カズオイシグロ原作の”Never let me go”を観ました。

臓器提供するために生まれ、育てられた少年、少女、青年が、自分の使命に葛藤し、限られた人生を、いつ来るか分からない、提供する日までの時間を描いた小説。

 

数年前に映画を鑑賞し、原作を読了済でしたが、ずっと気になっていた、綾瀬はるかさん主演の日本のリメイクバージョンを一気見しました。

日本のドラマはバイブルドラマ「ファーストクラス」を除いてここ10年くらい観ていない状態だったので、期待はしていなかったのですが、

 

いやああ、素晴らしい!!!

久々に泣いてしまいました。

素晴らしい原作のおかげですが、日本のドラマの方が細かく描写しており、更に素晴らしい改編や新しいキャラクターが登場するなど、断然素敵でした。

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印象に残りセリフがてんこ盛りでした。

 

「どうか、何も考えないように造ってください」

ドラマオリジナルのキャラクターです。提供者がいかに苦しんでいるのかを街中で演説し、その場で自害してしまいます。

「私は考えました。一番大好きな人を助けるために自分の命を捧げられるか。多分無理だと思います。私たち提供者は人間なんです。あなたたちと同じく血が流れ、悲しみも感じる人間です。私たちはアルバイトをしたり、、そういった普通の生活ができないんです。ただ、自分の身体を提供するためだけに生まれてきたから。もし、提供者をこれ以上造るのなら、どうか、何も考えないように造ってください。」

このオリジナルキャラクターが全てのドナー提供者、そして読者の気持ちを代弁してくれたように思います。

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「こんな老人に若くて有望なこの子たちの臓器を提供するんですか??」

 

「わたしたちは天使だから。困っている人に未来や希望、新しい人生を与えるの。あなたがそういう素晴らしいことをするの。私たちはその使命を誇りに思う天使なの。側にいるから。あなたがやり遂げるの見てるから。

 

・「人は誰でも、生まれてくる意味なんて分からないのかもしれない。違うのは死ぬのが早いのか遅いのか。そう、ただ空の宝箱に日々を詰め込んでいくだけなのだ。

 

生まれてくる意味なんて皆分からないですし、チキンゴリラは生まれてくる意味など始めから無いと思っています。人生楽しいこと嬉しいこともたくさんあるけれど、悩んで苦しんだり、時にはなんで生きているんだろう、と考えたり。

でも、産まれた瞬間から運命が決まっていたらそれは嫌だと感じます。そう思うと生まれた意味は気づいていないだけで他に絶対あるのかなとも思ったり。。分かりにくいですが。

 

姉を見ていると思います。

結婚して、自分の子供が産まれたら、辛いことや苦しいことがあっても自分の幸せを犠牲にしてでも、「家族のため、子供のため」って思えるから、色々と頑張れるんですよね。

 

ゲイに生まれたということ、自分の命はほとんど自分のものだと思っています。

自分のために働き、自分のためにお金を使い、自分のために生きる。もちろん家族や恋人、友人との結びつきはある程度はありますが、自己中心的に生きられる。それがゲイにとって良いことでも悪いことでもあります。

 

例えば、自分は今、翻訳家として修業中ですが、月収は10万円+αです。チキンゴリラの年齢なら結婚していて、子供がいても不思議ではない歳です。でも、もし結婚して子供がいたら10万円では生きていけないですし、仕事も踏ん張って続けていたと思います。

 

自分の思うように生きられるのは守るべき家族がいないからだと思っています。

 

一方で、家族等、自分の命を犠牲にしてまでも守らないといけない存在がいないとなると、一体、誰を、どこを拠り所にして生きてよいのか分からなくなります。

語弊がありますが、辛くなった時に子供や家族などを言い訳にできない、とてもくじけやすい存在です。ある意味、ストレートの人に比べて、ゲイの人の方が新たに生きる意味を模索する必要があるかと、そんな風に思います。

 

もちろんそうでないストレート、ゲイの人もたくさんいるかと思いますが。最近は独身の男女も増えているので、生きる意味を模索する人も増えているかもしれません。

 

なんで生きているのだろう、、、、誰のために生きているのだろう、、、、何のために働くのだろう、、、、自分のため。。。。そんなのむなしい。生きる意味なんてあるのかな。

そんなことを常日頃考えます。

 

みなさん、生きるモチベーションってどこから湧いてくるのだろうか。ずっと気になっています。

 

ただ大切なことをドラマでは教えてくれました。。

 

空の宝箱に1日1日日々を詰めていく。

 

人生なんて、とてもシンプルなものだっていうこと。

 

1日1日を後悔の無いように生きる。1日1日を大切に生きる。

そうすれば、その詰め込んだ宝箱を死ぬ前に開けて、思い出したとき、幸せだったなった笑顔で天国に行けるのかなあと思います。

 

言葉にできないほど色々な感情が込み上げてきた本作、また観ます。

 

綾瀬はるかさん、ますます好きになりました♥