで得て自立さえする。更には身を挺して彼の命まで助ける、もう夢のような理想の女性像で完璧!
アメリカの女性ヒーローより無駄口きかず強いじゃないですか
見よ高原のナデシコは清く優しく尚強く正しくあれと咲き競う🎶
高校の歌を思い出した
愚息が覚えてきた台詞に
「私の両親は火に焼かれながら私に生きなさいって言ったの!」があり意外だった
これもトラウマ級のハードな体験なのに彼女は悪夢にうなされない。
アメリカの観客は面白いよね、火で焼いたのは自分の国だろとカラカラ笑う息子
良いのよ、歴史映画じゃないゴジラなんだから
ただ楽しめば
市民ボランティアの防衛団が対ゴジラとして作られる様も娯楽映画だから面白かった
主人公、小僧、学者、船長がとても魅力的
私は昔の日本映画を配信でよく見るので台詞や演技に特に違和感無かった。「こりゃー恐れ入谷の鬼子母神」も全然OK(笑)
水爆実験でゴジラが海底で被爆し叫ぶシーンは悲鳴のように聞こえて胸が痛い。そこが妙に現実感あり可哀想だった
「戦争に行かなかったてことは、とっても幸せなことなんだよ」の台詞も目頭が熱くなる
クライマックスは曲が盛り上げてドキドキし
田中美央はじめ配役がまさにピッタリ
理屈無くとても面白かった
息子が喜んでいたのが何より嬉しかった
また愚と楽しい思い出が出来て良かった