無理のない健康的な食生活は、地中海沿岸諸国の特徴の1つです。日本では、もこみちさんのたっぷりオリーブオイルを使う料理が話題になって久しいですが、オリーブオイルも「地中海ダイエット」に欠かせない食品の1つ。
スペイン人は1日5食の大食い…と言われることもありますが、好き放題食べている感じなのに結構長生き!
平成28年度のWHO(世界保健機関)の調べでは、男女の平均寿命1位は日本。2位はスイスですが、3位はスペインです。男女別では、男性は9位のイタリアが南欧ではなんとか上位に組み込みましたが、女性は1位日本の次は、フランスとスペインが2位です。
「腹8分目」が美徳の日本と比べるとスペイン人は、もともとの胃袋の大きさが異なるのでは?と思うくらいよく食べます。なのに、長生きする人が多いのは、どこかに秘訣があるはずです。
地中海ダイエットとは?
「地中海ダイエット」という言葉を聞いたことがありますか?フランス南部、スペイン、イタリア、ポルトガル、ギリシャなど地中海沿岸の国々の伝統的な食文化ということです。
「ゆで卵とグレープフルーツダイエット」や、「糖質制限ダイエット」など痩せることを目的とした手段の名前ではありません。もちろん健康的に痩せられるということはあるかもしれませんが。
では、地中海沿岸諸国の人々は、何を食べているのでしょうか?それが分かるのが、地中海ダイエットピラミッド。「地中海ダイエット」の鍵を握るピラミッドの詳細をみていきましょう。
食事や食品の前に。大切なこと
ピラミッドの一番下を見ていただいたら分かるのですが、食事や食品以外で健康に大きく大きく影響することとして、「適度な運動」「十分な睡眠」「旬、伝統的な食品をとること」とあります。
何人かで1つのテーブルを囲んで食事をしているイラストも印象的。南欧の地中海沿岸諸国では、食事は大切なコミュニケーションの時間です。1日3食家族そろって食べられないとしても、夜や週末はできるだけ集まって食べます。
そして、職場などでも1人で食べることを好みません。食事の時間は誰かと共有したいのです。だから、食事は静かにとるものではなく、話しながら楽しくとるものです。(口の中に食べ物を入れたまま話すのは、よくないとされているので、タイミングは計ります)。
だから、子供たちの学校の給食の時間も、「静かに食べましょう」という指導はされません。私の子供が通っていた幼稚園の食事タイムは、それはそれは賑やかでした。もちろん食べることが大好きでもくもくと食べておかわりしているような子もいるのですが、後ろ向いたり、横向いたり、椅子に座らずに食べていたり、身を乗り出して前の子と話していたり。めちゃくちゃなのですが、楽しそうではありました。
とにかく「食事は楽しくするもの」というのが南欧諸国の常識です。そして楽しく食べるためには、運動や睡眠は必須です。運動しないとおなかはすきません。そして睡眠不足でとても疲れているときも食欲がなくなりますね。
地中海ダイエットの意外な飲み物
ピラミッドの1番下は、ドリンク。水かハーブティーとあります。ワインがないのがとても意外でした。赤ワインはポリフェノールを含み、食事と一緒に少量とるのは健康にいいのですが、最新のピラミッドでは省かれています。
スペインでいうと、水道水は飲める地域と飲めない地域があります。バルセロナは飲めない地域なので、ミネラルウォーターを購入していました。いろんな種類のミネラルウォーターが販売されています。含まれる成分によって微妙に風味が異なるので、好みのものか好みでないかはすぐに分かります。
そして、ハーブティー。食後はコーヒーかハーブティーを飲みます。眠気を覚ますためにエスプレッソを飲む人はまだ多いですが、胃にもたれそうなときなどは必ずハーブティーを飲みます。
因みに食後にカフェオレを飲むのはご法度。しっかり食べた後にたっぷりの牛乳入りのコーヒーを大きなカップで飲むのは、エネルギー過剰です。
話をハーブティーに戻します。スペインで良く飲まれるハーブティーは、カモミール、ミント、ティラ(リンデンフラワー)の3つがよく知られるもの。胃もたれが心配なときは、スペイン語ではマンサニーリャと呼ばれるカモミール。眠る前に落ち着きたいときなどはティラです。ポレオ・メンタと呼ばれるミントティーは、日中コーヒーや紅茶代わりにもよく飲まれます。
ピラミッドの土台部分の食品は?
地中海ダイエット的 毎日採りたい食品は?
地中海ダイエットでおすすめする、毎週食べたい食品
最後にピラミッドの上の方です。週2で白い肉。白い肉というのは、牛肉以外の肉のことです。
そして魚介類を週2以上。卵を2~4。(以外と少ない)豆類(レンズマメ、ひよこ豆など)を週2以上。
じゃがいもは、週3以下。じゃがいもはおなかを膨らましてくれる嬉しい食品なのですが、太るのです。メタボ対策ということで週3以下だと思います。
赤身の肉=牛肉は週2以下。
そして注目は、これ食べなきゃもはやスペインに住んでる意味がない…(と私は思う)加工肉。生ハムやチョリソなど。なんと週1以下。私は毎日食べてました…。だからでしょうか、日本に戻って痩せたのは。
最後はピラミッドの頂点。甘い物。週2以下。これは、ちょっと難しい?!
気になる量について 地中海ダイエット
イタリアやスペインに旅行された方は、ご存知だと思います。食事の量がとても多いこと。いくらバランスのとれた食事をとっていても、量を間違えていたら意味がないと思いませんか?
ピラミッドの外に、量について記述があります。「地域の習慣に従った量」ということは、肉体労働の仕事をする人が多い地域などは伝統的に朝からしっかりした量を食べるので、そのままでOKということ。つまり、量は各自の生活スタイルで決めてねと。何キロの人は1日何カロリーまでなど決めすぎないのが、緩くていいですね。
ワインのことも欄外にありました。「飲みすぎないように。習慣を尊重して」と。各自のスタイルで飲んでください、ということです。国の産業ですから、飲んだらだめとも言えないでしょうし、無理なく健康的に、というのが地中海ダイエットです。