私はスペインのバルセロナに住んでいるのですが、地中海的スピリットは、イタリア人から教わったと言えるかもしれません。

 

これもまた不思議な縁だなと思います。

 

スペイン語が大分分かるようになった在西2年目に、もっと地元の人と関わりたくて(そのときは語学学校で知り合った外国人の友人ばかりだったので)、以前から興味のあったワインテイスティングの講座を受講しました。

カルチャースクールみたいなところで。

 

ところがそこで遭遇したのは、カタルーニャ語という壁!

 

バルセロナではスペイン語以外にカタルーニャ語という現地の言葉が公用語になっていて、地元色が濃い場面では、カタルーニャ語が重要になってくるのです。

 

初日に講師が

 

カタルーニャ語だと困る方いますか?

 

と聞いたので、堂々と手をあげましたとも。

 

そしたら、講師がみんなに質問を投げかけました。

 

どうする?スペイン語でする?

 

そのとき教室に20人くらいいたと思うのですが、ナガーい沈黙…。

数分のことかもしれませんが、私には10分くらいに感じられ、もう、この講座はやめよう。間違えました、すみませんと言って今すぐ出て行こう、と思ったとき。

 

一人の人が

 

僕はスペイン語でもいいよ。ガリシア出身だし。

(ここでまだイタリア人出てきません)

 

と言って、

 

ちょっとざわざわしてきて、講師が

 

じゃ、スペイン語でいいか。では、前の人から自己紹介を!

 

で、始まった最初の人の自己紹介がカタルーニャ語だったという…。

 

そんなこともあって、落ち込みつつも興味のあることを学び続けました。

次に受講したのが、イタリア料理。

この講座は先生がイタリア人の女性で、スペイン語で授業が行われ、生徒さんたちもそんなことは気にしない人が多くて、講座終了後は先生の自宅に集まるくらい仲良くなれたのです。

 

イタリア人の先生は、しょっぱなからとてオープンで、カタルーニャ語は勉強中だけど自信がないから、スペイン語で許してね、とお願いしていました。

そのとき、私もワイン講座で、分からなくてごめんなさい、勉強中なのですが、という気持ちを表現すれば周囲の人もまた違った反応だったのかも、と感じました。

 

こういう小さいヒントをよく与えてくれたのは、やっぱり世渡り上手な印象のあるイタリア人だからかもしれません。

 

ワインの講座のときは、もう地元の友人なんていらない、と思ったのですが、イタリア料理のコースで、こんないい人たちもいるのか、と救われました。

 

私とイタリアの関係はまだまだ続くのですが、あのときイタリア料理の講座を受講していなければ、2年目でバルセロナを大嫌いになって日本に帰っていたかもしれません。