動物行動学者、日高敏隆さんのエッセイが、
文庫化されました
表紙は熊田千佳慕さんです
綺麗でしょう
以前、書評を書かせてもらった際に、
「ぼくの生物学講義」を紹介させていただきました
(ちなみに書評はこちら→明日香出版社HP)
そのときはこの本をまだ読んでいなかったのです
文庫化されて、あ!そうだ!ということに
はたと気付きました。
読後、あ~この本を、より、おすすめしたかった
と
今、激しい衝動に襲われています
日高さんは学者としてではなくて、
自然の一部として、自然界を眺め続けた人なのでしょう
この生物はこういう種類です、とか
この生物はこういう傾向がありますという
結果のみを提示するのではなく、
観察や調査の経緯を、具体的に、
それこそ幼稚園の子でもわかるように
お話してくださっています
それは日高さん自身が、その経緯を
誰よりも愉しんでいたのだと思います
失敗しても回り道でも、
「発見」という、ただ二文字の知的好奇心に向けて
無邪気に観察を続けること
これは日高さんの生涯のスタンスであります
「自分で見つける、わかる」ということが
ただただ喜びだったのでしょう
何が科学的かということとは別に、まず、
人間は論理が通れば正しいと考えるほど
バカであるという、
そのことを知っていることが大事だと思う。
そこをカバーするには、自分の中に
複数の視点を持つこと、
ひとつのことを違った目で見られることではないかと思う。
このエッセイは何も生物を知る上で、
面白いというだけではなく、
人としての生き方を知る上で
奥深い本だと思います
折角、人として生まれたのですから、
他人と同じ喜びだけじゃなくて、
「私」が感じる喜びを大事にしたいぢゃあないですか
それはやわらかで何ものにも縛られない。
科学ではなく知性こそが、
このいきもののほんとうの力だと思っている。
(抜粋は第3章 「宙に浮くすすめ」より)
