簡易更新(よわパ☆ピコ そにょ㊱) | よわむしの独り言

よわむしの独り言

ゲームや書籍に関してかなり偏った視点から思い付くままに書き連ねます…と思ったら、いつの間にか食べ歩きとB級映画鑑賞がメインになってました。






#牛込家の呪い☠️










牛込りみ(以下、りみりん)「…それでね、香澄ちゃんがね…」

市ヶ谷有咲(以下、有咲ちゃん)「なんだよ、香澄のやつまたそんな変なこと言いだしたのかよ」



????「おっはよー!」



戸山香澄(以下、香澄ちゃん)「いや〜、間に合った間に合った」

有咲ちゃん「おっせーぞ、香澄!」

りみりん「香澄ちゃん、寝坊しちゃったの?」

香澄ちゃん「今日はさ、なんか髪型のセットが上手くいかなくってさ〜」

有咲ちゃん「髪型って…そのネコミミみたいのか?」



りみりん「何があっても絶対に崩れない驚異の髪型だよね〜」


香澄ちゃん「違うよ!これは『星型』なんだよ〜」




有咲ちゃん「えっ、そうなのか⁉︎」

りみりん「今さらになって、衝撃の事実が…」

香澄ちゃん「逆に今まで気づかれていなかったのがショックだよ…」

有咲ちゃん「いや…突っ込んでいいのかどうかわかんなくて、な?」

りみりん「うん…。ちょっとアンタッチャブル案件かなぁ、って」


香澄ちゃん「あ、でもさ。髪型って言えばりみりんの髪型もちょっと不思議だよね」

りみりん「私?」

有咲ちゃん「どこがだよ?」

香澄ちゃん「ほら、横髪が外にハネてて、ヤギとか牛の耳みたいじゃない?」

有咲ちゃん「う〜ん、言われてみれば…?」


りみりん「……………………」

香澄ちゃん「あれ、どうしたの、りみりん?」

有咲ちゃん「香澄が変なこと言うからだろ?」


りみりん「ねぇ、香澄ちゃん」

香澄ちゃん「なに?」

りみりん「私たち、なにがあっても友達だよね?」

香澄ちゃん「当たり前じゃーん。どうしたの、急に?」

りみりん「それじゃあ、牛込家に伝わる悲しい話を聞いてくれる?」

香澄ちゃん「う…うん」

有咲ちゃん「おいおい、なにが始まるんだ?」



りみりん「2人は『牛耳る』って言葉を知ってる?」

香澄ちゃん「『ぎゅうじる』〜?あ、豚汁の牛肉バージョン?」

有咲ちゃん「ちげーよ!中国の故事成語で、正確には…『牛耳を執る』だっけ?」

りみりん「さすが有咲ちゃん」

香澄ちゃん「こじせーご?」


りみりん「元になる出来事は古代中国の春秋時代で、その頃は一応『周王朝』っていうことになってるんだけど、統治力は弱まってたんだ」

有咲ちゃん「『西周』から『東周』に移った後だな」

香澄ちゃん「しゅんじゅーでとーしゅーだね」


りみりん「それで、各地の諸侯が力をつけてきたんだけど、名目上の主である周王朝をみんなで支えましょうって同盟を結んだんだよね」

有咲ちゃん「諸侯の会盟ってヤツだな」

香澄ちゃん「しょこーにかいめーだね」


りみりん「それで、その時に同盟のリーダーを決めるのに牛を生贄にして、みんなで誓いをたてたんだよね」

有咲ちゃん「『春秋五覇』を決めるときにそんなことしてたのか」

香澄ちゃん「しゅんじゅーごはだね」


りみりん「で、牛込家の祖先はその生贄の牛の耳を切り取る職務を代々受け継いでいてね、そのせいか頭に角のようなでっぱりを持つ子供が生まれるようになっちゃったんだ…」

有咲ちゃん「おぅ…。なんかホラーっぽくなってきたぞ」

香澄ちゃん「……………」


りみりん「そして、時代が戦国時代になると会盟も行なわれなくなって、身の置き所がなくなった祖先は東西に分かれて中国を後にしたみたいなんだ…」

有咲ちゃん「ま、まさか…西の方に行ったのは…」

香澄ちゃん「ど…どうなっちゃうの?」


りみりん「西の方に移った祖先の人たちは、その怪異な容貌から『ミノタウロス』伝承の元になったみたいなの…」

有咲ちゃん「やっぱり…」

香澄ちゃん「ひぃぃ…」


りみりん「東に逃げて日本にたどり着いた祖先の人たちもね、平安時代の頃は『牛鬼』だって迫害されてね…」

有咲ちゃん「マジかぁー!」

香澄ちゃん「そ、それでどうなったの?」


りみりん「その後も隠れ住むように身を潜めて、苗字も『牛さん、ごめんなさい』っていう意味を込めて『牛込(うしごめ)』に変えて、ようやく髪が外にハネてしまう程度に呪いが弱まったんだ…」

有咲ちゃん「それでも、まだ完全に呪いが解けたわけじゃないんだな…」

香澄ちゃん「りみり〜ん!りみりんがそんなツラい思いをしてたなんて〜!」

香澄ちゃん「今まで気づかなくてゴメンね〜!」


りみりん「香澄ちゃん…ありがとう。でも大丈夫だよ」

りみりん「多分、私が一生ビーフを食べずに生きていけば、この呪いも解けるって、そんな気がするんだぁ」

香澄ちゃん「りみり〜ん!じゃあ、私も一生牛肉は食べないよ〜!」

香澄ちゃん「頑張って呪いに打ち勝とう!」

りみりん「ありがとう、香澄ちゃん!」

有咲ちゃん(いやいや。りみの好きな食べ物が肉で、牛肉ももりもり食ってるじゃねーか!)


有咲ちゃん(それに、よく考えたらゆり先輩にはそんな外ハネねーだろ…)


有咲ちゃん(危なく騙されるところだったぜ)





後日…

有咲ちゃん「りみ〜、ちゃんと香澄に本当のこと教えたか〜?」

りみりん「いや〜、そのままの方が面白いかなぁ〜って…」

有咲ちゃん「気持ちはわかるけどw」





参考文献


©️横山光輝/小学館





おまけ


よわパ☆ピコまとめ