今回カナダ政府が発表した Emergiencies Act とは、一体なんなのか?
カナダにはもともと戦時措置法というものがあり、これは戦争下においてカナダ連邦政府が非常事態権限を掌握することを認めるものである。通常は各州政府に自治権があるが、この法のもとでは連邦政府の決定が唯一絶対となり、州政府はそれに準じなければならない。
だけど今は戦争中じゃないので、同じことを名前を変えて強引にやってしまえ、ということだ。ぶっちゃけた話、「どんな理不尽な内容でも、お上がやるっていったらいつでもどこでも強制できるんだもんね!言うこと聞かないやつは、こらしめてやる!」という、とんでもない法律。超独裁政権の誕生である。
首相はこれまで、トラック運転手の抗議運動からは仮病を使って逃げ隠れしたり、あの手この手でなんとかすり抜けようとしてきた。オタワ市内に整然と隊列を作っているトラックを一掃しようと、レッカー会社にトラックの移動をさせようともした。が、どこのレッカー会社もトラック業界は昔から大のお得意さん。そんなことできねえ、と無下に断られてしまった(苦笑)
そこで次に泣きついたのは、カナダ軍。
軍隊を出動させて、無理やりトラックもろとも抗議運動を一掃しようとたくらんだ。カナダ軍は基本的に国外の紛争地域での支援のみならず、国内の自然災害時の支援や、紛争の解決支援も行う。が、軍からの答えは「駄目」
武器を持たず、住民や地域に損害を加えるでもなく、平和的に抗議活動を続ける人々に対して軍隊を出動させる合法的な理由が、全く見つからないからだ。当然だ。国民の自由意志や、平和的な抗議運動をする権利は、憲法で認められているのだ。
そこで思いついたのが、件の緊急事態法というわけだ。
しかし、この発表は国内だけでなく国外でもたいへんな非難を浴び、物笑いのタネにまでなっている。
まず第一に、どこが緊急事態なのか?
メディアは「抗議運動家と警察が衝突」とまくしたてるが、実際はそんな険悪ムードどころか、バレンタインの日も警備に当たる警察官にバラの花を配って歩く活動家がいたのである。
また、アメリカ・カナダ国境付近にあったトラックの隊列はすでに解散し、国境は完全に開放されている。
そこで政府は今度は、「抗議運動とは名ばかりで、実は海外のテロリストを支援するのが目的の活動だ」というシナリオを作成(苦笑)
テロリスト対策ということにすれば、国民を言うがままにできると思ってのことだろう。しかもえげつないのが、トラック運転手を支援しようとなけなしのお金を寄付した何の罪もない一般市民までを「テロリストに加担したのだから、同罪だ」としらみつぶしに追跡し断罪するという、恥を知らない行動に出た。
具体的には、GiveSendGo を通じて寄付をした9万2千人のカナダ人の個人情報を公開。そのために嫌がらせを受けているのは、ほんの250ドル(日本円で2万円ちょっと)寄付しただけで店を閉じることになった家庭経営のジェラート店長だけではない。
VIDEO
それだけに留まらない。
いまやこの法のもとでは、「疑わしいお金の動き」を察知した場合、法的手続きをとることなく個人や法人の口座を凍結することが可能となる。そしてその結果ビジネスや個人の生活に支障を生じたとしても、訴訟を起こすことは禁止としている。
つまり、テロ活動とはなんの関係もないあなたの銀行口座がある日突然凍結され、この真冬のカナダ(マイナス20度はザラ)に電気代やガス代が払えず子供を含めて一家五人が凍死しても、国は知らんふりということだ。口座が凍結したために食料が買えず、子供が餓死したとしても「自業自得だろ、テロリストめ!」と国は笑ってすませるということだ。
そんなバカなことがあるものか、と思うなら以下の動画を見るといい。
首相代理のクリスティア・フリーランドの公式発表である。
VIDEO
彼女は代理とは名ばかりで、実際には影の大ボスとして有名。なんのことはない、ジャスティンはただの操り人形なのだ。だから首相を政権から引きずりおろしても、この女が控えている限りは事態は変わらないのである。いかにも魔女といった面相だが、この一連の措置は、まさに魔女による魔女狩りと言えるだろう。
しかしこの恥も外聞もないむちゃくちゃなやり方は、カナダ政府の評判を地に落とした。
首相の問題解決能力がゼロだってことをまたも証明しちゃたし、海外からのサポートは得られないと言ってよい。現に、アメリカではFOXを始めとするメジャーなメディアまでもおおっぴらにカナダ政府の批判を展開している。
いま矢面にさらされているトラック運転手たちは、どう思っているのか?
「ここから動かないよ」と、口をそろえて言う彼ら。がんばって欲しい。
VIDEO